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札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

北海道のユースホステルと田上義也氏

2025-04-15 20:31:28 | 田上義也氏


「北海道ユースホステル協会」の役員に建築家、田上義也氏の名前が出てくるのは
昭和40年度(1965年)の役員として常任理事に名前がある。

昭和45年(1970年)から会長となった。


日本ユースホステル協会が直営する全国第一号は「支笏湖ユースホステル」だ
昭和35(1960)年に田上氏設計で全面改修され地表まで届くような三角屋根が印象的。

支笏湖ユースホステルは最古のユースホステルだが、令和3(2021)年の解体まで
林間に建物が現存していた。

田上氏は全国に14か所のユースホステルを設計されたと記載があるが
手持ちの資料と数が合わない
もしかして設計だけで建築しなかった物件があるのだろうか
もしくは軒数を「協会直営」のユースに限定したのか不明だ。

ユースホステルは全盛期には道内に108か所あったが現在(令和5年1月)では24か所に減少している
旅行者の意識や動向が変わっているのでやむを得ないだろう。

 

 

田上氏のユースホステル設計としては
「北のまれびと」現代美術社 1977年発行を参考にすると

昭和35(1960)年 宮ヶ丘ユースホステル(札幌)、支笏湖ユースホステル(千歳)
昭和36(1961)年 玉川ユースホステル(網走)
昭和37(1962)年 北湯沢ユースホステル(大滝)
昭和39(1964)年 日本ユースホステル協会功労賞を受賞
昭和40(1965)年 この年に常任理事になる
         富良野ユースホステル(富良野)、美幌ユースホステル(美幌)
昭和42(1967)年 定山渓ユースホステル(札幌)
昭和43(1968)年 ライオンズユースホステル(札幌)(日本ライオンズ青年の家)

昭和44(1969)年 標津ユースホステル(標津)
昭和45(1970)年 日本ユースホステル小清水中山記念館(小清水はなことりの宿ユースホステル)(小清水)
昭和46(1971)年 室蘭ユースホステル(室蘭)、イクサンダー大沼ユースホステル(大沼)、
         摩周湖ユースホステル(弟子屈)
昭和49(1974)年 留辺蕊ユースホステル(留辺蕊)、北海道青年会館(札幌ハウスユースホステル)(札幌)
昭和51(1976)年 サロマユースホステル(佐呂間)

上記の記録がある
古い建築物ゆえ、すでに解体されている建物が多く
またユースホステルとして閉館しているのも多い。

一応、解体された建物は各出版物の写真と、現存の建物はストリートビュー
ほか、なんとか撮影に間に合ったもので構成した。

 

写真転載出版物
青春の落葉様(ブログ)

※北のまれびと様現代美術社 1977年発行)
※北海道新聞社様
※75‘北海道ユースホステル様(㈶日本ユース・ホステル協会監修)
※札幌オリンピック施設様(㈱工業調査会 1971年発行)

 

2025年3月28日訪問

 

「昭和40(1965)年 美幌ユースホステル(美幌)」 閉館現存

 

 


現在はご覧の通り入口でシャットアウト
あやふやな状況ならば敷地内へと思ったがこれでは断念!

(でもよく見たら車輛の乗入禁止なんだよね)

よって同方向からの撮影しか出来ず
また横が少し小高くなっていたので高さも変えて観た。

 

やはり素敵な建物であった
同じく田上氏作品の「北湯沢ユースホステル(解体)」と似ている
せり出した屋根が特徴的だ。

 

 

 

基本的には見学距離と角度はほぼ同じなので残念だ
それでも使用用途がないままそのままになっている建物を今のうちに見学出来たのはとても嬉しい。

 

この煙突陣笠の反り返りは田上氏作品に多く見られるもの?だろうか。

 

 

2025年3月29日訪問

 

「昭和51(1976)年 サロマ湖畔ユースホステル(佐呂間)」 2021年閉館現存

コロナ過での閉館となった 建物も現在は未使用のため痛みが早くなるかもしれない
解体される前に見に行きたいが遠い……
全貌は見えないが軒下の換気口が田上氏らしい?

