受験のための勉強の方に主軸を置きたい」
写真はハロウィンのイラスト。
お城でも、バスや電車を降りて
水面下では、色々と次の歴史授業に向けて
みなさま、本日もありがとうございます。
みなさま、本日もありがとうございます。
れくす先生の歴史模擬授業シリーズです。
今回は、前回からの続きで第4回 人類の進化その2 です。
※この授業のコンセプトは第1回の内容をご覧ください。
「人類の進化」は、私立中学入試ではあまり出ない分野で、中学になってから初めて習う内容のことが多いです。
(私立中学入試で絶対に出ない、とは言えないので、受験予定の学校の過去問の確認をオススメします。)
テスト勉強のために用語を覚える、という意味では、
最初から用語をしっかりバシバシ入れた方がわかりやすいと思います。
ただ、今回のシリーズは、
「はやく覚えないと誰かに人格否定される、という不安感でパニックになることを
防いで、落ち着いてテスト勉強し続ける」というのが目的の1つなので
「用語を受け入れる前に下地を作る→その後でテストで用語をバシバシ出す」
・・・という形にしています。
そのため、前回は人類の進化の導入部分(多くの用語を受け入れる下地部分)のみを扱い、
今回で「テストで出る用語」をメインに話を進めていきます。
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第4回 人類の進化と、旧石器時代・新石器時代その2
前回は、「石器の加工の違いで名称が分かれ、
打製石器を使い始めた時代を旧石器時代、磨製石器を使い始めた時代を新石器時代と言う」
そして
「気候の変動によって、生き残るために環境適応をすることによって人類は進化(変化)をしていった」
という話をしました。
今回は、その旧石器時代にどのように人類は進化し、
その後、生き残った人類(新人)が
どのように新石器時代を生きていくことになったか?
の話です。
(1)各人類を見ていく
猿人・原人・旧人・新人の順番に、人類の動きを見ていきます。
①猿人
今の人類の元になったと言われているのが猿人です。
最初の人類とも言えます。(※直接の祖先ではありません。)
猿人が誕生した時期には、
アフリカ大陸のみ人類がいたと考えられます。
前回(第3回)でお話したように、人類の先祖となる生き物(初期猿人とも言う)は
今の熱帯雨林気候のような気候であった地で暮らしていて、その生活で暮らしやすいような体つきになっていました。
(木登りをしやすい形)
しかし、途中で気候変動がおきて、人類(初期猿人)が暮らしていた地が
熱帯雨林気候からサバナ気候(草原が多い気候)になりました。
それで、人類(初期猿人)は、草原を移動しやすい、また、他の動物との生存競争で生き残るために、
二足歩行をする、という身体的変化を遂げました。(→この時期あたりからの人類を「猿人」と呼ぶことが多いです。)
その後、長い時間をかけて、猿人は、直立して二足歩行する、という身体的変化をしていきます。
現在、猿人は存在していません。絶滅しています。
ただ、猿人が絶滅してから、次に習う人類である原人が現れたと勘違いされがちですが、そういうわけではないのです。
猿人の中で枝分かれしていき、その中で、現在の人類と生活形態が近くなり、
また、直接、遺伝子につながった猿人を原人と称したと考えた方が理解しやすいです。(旧人・新人も同様)
前回、お話した打製石器を覚えていますか?
打製石器とは、石を砕いて作った石器のことです。
そして打製石器を作って、使い始めた時期を旧石器時代と言いました。
この打製石器を使い始めたのは猿人か?原人か?は、はっきりしておらず、学者さんによって異なるようです。
(なので旧石器時代が始まった時期もふんわりした言い方になります。)
その理由は、原人が打製石器を使ってたのは確かなのですが、
原人が生きていた時代に猿人系の人類も生きているので、
どちらが先に使ったか?は不明だからでしょう。
(その後、猿人は滅亡し、原人は生き残ったので。・・というか、生き残った猿人を原人と称した。のほうが近いかもしれません。)
猿人が打製石器を作ったか?は不明ですが、
骨などの推測から現在の人類のように直立二足歩行をしていた人類がいたのは確かです。
直立二足歩行が人類が人類たる証なのかもしれません。
猿人の例としてはアウストラロピテクス・アファレンスなどなど。
現在(2024年)の教科書を見る限り、「猿人」という言葉しか出ておらず、
昔(例えば1990年代)は「アウストラロピテクス」という言葉が教科書に出ていました。
そのため、「猿人=アウストラロピテクス」と勘違いする人もいました。
(猿人が日本語で、その外国語に当たるのがアウストラロピテクス
だろうという勘違い)
猿人にも色々なタイプがいます。
アウストラロピテクス・アファレンス、アウストラロピテクス・アフリカヌス、パラントロプス・エチオピクス、などなど。
アウストラロピテクス・アフリカヌスが初期の人類として最初に発見された人類なので、アウストラロピテクスという用語だけ
昔の教科書には出ていたのかもしれませんね。
②:原人
時期的には約260万年前、地球は氷河時代に突入します。
