SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

BIG JOHN PATTON 「Let 'em Roll」

2009年05月04日 | Piano/keyboard

ごく希にだがオルガンジャズを聴きたくなるときがある。
ソウルフルで思わず身体まで火照ってきそうなヤツだ。
ジミー・スミスもいいが、今日はビッグ・ジョン・パットンを聴く。

メンバーにはグラント・グリーン(g)とボビー・ハッチャーソン(vib)がいる。
正直言ってこのアルバム、彼らのリーダーアルバムといっても過言ではないくらいの作品である。特にグラント・グリーンは全編に渡って大活躍しており、彼なくしてこの作品の成功は考えられない。
この人のギターにはいつでも魂が入り込んでいる。
テクニックがどうのこうのと言う以前に、持って生まれた抜群のリズム感覚が彼の指を自然に動かしているような気がする。
1曲目のタイトル曲を聴けば誰でも納得するはずだ。

ボビー・ハッチャーソンもオルガンとの相性という点でいい。
2曲目の「Latona」では、グラント・グリーンに負けず劣らぬリズム感覚で、随所でしっかりしたソロをとっている。
彼が登場すると体感温度も低くなるし、理性的なムードが高まってくる。
このアルバムが見た目よりもはるかに品がいいのは、間違いなく彼のせいである。

肝心のビッグ・ジョン・パットンを意識するのは、3曲目になってからだ。
「Shadow of Your Smile(いそしぎ)」、この曲はオルガンのために書かれた曲だと思わずにはいられない。
それくらいこの曲は見事にはまっていて唸らせる。涼しげなサウンドが実に心地いい。

この3人の他にオーティス・フィンチ(ds)がいる。
この人、目立たない存在ではあるが、スティックさばきもなかなかのテクニシャンだ。もっと見直すべき人だと思う。

ついでにいうが、タイトルがノリノリな雰囲気でいい。いかにも60年代というジャケットもいい。
これからの季節にもってこいだ。





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