まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

「小川洋子の陶酔短編箱」

2014-05-31 02:22:22 | 読書のすすめ
今日は暑かった。
え・・・36℃?
いやいやいや。
まだ6月始まったばかりから~TT

さて 「小川洋子の陶酔短編箱」を読みました。

小川洋子の陶酔短篇箱
小川 洋子
河出書房新社


泉鏡花のお勧め本を聞いた時
書評サイトの皆様に勧められて手に取りました。

小川洋子が目次を見ただけでうっとりしてしまう短編16作品と
それにかかわる小川洋子のエッセイ。

川上弘美、葛西善蔵、泉鏡花、梶井恭次郎、中井英夫、
木村捷平、魚住陽子、井伏鱒二、武田泰淳、
色川武大、平岡篤頼、小池真理子、庄野潤三、
武者小路実篤、日和聡子、岸本佐和子

いずれも癖のある短編ばかり。
そしてなんだか全体で不思議なハーモニーを醸し出す。

ちなみに泉鏡花の短編は、「外科室」。
壮絶だった。
いくら、うわ言で胸に秘めた想いを言ってしまいそうだからって
麻酔なしで胸の手術を受けようとしますか?
いやいやいや・・・ないない。
 
そしていろいろな意味で衝撃的だったのが小池真理子の「流山寺」。
主人公の夫が毎日普通に帰ってくる。
しかし、なんとその夫は、二年前に癌で死んでいるのだ。
死んでいるのに毎日帰ってくる夫と楽しく?会話する。
そして毎日夫が帰ってくることを心待ちにしているのだ。

え・幽霊?と思うことなかれ。

その夫は、 
『表情に時折、ぽかりと開いた空洞のようなものが混ざる。
 瞳がどこを見ているかわからなくなる』
のだ。

そして『顔色はひどく悪い。土のような色をしている。』

いやもう。それ死体だから・・TT
たとえ静かにでも裸で抱き合うとかありえないから・・・

・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

なんだろう。
たとえ死んでいても夫と一緒にいたいと思う一途な女性を描く
小池真理子が異常なのか、それに畏れを抱く私が異常なのか
だんだんわからなくなる。

とにかく私には無理。
夫・・・どうか死んでも化けてでないでぇ。
ひと思いに天国でも地獄でも行ってくれたまえ。


ただ、これを『夫』でなく『子供』に置き換えたら
裸はともかく、一晩中抱きしめていたいと思えるから不思議。

私の恐怖の感情移入(妄想現場体験?)は置いておいて
全体としてはいい話でした。

ウテナさんと河童の話から始って
ラプンツェルと消防署の話で終わる。

盛りだくさんの短編&エッセイ集お勧めです。

楽しいひと時でした。

なかなか小説の世界に羽ばたけず、つい自分に置き換えてしまうのは
今週、過重労働で疲れ果てているせいだ!
ということにしておこう!

いがぐりおは 死体見たことある?
いがぐりおをクリックしていただけると嬉しいです。いつもありがとうございます。^^/
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コメント (2)
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