2004年
講談社文庫
☆☆☆
面白い本は、読み始めて数ページで分かる。
この本も、読み始めて「これは面白い」と思った。
死刑囚である樹原亮は日々いつ刑の執行をされるのか恐怖の中で独居房にいた。
しかも、身に覚えがない罪で
一方、傷害致死事件で実刑2年の刑を受けた三上純一が仮釈放となった。
しかし、そのことで家族の生活は一変していた。
多額の賠償金を払う為、以前住んでいた家は売りに出され多額の借金を背負っていた。
そんな時、退官を間じかに控えた刑務官、南郷は死刑囚の冤罪を調査する仕事のパートナーとして三上を指定した。
今回の調査は、樹原亮の事件である。
保護司夫婦が殺害され、その頃夫婦の保護下にあった樹原亮が
その近くでバイク事故により負傷し倒れていた、
殺害状況は樹原亮が犯人であるという方向を向いていたが、
当の本人はその前後の記憶が欠落していた。
その為、改悛の念が見られないそして2名を殺害ということで死刑判決がでていた。
唯一、樹原亮が記憶していたのは「階段」であった。
この謎事態も面白く、後半に行けば行くほど動悸がするほどの展開である。
そして、「死刑制度」というものと、
殺人犯を処刑する、刑務官の苦悩・倫理
さらには、傷害致死という罪を犯した青年の”改悛の念”への疑問
とにかく、読みどころが多い作品であった。
講談社文庫
☆☆☆
面白い本は、読み始めて数ページで分かる。
この本も、読み始めて「これは面白い」と思った。
死刑囚である樹原亮は日々いつ刑の執行をされるのか恐怖の中で独居房にいた。
しかも、身に覚えがない罪で
一方、傷害致死事件で実刑2年の刑を受けた三上純一が仮釈放となった。
しかし、そのことで家族の生活は一変していた。
多額の賠償金を払う為、以前住んでいた家は売りに出され多額の借金を背負っていた。
そんな時、退官を間じかに控えた刑務官、南郷は死刑囚の冤罪を調査する仕事のパートナーとして三上を指定した。
今回の調査は、樹原亮の事件である。
保護司夫婦が殺害され、その頃夫婦の保護下にあった樹原亮が
その近くでバイク事故により負傷し倒れていた、
殺害状況は樹原亮が犯人であるという方向を向いていたが、
当の本人はその前後の記憶が欠落していた。
その為、改悛の念が見られないそして2名を殺害ということで死刑判決がでていた。
唯一、樹原亮が記憶していたのは「階段」であった。
この謎事態も面白く、後半に行けば行くほど動悸がするほどの展開である。
そして、「死刑制度」というものと、
殺人犯を処刑する、刑務官の苦悩・倫理
さらには、傷害致死という罪を犯した青年の”改悛の念”への疑問
とにかく、読みどころが多い作品であった。
準備に不手際あると焦げて苦しそうにしていたシーンを思い出します。
この本のミステリ部分も刑の執行までという時間制限のなかでの捜査もハラハラしましたが、
それ以上に、刑務官の苦悩が”ずん”ときました。
よく考えれば「その日の当番に当たった」刑務官が「執行」自体を行うわけで、決してはんこを押した大臣や役人ではない・・・。
そしてその人たちにも家族がいる。
考えさせられました。
絞首刑もすごいと思いますが、
私が住んでいる州は電気椅子のようです。
痛そうです。
加害者、被害者の感情もあるのですが、
この本は特に死刑執行についてがメインかもしれません。
刑務官が仕事とは言え、人を殺すということになる。
グリーンマイルのほうが近いかもしれません。
不思議な能力の人は出てきませんが。
あの本では加害者家族になってしまった弟の気持がとってもよくかけていたと思うのですが。
いつかはわが身かも・・・
というところが最も恐ろしい。
その反面、考えることも多かった、
死刑制度、被害者家族、加害者家族
自分はどうだろう?と、思った。
自分では注意していても被害者にも、
加害者にもなりうる、そうなったときどうするだろう?