matta

街の散歩…ひとりあるき

仲麿ハ 安南国で かんなんし…『畫本柳樽』五編

2020年05月26日 | 川柳

仲麿ハ
安南国で
かんなんし

(阿倍)仲麻呂ハ
安南国(漂流)で
艱難し

仲まろハ
安南ミだぶと
しづむとこ

仲麻呂は
安南みだぶ(アンナミダブ)と
沈むとこ(でした)


月のうた
ばかり帰朝と
奏聞し

(仲麻呂 帰朝かなわず)
月の歌
ばかり帰朝と
奏聞し
“天の原ふりさけみれば春日なる三笠の山に出でし月かも”


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疵にした 蚊をおしながす 名句なり…『畫本柳樽』五編

2020年05月25日 | 川柳

疵にした
蚊をおしながす
名句なり

疵にした
蚊をおしながす
名句なり
※夏の月蚊を疵にして五百両 其角
 夕立や田を見めぐりの神ならば 其角


大さわぎ
ほしミせしまふ
其角が句

大さわぎ
干見世(露天)仕舞ふ
其角が句
※夕立や田を見めぐりの神ならば 其角


びつしより
ぬれて其角の
くそばうず

びつしより
濡れて其角の
くそ坊主
※夕立や田を見めぐりの神ならば 其角


吹くほどに
チヤルメロになる
やぶれがさ

吹くほどに
チヤルメロ(ラッパ状)になる
破れ傘


ふきぶりに
人間をのむ
蛇の目がさ

吹き降りに
人間を呑む
蛇の目がさ
(つぼめた傘に頭呑まれ)


夕立に
いざりぬきでを
きつてかけ

夕立に
いざり抜き手を
切って駆け
(足が不自由、手で移動)


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魂棚の ねづミわか後家 とびあがり…『畫本柳樽』五編

2020年05月24日 | 川柳

魂棚の
ねづミわか後家
とびあがり

位牌棚の
ネズミにわか後家
とびあがり


しかられた
こともこひしき
たままつり

叱られた
ことも恋しき
魂祭(盂蘭盆会)


たなバたハ
川をわたつて
ぬれ給ひ

七夕は
川を渡って
(しっぽり)濡れ給ひ


たなばたを
江戸ハこくうに
高く上げ

七夕飾りを
江戸は虚空に
高く上げ


徳ハ元なりと
なんきんを
儒者目きゝ

徳は元なりと
南京(かぼちゃ)を
儒者目利き
(末生りかぼちゃはまずい)


なんきんを
かほよきどりで
下女目きゝ

南京を
顔世御前(塩谷判官の妻)気取りで
下女目利き


竹椽に
ひるねのかほハ
つとどうふ

竹椽に
昼寝の顔は
苞豆腐(藁づとに包んだ豆腐)



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一トとせに ひと夜はうしも 大よだれ…『畫本柳樽』五編

2020年05月23日 | 川柳

一トとせに
ひと夜はうしも
大よだれ

(織姫と)一年の(逢瀬)に
一夜は牛(牽牛)も
大よだれ


あくる日ハ
はたに居ねぶる
女たなバた

翌る日は
機に居眠る
女七夕(織女)

すハのうミ
夏わたるのハ
月ばかり

諏訪の湖
(氷らない)夏渡るのは
月ばかり


天に川
あるはづ地にも
雲の上

天に川
あるはず 地上にも
雲上人(宮中)あるじゃないか


七月ハ
ほとけも魂の
おいでなり

七月は
仏も魂(偶たま)の
お出でなり


ミそぎ川
七日路ゆくと
天の川

禊ぎ川(六月晦日の神事)
七日路ゆくと
天の川(七夕)


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すゞしさハ すミゑの松を しいてねる…『畫本柳樽』五編

2020年05月22日 | 川柳

すゞしさハ
すミゑの松を
しいてねる

涼しさは
戸を放ち松影の
もとに寝る


すゞミ台
またはじまつた
ほしのろん

涼み台
また始まった
星論議


雲のミね
これぞあつさの
峠なり

入道雲の峰
これぞ暑さの
ピークなり


小べんの
あとで屁をひる
安花火

小べん(シュウ〜)の
あとで屁(ポン)をひる
安花火


きをん會の
火ともしごろに
あぶら蝉

(八坂)祇園会の
火灯しごろに
油蝉
(火と油)


うろたへた
せミくまさかの
すねでなき

うろたへた
蝉 (松上の盗賊)熊坂長範の
すねでなき


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