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街の散歩…ひとりあるき

ほすは夏 ぬるるハ秋の 御せいなり…『畫本柳樽』初編

2020年05月04日 | 川柳

ほすは夏
ぬるるハ秋の
御せいなり

干すは夏
濡れるは秋の
御製(ぎょせい=天皇の詠まれた歌)なり
※“春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山”持統天皇
“秋の田の 仮庵の 苫を荒み わが衣手は 露に濡れつつ”天智天皇


八まんは
かんにならぬ
ときの神

八幡は
堪忍ならぬ
時の神
※“八幡、堪忍ならぬ”…絶対に堪忍ならぬ


兼題は
ぬえで当座ハ
ほとゝぎす

兼題は
鵺で当座は
ほとゝぎす
※兼題…題にもとづいて詠む和歌
 当座…即席に詠む和歌
命により鵺(ぬえ)退治をした頼政を讃えた頼長の歌
“ほととぎす 名をも雲井に あぐるかな”
(ほととぎす そなたは空高く名をあげたことよ)
と、頼政が即席で続けた。
“弓張り月の いるにまかせて”
(弓を射るにまかせたまぐれです)


手のこんだ
ばけものゝ出る
紫宸でん

手の込んだ
化け物のゝ出る
紫宸殿


コメント
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