※2023年ストリートビューより

 

 

 

こちらも今回行けて良かったです

道東に田上作品が多く現存しているのは知っていたけど
個人的にはそう簡単に行ける場所ではない

そうこう言ってる間に解体された は、よくあるパターンなので
まずはホッとしています。

 

 

 

 

 

季節的に樹木に葉が無くすっきり見えた
ただこちらもロープがあり立入禁止なので無理せず外から撮影した。


換気窓が特徴だ

 

 

本来は中に田上氏らしさがみられるらしいが、それは仕方がない
なんとかズームで撮影をしヨシとした。

 

目の前はサロマ湖
今時期の東側はこんな状態である(中央から西は氷は無かった)

 

 

こちらは解体が始まっていた

 

2025年4月15日撮影


 

 

 

「昭和49(1974)年 札幌ハウスユースホステル(現:北海道青年会館)(札幌)」 現存

ビル型のユースホステルは珍しいと思ったが建物の一部を利用してユースにしていたようだ
現在は青年会館として宿泊を受けている。

 

 

※2021年2月16日撮影

一等地にある築50年を過ぎた建物
お疲れ様でした。

 

 

 

 

ここから過去記事

「昭和35(1960)年 支笏湖ユースホステル(千歳)」 解体

全国で第一号のユースホステルで2021年まで現存していた
撮影は、解体年にラストチャンスで内部撮影が出来たので嬉しかった
印象的な螺旋階段は同様の形状を「網走市郷土博物館」でまだ見ることが出来る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※2021年4月14日撮影

 

「昭和35(1960)年 宮ヶ丘ユースホステル(札幌)」 解体

ネット検索で他の方のブログがヒットし所在地がわかった
現地には敷地を一段高くした後の石垣が残っていた
それ以外にはここにこんな建物があったとは思えないだろう。

 

 

 

 

 

※2021年5月6日撮影

 

「昭和36(1961)年 玉川ユースホステル(網走)」

確認中

 

「昭和37(1962)年 北湯沢ユースホステル(大滝)」 解体

航空写真では閉館後も建物が現存している
これは田上氏設計の建物を解体しての2代目のようだ
そう遠い場所ではないので確認してみたい。

 

 


昭和40(1965)年 富良野ユースホステル(富良野)

確認中

 

 

「昭和42(1967)年 定山渓ユースホステル(札幌)」 解体

国道230号に近く、定山渓小学校の裏手にあったようだ



「昭和43(1968)年 ライオンズユースホステル(札幌)」 解体

田上氏はライオンズクラブメンバーとして他のメンバーの自宅や記念碑
その他の設計も多い
このユースホステルは当初「ライオンズ青年の家」として
オリンピックが行われた「宮の森ジャンプ競技場」のすぐ下に建てらえた。
現在は空き地になっている。

 

 

 

 

「昭和44(1969)年 標津ユースホステル(標津)」 解体



「昭和45(1970)年 日本ユースホステル小清水中山記念館(小清水)」 閉館現存



「昭和46(1971)年 室蘭ユースホステル(室蘭)」 現存

クラウドファンディングなどで営業をしているが客数が戻ったかが気がかり
早いうちに撮影したい1軒だ。

 



 

「昭和46(1971)年 摩周湖ユースホステル(弟子屈)」 現存

現在もユースホステルとして営業しているのは上記「室蘭ユースホステル」と
この「摩周湖ユースホステル」だけ
早いうちに見てみたい。

 


※HPより



「昭和46(1971)年 イクサンダー大沼ユースホステル(大沼)」 2022年解体

函館旅行への道中に立ち寄り撮影した 
この後に解体されたので、まさにギリギリで間に合った 
正面両側の太い柱や軒下の三角の換気口に個性を見る。

 

 

 

※2022年6月20日撮影

 

「昭和49(1974)年 留辺蕊ユースホステル(留辺蕊)」 解体

 

※2012年ストリートビューより

 

 

 

1960,70年代のユースホステル建築で、それ以前にはリゾート地での
ホテルも設計している
それよりは小さめの宿泊施設になるが、氏らしいと思わせる特徴が外観にあり。

ほとんどが解体され、現存していても閉館しており中を見ることが出来ない
唯一「支笏湖ユースホステル」の撮影は幸運の何物でもなかった。

ユースホステルだけではなく設計された建物の多くは現存していない
数少ないユースホステルも現存しているものは何とか外観だけでも見に行きたいものだ。

 

 



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