ぼくのほんだな

フワフワした僕が本を中心にスキな話題だけを勝手気ままにお届けします。

ぼくのほんだな232・・『「ニューヨーカー」物語』ブレンダン・ギル / 常盤新平(訳) / 和田誠(装幀)

2019年02月26日 | 漫画・イラストレーション・アニメーション
「ニューヨーカー」って知ってる? 聞いたことある? 「ニューヨークー」じゃないのかって? いえ「クー」じゃなくて「カー」なんだけど!「それってニューヨークに住んでる人のことでしょ」だって?あ~っ、つまんない、つまんない。 あたりまえに応えちゃダメ!例えば、「ニューヨークで走り回ってる車のことじゃないの?」とか貴方が言うんだ。すると僕がすかさず、そうそう皆がいう黄色いタクシー「イエローギャブ」ってやつのことだよ。おっと違う違う、ウッカリ乗っちゃうとこだった・・・ってなるハズだったのに! あゝ、つまんない! (そんなのひとりでやって。)
僕が言いたかったのは「ニューヨーカー」ってニューヨークで発行されてる雑誌だってこと。そして愉しくて、骨のある雑誌なんだよってことです。

  
左)Februarry 21,1925(創刊号)/May 6,1972/Jan 21,1985

もう少し詳しくいうと、 いえ僕が言うんじゃないです、 「ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典」が言うんですけど、

ニューヨーカー The New Yorker
アメリカの週刊誌。 1925年ハロルド・ロスが創刊。ニューヨーク市とその周辺の芝居や音楽会などの案内とともに,洗練された短編小説,詩,漫画,書評などを掲載する。都会的趣味により幅広い知識人層に受入れられ,D.パーカー,サーバー,E.B.ホワイト,J.D.サリンジャー,カポーティ,アップダイクら,いわゆるニューヨーカー派の洒脱な作家が輩出した。

と、いうことです。 又、W・H・オーデンの詩に、

「もし選ばなきゃならぬなら異常な方を選べ。
『ニューヨーカー』を読み神を信じよ」
という句があるそうです。

その「ニューヨーカー」の半世紀を舞台にして繰りひろげられたドラマを活き活きと綴ったのが本書『「ニューヨーカー」物語』です。 図版も多数入っていて話を盛り上げてくれます。 面白くないわけはありません。 その帯文には・・

喜劇や悲劇はもちろん、ドタバタもあり、ミステリーもある!
ニューヨークの作家や編集者たちが半世紀に亙って演じたオムニバス・ドラマ
舞台は西43丁目の「ニューヨーカー」編集部。 主演は奇矯な言動で有名な編集長ロスと、彼の後継者で人混み恐怖症のショーン。 ほかに有名無名の名脇役たちが多数登場!

出版社の宣伝文句には、

勇敢で臆病、残酷で心優しい編集長、H・ロス。アメリカ有数の週刊誌を創った男と、その傘下に集まったユニークな人間達との愛憎こもごもの歳月を描く。

と、あります。決してオーバー目ではありません!

では、その『「ニューヨーカー」物語』を見てみましょう。

  
表紙カバー/帯付き(帯の色が洒落てますね。)

『「ニューヨーカー」物語―ロスとショーンと愉快な仲間たち 』
ブレンダン・ギル 常盤新平/訳 和田誠/装幀 定価2,900円 1985 新潮社


  
表紙/扉(扉もスッキリ。)

作家もいいけど、漫画家もたくさん登場します。 例えば・・

チャールス・アダムス(Charles Addams)。丘の上にある洋館に住むアダムス一家の「アダムス・ファミリー」シリーズで有名。 ダーク・ユーモアがお好きな方はよくご存知だと思います。


チャールス・アダムスのページ。

ご存知!スタインバーグ(Saul Steinberg)。 「ニューヨーカー」に登場するまでの経緯や彼にまつわる知らなかった話を読むとやはり面白くってワクワクするなぁ。


ソール・スタインバーグのページ。

ピーター・アーノ(Peter Arno)。1930年代に彼は自分専用のレーシング・カーを設計した。(下の右頁) レーシング・カー製作後のエピソードはいかにも漫画家らしく、人を喰っていて笑える。


ピーター・アーノのページ。

そして、『ニューヨーカー』の愉快な(だけではない)仲間たちが 空前絶後の勢揃い! 出席拒否の方もおられたとか。 さすがぁ~。



アーヴィン・ペン撮影 1947年の「ヴォーグ」に載った。

人が集まるところドラマあり。 一癖、二癖ある連中なら尚更のこと。 丁々発止の連中たちとシッカリ切りむすんで、その内側にどれだけ触れられるでしょ~か? 写真や漫画を見てるだけでも楽しいよ。
コメント
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