SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

JULIAN PRIESTER 「Keep Swingin'」

2009年06月06日 | Trombone

隠れた名盤として長年に渡って珍重されてきた作品である。
私は古いジャズも新しいジャズも分け隔てなく聴きあさっているが、どちらかといわれれば古いジャズが好きだ。
新しいジャズは、総じて手に入れた一定期間しか聴かず棚の中に眠ってしまう場合が多い。
しかし古いジャズは幾度となくターンテーブルに乗せられる。
まぁ、何百、何千というレコードの中から生き残ったアルバムだからそれも当然ではあるのだが...。

このアルバムなんかはヘビー・ローテーションの典型例だ。
まず出だしがいい。
サム・ジョーンズのクールなベースソロでスタートする「24-Hour Leave」が、まさに隠れたハードバップの名曲だ。
エルヴィン・ジョーンズの叩き出すリズムに乗って、息のあった演奏が繰り広げられる。
続く「The End」「1239A」「Just Friends」「Bob T's Blues」も文句なしに楽しい。
ジュリアン・プリースターのトロンボーンは夜空に向かって高らかに鳴り響く感じだし、名作には必ず登場するトミー・フラナガン(p)も絶好調だ。
またジミー・ヒースのテナーもトロンボーンとの対比がうまくなされており、気持ちいい音色を響かせている。

それにしてもトロンボーンは不思議な楽器だ。
ワン・ホーンで歌い上げるととても暖かみがありほのぼのとしてくるのだが、ひとたびテナーとハーモニーを奏でると、緊張感が高まってハードボイルドな雰囲気をつくり出す。コルトレーンの「ブルートレイン」なんかをイメージしてくれればわかると思う。
このアルバムではその両方が楽しめる。
それもそのはず、ジミー・ヒースは8曲中5曲でしか参加しておらず、それ以外はジュリアン・プリースターのワン・ホーン作品なのだ。
結果的に厚みのある作品に仕上がった。
通好みの作品である。



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