ぶーくん読書録

今まで読んできた本について、いろいろ書いてみる。
ほとんど、ネタバレ!!

パンデミック・アイ 呪眼連鎖 桂 修司

2010年09月21日 | 小説-日本-
2009年
宝島社文庫
☆☆

北見刑務所の増築工事中に鎖にまかれた遺体が発見される。
しかし、工事業者によって隠蔽される。

そして、北見刑務所では二件連続して受刑者の自殺が発生する。
さえない弁護士、晋介は二人の自殺者をだした独房に入る
そこで、奇妙な夢を見、目に異変が生じる。
刑務官の蓮池、さらにはこの独房に携わった者すべてに
目の異変と悪夢が始まりこの謎を解いていくうちに
工事中に発見された遺体に何らかの原因があるのではないかと調査を始めるのだが・・

この、現在での謎(呪い)の究明
そして、呪いの大本になる明治30年代の囚人労働による北海道の開拓のはなしが
交互に語られていく。

ホラーでありながら、
現在の呪いの要因を明治時代の話から読み取っていくのだが、
囚人労働の過酷さと、明治維新による武士の苦悩が胸を打つ。

子供のころ、たしかに社会か道徳の時間に習った気がする。
鎖塚(囚人が労働中死亡するとそのまま、そこに埋めてしまう)という、
言葉は覚えていなかったが、峠や橋には人柱が埋まっているとう話は聞かされていて
怖かった思い出がある。

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