ババァの小言に耳を貸せ!

ババァである私が日々感じたことや体験したことを綴ります。

それならいっそ僕ら

2015年06月12日 | 映画
トイレのピエタを観て来た。


手塚治虫氏が病気に倒れ
死の直前まで綴っていた日記に書かれていた作品構想を
松永大司監督がオリジナルストーリーを書下ろし,映画化した。

手塚治虫氏の日記にはこう綴られていた。

一九八九年一月一五日
今日はすばらしいアイディアを思いついた!トイレのピエタというのはどうだろう。

癌の宣告を受けた患者が、何一つやれないままに死んで行くのはばかげていると、
入院室のトイレに天井画を描き出すのだ。

周辺はびっくりしてカンバスを搬入しようと するのだが、
件の男は、どうしても神が自分をあそこに描けという啓示を、
便器の上に使命されたといってきかない。

彼はミケランジェロさながらに寝ころびながらフレスコ画を描き始める。
彼の作業はミケランジェロさながらにすごい迫力を産む。
傑作といえるほどの作品になる。
日本や他国のTVからも取材がくる。

彼はなぜこうまでしてピエタにこだわったのか?
これがこの作品のテーマになる。
浄化と昇天。
これがこの死にかけた人間の世界への挑戦だったのだ!

この日記を最後に
昏睡状態に陥ったそうだ。

ピエタとは聖母子像。
亡くなったキリストを抱いたマリアの像をそう呼ぶらしい。

死の宣告を受ける青年を
RADWIMPSの野田洋次郎君が演じている。
リアルなドキュメンタリーを見ているような
そんな演技だった。

突然に宣告された死を前に
人はどうするのか?
野田君は
突然に降って来た
受け入れるしかない現実に
取り乱して
泣きわめくことも出来ず
誰かにすがり付いて
抱きしめられる事も望まず
どこかに感情を閉じ込める。
死を前にして
初めて感じる生
ポーカーフェイスの裏にある
パンパンではち切れそうな不安感が
ちゃんと伝わってきた。

母子家庭で育った高校生の少女
杉咲 花は
忙しく働く母親から
全ての家事と
ボケ老人の世話を押しつけられ
どうにもならない現実を
助けてくれない大人たちを
にらみ続けている。
彼女はハリネズミみたいに
どこもかもとトゲトゲしていて
暴力的な言葉を使う事で
自分を守っていた。
絶望的な生を持て余して
死の臭いを探している少女だった。


そんな二人が出会い
お互いの生と死を
ぶつけ合う。
ラブストーリー感はまったくないけど
ラブストーリーなのかな?

こぼれ落ちるセリフや映像が
印象的で
センスのある映画だったと思う。

しかし、監督
リリー・フランキーさん好き過ぎでしょう。
カットできなかったのか
主人公並みに出演している。

いい味出してるもんね(笑)

そして野田君顏がデカイ!
杉咲花ちゃんが小さいのか?

ブログのタイトル
「それならいっそ僕ら」は
エンドロールで流れる歌の
最後のフレーズで
それならいっそ僕ら~
それならいっそ僕ら~
・・・・・・・・
何度も繰り返される。

この結論のないフレーズが
この映画そのもので
このフレーズの次の言葉は
それぞれの心の中に
それぞれに存在している。

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ちわさーんへ (オバチャン)
2015-06-14 23:28:35
野田君の本
ラリルレ論・・・だね。
ちと高かったから
私も買ってない(笑)
でも売れてるみたいだね。

小野寺の姉・・・
昭和な感じが良いよね。
水色のコート素敵だったでしょ!
ちわさんはチョッキに反応したのか~(笑)

イケメンね~~。

青山あたりでボーっとしてたら
イケメンのひとりやふたり
見れると思うよ(笑)
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うい。 (ちわ)
2015-06-12 21:56:41
あーん、見てきたのね。
よさそうですね。
劇場は都合がつかないので
また、レンタルだな。

野田君は日記のような日記なのか?
本を出したよね。
本屋で手にとったがお金がなくてやめたよ。
読みたいなぁ。

この前やっと小野寺の弟小野寺の姉を見たよ。
切ない映画だった。
持ち物もお台所もみんな素敵だね。
二人のチョッキも・・・・チョッキだよ。

で、るろうに剣心。
全員かっちょよくて参りました。
もう、福山さんが一番強いんだから
福山さん行ってよって感じでした。

いいねぇイケメンはさぁ。

あー本物みたいなぁ。
どっかに居ないかなぁ。

あああああ。

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