SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

BILL MAYS TRIO「SUMMER SKETCHES」

2007年07月19日 | Piano/keyboard

夏をテーマにしたピアノトリオの傑作。
ビル・メイズは通好みのベテランピアニストだが、今ひとつメジャーな存在になれないのは世に言う大ヒット作がないからかもしれない。
しかし一つ一つの作品はみんな好感の持てる内容に仕上がっている。その中でもこのアルバムは企画段階から彼らの演奏~録音に至るまでとても良くできた作品だ。
曲目は以下の通り、全てがこの季節のために書かれた曲だ。

1. Summer Night 2. Estate (Summer) 3. Fireflies 4. Indian Summer 5. Summer Sketch 6. (Gotta Go to) Summer School 7. Early August 8. Things We Did Last Summer 9. Summer Serenade 10. Once upon a Summertime

これだけずらりと夏の名曲が揃うと誰しも聴きたくなってくるはずだ。企画の勝利である。
夏の曲には独特の「憂い」がある。うきうきする開放感と同時に一抹の寂しさが同居するといってもいい。
どうでもいい話だが、以前酒の席で「なぜ夏の終わりは寂しいか」という話になり、それだけで一晩盛り上がれたことがあった。ばかばかしいと思うかもしれないが、こういう話題で盛り上がれることの幸せを感じたものだ。

とにもかくにもこういうアルバムが愛すべき存在の典型である。
ビル・メイズは全ての曲において自然体だ。この肩肘張らない姿勢が彼の魅力なのだと思う。
このアルバムが気に入ってくれたなら、次の作品「GOING HOME」もぜひ聴いてほしい。アルバムジャケットも印象的な秀作だ。


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