SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

小曽根 真「Live & Let Live - Love For Japan」

2011年08月07日 | Piano/keyboard

3月11日、午後2時46分。
私は釜石市の中心部に位置するビルの8階にいた。
突然轟音と共にすさまじい揺れが起きた。しかもその揺れはとてつもなく長く、このままではこのビルが崩壊するのも時間の問題だと思っていたが、いかんせん身体を動かせるような状態ではなかった。
必死になってiPhoneを取り出し周囲の写真を撮った。揺れはまだ収まらなかった。周りのみんなもテーブルにしがみついたままの状態だ。

しばらくすると揺れはようやく収まった。
私は市内の状況を見るために窓に駆け寄ったが、あれだけの大きな地震が起きたにも関わらず崩れているような建物も見当たらない。
正直言って安心した。なんだ、思ったよりも大したことなかったんだ、と感じた。
とにかく一刻も早くこの建物から外に出たかった。周りのみんなも同じ気持ちだったと思う。
全員が階段で1階まで駆け下り外に出た瞬間、今度は大津波警報のけたたましいサイレンが鳴った。
幸いにしてこのビルのすぐ近くに高台の公園があり、私たちは大津波の脅威というものを半信半疑で捉えながらもその高台に登った。
その中には保育園の園児たちや病院の患者さんたち、近くの工場の従業員たちなど大勢の市民がいた。

その高台からは海がよく見えた。
5分ごとに起きる大きな余震に怯えながらしばらくすると、その海面が大きく膨張してくるのがわかった。
やがて白波のラインがスーパー堤防を飲み込み、釜石の市内に到達した。
瓦礫がぶつかり合う音、車が横転する音、など例えようのない恐怖の音が街に響いた。
街の中を見下ろすと、まだ消防士の方々や一般の市民が何人も道路上にいた。
中には横断歩道を反対方向に渡ろうとするおばあさんの姿も見えた。
私たちは高台から必死になって叫んだ。「早く!早く!そっちじゃない!高台に逃げるんだ!、津波はすぐそこなんだぞ!!」
でもそんな声は全く届かない....。

ここから先は皆さんも報道などで充分ご存じのことだろう。
呆然とただ見つめる人、思わず泣き崩れる人などで高台の公園は異様な雰囲気に包まれていた。

話は今日、8月7日に戻る。
先日、この小曽根真のCDをショップで買った。
この収益金は全額震災復興支援ファンドに寄付されるのだという。
全曲推薦できるが、ラストの神野三鈴が歌う「ふるさと」を聴いて涙が溢れてきた。
ぜひ多くの方に聴いていただきたいと願っている。


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