Pa'Lante!(パランテ!)

ジャズじゃ、ロックじゃ、サルサじゃ、ソウルじゃ、ファンクじゃ、歌謡曲じゃ、ジャージャー。

ローラ・ニーロ『イーライと13番目の懺悔』(1968)

2007-10-18 12:34:52 | Rock / Pop
本日2007年10月18日はローラ・ニーロ(Laura Nyro)の60回目の誕生日です。
亡くなって10年。既にこの世には居ない訳ですが、それでも今日は、この天才シンガー・ソングライターがこの世に生まれて来た事を神に感謝する日です。

ありがとう~、弁天様~!!!

・・・神違い、な気もしますが、弁才天は琵琶弾きの女神だから、合ってなくはナイと思うぞ。(関係ないけど、弁天様は実はメイベル・カーターだ、という説に賛成。)

と言うコトで、今日もコレを聴いています。

『Eli And The Thirteenth Confession』(1968)

何度聴いても飽きませんね。
楽曲も、パフォーマンスも素晴らし過ぎて、聴いていると思わず金縛りになりますね。

楽曲は、基本的にはR&Bベースと言って良い物が多いと思いますが、形式に囚われず、オープニングとエンディングが全然違う曲になってるものも多くて、それは言ってみれば、プチ組曲です。ただ単に繋がっているのではなく、必然性をもって、別のメロディーに展開して行くんですね。そして、それと関連しますが、テンポが一曲の中で目まぐるしく変動します。走り始めるときの加速感とか、急に止まったときの頭上に視界が広がるような感覚は、ローラ・ニーロでしか味わえない。あとは、強弱の使い分けですけど、これも、楽曲が展開していく中で、山とか谷が発生するってコトですね。ピアニシモからフォルテシモまで、これだけ使い分けるポップ・ミュージックってのは、プログレ以外にあまり思い当たらない(そもそもプログレは「ポップ」ミュージックではナイとも言えるし)ですが、やっぱり自由な発想から出て来るものなんだと思います。

詩については、ワタシは正直なところ、理解できてませんが、感覚的で、激情的な詩が多く、知性を働かせて頭で作っている詩という印象はあまりないデス。同じフレーズとか単語の繰り返しも多いですしね。
ただ、それがクダラナイ詩かと言えば、確実にそうではナイ。深い所から、感覚的に紡いで来るもんだから、分かりにくい。そういう事だと思います。

それにしても、このヒトはパフォーマーとしては、聴き手の呼吸を支配する天才デスね。初期のアルバムから、晩年の作品まで、どれを聴いてもそう思いますが、このアルバムでは、例えば、12曲目の「December's Boudoir」の冒頭。ピアノとヴォーカルだけが、ピアニシモで入って来ますが、一語一語の間の空気が凄い。この間が、聴き手の魂を吸い込むんですよ。本当ですよ。ワタシ、見ましたから。そして、そのような繊細さとは正反対にソウルフルでダイナミックなヴォーカルで畳み掛けるようなぶっとび感覚があるって事が、他の同時期のシンガー・ソングライターとは、圧倒的に異なる部分ですね。スゴいスピードで吹き抜ける風みたいな感じ。吹き飛ばされますよ。

サウンド的には、ヴォーカル+ピアノ、を骨格にして、4リズムになったり、更には、ストリングスやホーンが入って来たりです。そして、このストリングスやホーンのアレンジがまた凄いんデスよ。単なる引き立て役の装飾ではナイ存在感。絵画で言えば、とんでもなく濃い背景、って感じです。なにしろ、ヴォーカルのカウンターで、バス・トロンボーンがブォ~ンって鳴るんデスからね、フツーだったら、クドいオーケストレーションですなぁ、って感じそうなもんです。でも、ローラ・ニーロのヴォーカルとピアノが非常に濃いから、これくらい濃くて正解なんだと思うんです。チャーリー・カレロ氏、流石の仕事です。


このアルバムは、ジャケット写真やタイトルから、「静謐」とかそんな感じの、暗めの印象があるかと思いますが、サウンドだけで言えば、意外なコトに、陰より陽の方が強いアルバムです。実は、聴き易いアルバムなんです。そして、深い。

つまり、深みにハマる第一歩。

ローラ・ニーロを聴いたコトがないヒトは是非コレ、聴きましょう。

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コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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コメント有難うございます。 (240)
2007-10-18 23:58:54
小生ブログへのコメント有難うございます。
このアルバムも是非聴いてみたいですね~。
プチ組曲、う~ん、気になります。
そういえば今日18日が彼女の誕生日だったんですね。
また例のアルバムを聴いてみよう!!
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Unknown (bugalu)
2007-10-19 19:57:41
240さん。
お越しいただきありがとうございます。

ローラ・ニーロは、これと、次作の『New York Tendaberry』(1969)が一般的には最高傑作とされてますけど、本当にそうだと思います。という事で、このアルバムは相当にお勧めのアルバムなのです。
冒頭からおケツまで素晴らしいアルバムですよ~。
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