M.シュナウザー・チェルト君のパパ、「てつんどの独り言」 

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アルプス越えの旅 #1

2020-03-01 | エッセイ

  ミラノ駐在中、ドロミティ、オーストリア、ドイツ、スイスの10日間の旅を夏季休暇中に実現することができました。ヨーロッパへの赴任が決まった時、日本の山を歩いて思っていた「ヨーロッパアルプスを旅して見たい」という望みがかなうかなと、その機会を待ち望んでいたのです。

 この旅のことを、これまで書いていなかったので、50年近い昔の記憶ですが纏めておこうというのが「アルプス越えの旅」の3編です。

 

<アルプス越えの旅マップ>

ルート 

(アルプス越えの旅 #1) 

①ミラノ→270㎞ ②ヴェネチア→  160km ③コルティナ・ダンペッツオ(標高1200m)→130km ④グロスグロックナー山岳道路(標高2500m)→ 130km ⑤ザルツブルグ

 

(アルプス越えの旅 #2)

ザルツブルグ ⇔ 往復120㎞ ⑥ザルツカンマーグート(ウオルフガングゼー・バートイッセル→ハルシュタット)

 

(アルプス越えの旅 #3) 

ザルツブルグ→ 160㎞ ⑥ミュンヘン→ 130km ⑦フッセン→ 50㎞

⑧ツークシュピッツェ(標高2886m)→ 180km ⑨サンモリッツ(標高1700m)→ 180km ミラノ  走行距離は合計1500㎞になりました。

<フィアット850S>

 

車: 小型のFiat 850 S 1969発売 1970購入(最初の自分の車です)

    デザイン:ヴァニャーレ  駆動:R.R. 馬力:47 全長 : 3.7m 

重量:780㎏ 変速機:マニュアル4速 エンジン:OHV4気筒 850cc 

   平地では平気で160㎞/hあたりまで走ってくれましたが、山登りは苦手。この旅で、イタリア車の

   ハイギヤード の弱点を、痛感させられました。

 

 ミラノからドロミティ経由でオーストリアに入り、ドイツを回りスイス経由でミラノに帰ってくるというプランを立てました。

 狙いはドロミティを体験し、グロスグロックナーの急峻なアルプスの峠を越え、オーストリアの憧れの街、ザルツブルグに入るという行きの行程を考えました。

 帰りはアルプスを北から南へ旅をするということで、ザルツブルグからミュンヘン経由でドイツのフッセンへ。チキチキバンバンで見たノイエシュバンシュタイン城を歩き、ツークシュピッツェの山頂に登ってみたいと思っていました。何度も足を運んだスイスのサンモリッツ経由でミラノへ。

 

 ヨーロッパアルプスを南から北へ、逆に北から南へと越えることを狙ったわけです。

 

各行程でのハイライトを話してみたいと思います。

 

コルティナへの道

 

 まずはミラノからアウトストラーダで、ヴェネチアまで270キロ。イタリアのアウトストラーダは、日本道路公団が日本に初めて高速道路を作る際、デザインの参考にした道なので、違和感はなく快適な道を走ることができました。日本では速度制限があって飛ばせませんが、基本的には速度制限はなくて、早い車では300キロ近くで走っています。僕の車のような小さな車は頑張って、時速約160キロ位で走行車線を走るという、3車線の高速でした。

 

 追い越し車線は、まさに追い越し専用で、バックミラーにパッシングライトがピカッときたら、その車がすぐ後ろに突っ込んでくるというのが当たり前でした。ポルシェや、フェラーリが同じ車線を走ることなるのですから。僕は、真中の走行車線に逃げ込むのに、必死でした。こんな高速を経験した僕は、日本に帰ってきて、東名の車に走り方が、間違っていると感じました。普通の車が、走行車線が空いているにもかかわらず、一番右の追い越し車線を延々と走っているのを見て、危ないなと思ったものです。

<アウトグリル>

 アウトストラーダで面白いのは、アウトグリルと言う休憩所とレストラン。これは高速道路を跨いで作られた跨道橋のような建物の中に、土産物屋とかレストラン、もちろんトイレを含めた旅行者用の施設があります。アウトグリルは、これをイタリアすべてのアウトストラーダで運営している会社の名前です。ガソリンは、サービスエリアにありました。ヴェネチアでは唯一、車を乗り入れられるローマ広場の駐車場に車を止めて、ヴァポレットに乗って大運河を少し見たと思います。

<ヴェネチアのローマ広場>

 

コルティナ・ダンペッツオ

 

 ヴェネチアに泊まることなく、さらに160キロを登ってドロミティの東の中心、コルティナ・ダンペッツォにつきました。ここは見るところがいっぱいあるので、贅沢を言えば一週間はかかるのですが、先に目的地があるので、ここではホテル・アラスカに2泊だけにしました。ドロミティについては、別途、いろいろいと書いてるので、ここでは省きます。

 

<ハイリゲンブルート:アルプスの香りがしてきます>

 

グロスグロックナー

 

 コルティナからリエンツ、そしてハイリゲンブルート経由で、クロスクロックナー山(3798m)の足元を超える2500mの峠を越えることになりました。グロスグロックナーの展望台があるフランツ・ヨーゼフス・ヘーエへもちょっと寄り道。ここの景観はなんといっても氷河です。最近、アルプスの氷がやせ細っているようですが、この時、僕が見たのは堂々たる氷河のうねりでした。

 もうすでにオーストリアに入っていて、その先の目的地ザルツブルグに向かいました。途中、フルブルン宮殿を訪れ、水の庭園という非常に珍しい庭を楽しむことができました。いろいろな仕掛けで、驚かされたのを記憶しています。日本では昔、水芸と言う芸人さんが、いろんな所から水を出してお客を驚かせるという芸がありましたが、まさにこれはオーストリア版の水芸の組み合わせでした。 

 

#2に続く



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