ひまわり先生のちいさな玉手箱

著書「ひまわり先生の幸せの貯金箱〜子どもたち生まれてきてくれてありがとう」

母を偲んで

2011年01月11日 | メッセージ
三回忌を無事済ませました。

いろいろとお心遣いをいただき、ありがとうございました。

二年前の雪の降りしきる一月の朝、

新年明けて、新学期も始まり
さあ、今日は座談会しようと
張り切っていた日

台所でお弁当を詰めていたら、
携帯が鳴りました。

「なんだろ…この忙しい時に!」

「お母さんが倒れて
ひょっとして危ないかもしれない」
という父からの電話でした。

父の声が妙に落ち着いていました。

私は、突然の事で、
もしかしてと考えると何も出来なくなりそうと思い、
とりあえず行く事だけを考える事にしました。

何度も浮かぶ「最悪の空想」を打ち消しながら…。

すぐに座談会を欠席する連絡を取り、

敢えて何も準備もせず、
車の雪だけを払って出発しました。

福岡から長崎までの道中、

フロントガラスは、ぼんぼん舞って来る雪で真っ白になり

いつ交通規制になるか心配になり内心焦っているのに

明るい音楽を大音量にして走りました。

そうすれば、「悪い空想」が襲って来ないで済むから。

確か、大声で歌を唄いながら、
ハンドルを握りしめていました。

アクセルを踏み続けて2時間。


病室に上がると
既に母の意識はなく、
手動のポンプで息をさせてもらってました。

「お母さん、お母さん」

スタッフが声をかけても無反応なのに

私の声には

足がぴくっと反応して
私が来たのを分かっているようでした。

お母さんの身体を摩り、
沢山の「ありがとう」を告げてから

意を決してポンプを外してもらうと
あっけなく母は
息を引き取りました。

生まれた時、自分の母が死に
原爆で大好きだった姉を亡くし、
長男(兄)出産時は、自分と赤ちゃん共に命が危ぶまれ

30年以上早寝早起きして
共働きしながら

不器用な人でしたが

私と兄を大切に育ててくれました。

三回忌に
私が小さい頃、
うちに住んでいた
大好きな叔母さんも来てくれました。

「お母さんは、けいこ、けいこ~って、
ギューって抱きしめて育てよったもんね。
私は、あんなにして子育て出来んかったよ。」

と、話してくれました。

もちろん、赤ちゃんの頃の事を
私が覚えているハズもなく

母が亡くなって初めて
聴いたエピソードでした。


あれから、雪が舞い降りてくる度に

天を見上げると

あのニコニコした笑顔に会い

しんしんと私の中に降り積もり

愛という確信が私の中に住み始め

少しずつ安心感に

変わって行ってる気がします。

コメント (2)
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