SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

DAVE McKENNA 「THE PIANO SCENE OF DAVE McKENNA」

2007年10月16日 | Piano/keyboard

正直いってこのところの忙しさには参っている。
秋は毎年忙しい季節なのだが、たまりにたまった仕事を一つずつ片付けていこうとは思いつつ、どうも思うようにはかどらない。本当に困ったものだ。
こんな時は気分を癒してくれる軽快なピアノトリオを聴きたいと思い、棚からこのアルバムを取り出した。

最初から聴きだして4曲目の「FOOLS RUSH IN (WHERE ANGELS FEAR TO TREAD)」にさしかかると、いつものことながら思わずスピーカーの方を向いてしまう。
何度聴いてもこんなに美しいフレーズやタッチがあったのかと思わせる。そんなデイヴ・マッケンナの演奏は実に素敵だ。
その素敵さを言葉で表現できるほどの文才がないので、どんなピアノなのかを想像してもらうためにはこのジャケットをじっくり見てもらうしかない。彼の弾くピアノは、この色鮮やかなジャケットが一番的確に表現しているように思う。正に夢の中でまどろむような響きなのである。
哀愁漂うちょっとセンチメンタルな冒頭のテーマ部分が終わると、彼の固いタッチはややスピードを上げ見事なアドリヴに入る。この瞬間が何ともいえず好きだ。やがてゆったりとしたテーマがまた現れて静かに曲を終える。
僅か4分足らずの短い演奏ながら、私はこの1曲で充分癒されるのだ。
ただ誤解のないようにお伝えしておくが、このアルバムはこの1曲に限らず全曲推薦できるほどの出来映えだ。どの曲もスインギーで文句のつけようがない。

ピアノトリオは星の数ほどあるが、これくらい愛着のある作品も少ない。
考えてみればズート・シムズの「DOWN HOME」は、デイヴ・マッケンナがバックにいたから傑作と呼ばれるようになったのではないかと思う。
彼の演奏は決して新しくない。典型的なオールドスタイルだ。だからいい。
明日からがんばるぞと勇気が沸いてくる。


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