約70万年前には、寒冷な時期(氷期)と比較的暖かな時期(間氷期)を一定の周期で繰り返す時期になりました。
このようにお話しすると、次のように勘違いしがちです。
勘違いその1:「氷河時代」を「氷河期」を同じと思ってしまう。
勘違いその2:勘違いその1から、「約1万年前に氷河期が終わって、温暖な気候になる(そして現在はその温暖な気候)」
という記述を見て、「現在の気候は氷河時代でない」と思ってしまう。
という2つ。
「氷河時代」が始まった、というのは、「常に地球上のどこかに氷河が存在している」という時代のことです。
氷河というのは、一言で言ってしまう、巨大な氷の塊です。
氷は暖かければ、溶けます。
溶けない、ということは、その場所はとても寒いということです。
その氷河が多い時期を「氷期」と良い、
「氷期」に比べたら氷河が少ない時期を「間氷期」と言います。
そのため「間氷期」が「温暖な気候」と記述されます。
でも、その「温暖な気候」のときの「間氷期」でも氷河が残っています。
現在は、「間氷期」に当たります。つまり、原人が誕生するきっかけになった時代の氷河時代は現在もなお、終わっていません。
現在がいくら温暖な気候といっても、猿人が生まれたころの世界ほどは暖かくありません。
寒くて厳しい世界を生き抜くために人類は進化し、とくに知能が爆発的に発達しました。
そして約240万年前に人類はついに、火を使うようになります。
火をなぜ使うようになったか?というと、狩り・採集で手に入れた食べ物を調理するためではないか?と考えられます。
人間は生肉は食べられないですからね。
(ちなみに、肉を食べると知能が進化しやすい説もあるので、
もしかしたら人類が肉を食べられるようになったことで知能が爆発的に発達したのかもしれませんね。)
そして、この時期に、人類は簡単な言葉を使用したと考えられます。
(仲間と意思疎通しないと野生では生き残れないので言語は必須スキルになったのでしょう。)
この時期に発達した人類を原人と言います。
原人たちの中にはアフリカ大陸を出て、
ユーラシア大陸(アジアやヨーロッパ)にまで移動しました。
その原人の中で代表例として、
中国の北京で発見された北京原人や
インドネシアのジャワ島で見つかったジャワ原人
がいます。
中国や東南アジアまで原人は移動してきた証拠とも言えます。
その後も、いろんな人類が生まれていきます。
③:旧人と新人
約60万年前に原人より大きな脳&筋肉質の人類が生まれます。そのような人類を旧人と言います。
その旧人から、ネアンデルタール人、ホモ・サピエンス(新人)が生まれした。
ネアンデルタール人はヨーロッパ周辺に分布し、高い知能、高い身体能力をもっていたとされています。
新人(ホモ・サピエンスのこと)は約20万年にアフリカ大陸で生まれました。
そしてアフリカ大陸から世界中に広がっていきます。
その中で、ヨーロッパに住み着いた新人をクロマニヨン人と言います。
新人は、アフリカ大陸で誕生したが、打製石器をより精巧な作りにして、
狩りや採集を行い、獲物を追いながら、世界中に広がっていきました。
また、時代が進むにつれて、磨製石器を作り、使用するようになりました。
磨製石器を使い始めた時代を新石器時代と言います。
旧石器時代から新石器時代に移行した時期は、新人が誕生した後の時期に当たります。
新人と旧人であるネアンデルタール人は同時期に生きていた人類で、
現在生き残った人類は新人だけですが、この新人の祖先である私たち人類の遺伝子の中には、
ネアンデルタール人の遺伝子もごく少量ですが、含まれているそうです。
ネアンデルタール人の純血種は絶滅しましたが、彼らの遺伝子は新人に受け継がれていったのでしょう。
(人類の中でネアンデルタール人と交流のあった新人のみの話で
すべての新人にネアンデルタール人の遺伝子が入っているワケではありません。)
(2)テストについて
「人類の進化」は小学校では扱いません。
そのため、一部のの学校をのぞき、私立中学校入試で「人類の進化」を扱うことはしません。
この分野は中学生になって、初めて習う可能性が高い分野です。ただし、旧人については
中学校の教科書では明記されていないことが多いです。
「人類の進化」の分野は、猿人・原人・新人に分けて、
・・・・という図式が頭に入れば大丈夫です。
入試については、人類の進化の内容は、「絶対に出る!」という分野ではありません。
入試問題作成は、だいたいはその年の早い段階で完成していることが多いので、
完成後に、新しい発見などがあって、歴史が覆されるようなこともあるのは怖いことです。
なので、新しい発見がおきやすい歴史の内容のものは、極力入試では避けたいところかもしれませんね。
ただ、まったく出ないわけではないので、しっかりと覚えておくことは大切です。
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今回は以上です。
ご覧頂き、ありがとうございました。
画像で、もう少し、説明したいものもありますが、コンスタントに更新をしていきたいので
ひとまずアップさせていただきました。
ある程度、まとまったら、「新まとめノート」もアップ予定なので
またそのときに画像追加していきたいと思います。
次回予定:日本の旧石器時代と新石器時代の始まり