生き物好き気象予報士&理科教員、公認心理師・金子大輔(金兵衛)のブログ~通り雨の旅路~

拙著10冊目出版、ぜひ読んでね!おかげ様で18年続いている老舗ブログです。

狩野川台風の恐怖

2016-09-26 | 天気・気象

歴史上、日本で1000人を超える犠牲者を出した台風が6つ。
うち3つは9月26日に襲来してる。

伊勢湾台風:1959年9月26日:死者不明者5098名
・枕崎台風:1945年9月18日:死者不明者3756名
・室戸台風:1934年9月21日:死者不明者3036名
・カスリーン台風:1947年9月15日:死者不明者1930名
・洞爺丸台風:1954年9月26日:死者不明者1761名
・狩野川台風:1958年9月26日:死者不明者1269名

9月26日は「強烈な台風の特異日」と言ってもいいだろう。

この中の狩野川台風は、
最盛期に877hPaというバケモノ級にまでなった台風である。
ハリケーンやサイクロンなども含め、
世界史上でもトップクラスの勢力である。

陸地に近づくとともに急激に弱まり、
960hPaくらいで上陸したため、風による被害はそれほどでなかった。
それでも、各地に大きな豪雨被害をもたらした。

東京都心でも史上最大の日降水量(371.9ミリ)を観測している。
2位が278.3ミリだから、ダントツの値であることがわかる。

データを詳しく見てみると。


1時間に20ミリ以上(傘を差しても濡れてしまう)を黄色、
1時間に50ミリ以上(しぶきで前が何も見えなくなる)を赤で囲んだが、
かなり長時間に渡り、繰り返し豪雨が襲っていたことがわかる。

最近の東京では、
長時間に渡って豪雨が続く台風はあまり記憶にない。

狩野川台風では、傘が役に立たない状態が8時間以上続いたのだから、
その猛威は想像を絶する。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【25年前の不気味な日】もし明日、36℃を超えたら

2016-09-26 | 天気・気象

残暑がぶり返してきましたねあせあせ(飛び散る汗)

9月も末になると、27、28℃くらいでも暑く感じます。
30℃を超えた日にゃ、記録的な暑さと言うことができるでしょうげっそり
(一部の地域を除き)

ところで25年前、こんな現象が起こったのをご存じでしょうか?
不気味で過酷なこの現象の詳細は、
一冊目の著書に書いています(営業失礼いたしますm(__)mあせあせ)。

●こんなに凄かった! 伝説の「あの日」の天気
https://www.amazon.co.jp/dp/4426117852


それは富山県の泊。
9月28日の真夜中、突如気温が急上昇し、36.5℃を記録しましたいい気分(温泉)

9月末に35℃越え(猛暑日)というだけでも驚きですが、
それが真夜中に突如起こったのですから、なんとも不気味です。

そのときのデータを見てみましょう。



そう、南南西~南西の暴風です。
この風が気温を押し上げたのです。

北陸で南寄りの風が吹くと、山脈を吹き降りる形になり、
「フェーン現象」が起こります。
国内の異常高温の事例では、
ほぼフェーン現象が関わっているといっても過言ではありません。

この日は、「リンゴ台風台風が日本海を進んでいました。
そうです、日本中を震え上がらせたあの台風です。

リンゴ台風に伴う南寄りの暴風が、
局地的な異常高温をも齎したのです。

台風の激烈な被害に隠れてしまいましたが、
地味ながら、こんな現象も起きていたとはびっくりですね。

今年はまさか、こんなことはないとは思いますが……。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする