SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

JOHN HICKS 「Beyond Expectations」

2009年06月09日 | Piano/keyboard

「Every Time We Say Goodbye」、このバラードが大好きだ。
今夜は静かにジョン・ヒックスが奏でるピアノに聴き入っている。
心休まるひとときだ。
後半になると音数がやや多くなってくる。
これもジョン・ヒックスならではだが、それは彼特有のセンチメンタリズムなのだ。
今回はそれが嫌みにならない。
いつもこうならいいのに....と思う。

このアルバムに好感が持てるのは、そうしたジョン・ヒックスの好調さにもあるのだが、何より音のバランスのいいことが一番の要因になっている。
それもそのはず、このアルバムもRVGの録音だ。
ピアノの音色はエッジが丸く、暖かい。
ベースは硬質ゴムのようにボンボンと跳ねる感じが何とも心地いいし、シンバルはシャキーンと研ぎ澄まされていて鮮烈だ。
こうした音の重なりを聴いていると、やっぱり良質なジャズは演奏テクニックだけでは生まれないことを実感する。

コーヒーを一杯飲む間に、曲は「Up Jumped Spring」という曲に変わった。
フレディ・ハバードの名曲だ。
この可愛らしいメロディが、いかにも春の喜びに満ちている。
こうした曲を取り上げるジョン・ヒックスもまた心優しい人だったのだろう。
彼は2006年に亡くなった。
一度くらいは彼のステージを観たかった。



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