ぼくのほんだな

フワフワしたふわふわ天使が本を中心にスキな話題だけを勝手気ままにお届けします。

ぼくのほんだな 201・・キャロル・サマーズの木版画「セジェスタの遺跡」

2014年11月18日 | 美術・工芸
まず、この版画をみてください。



"segesta" carol-summers Woodcut 1963

これはなんとも魅力的な世界です。まるで一まいのデッカイ絵本のようです。 そして、おわりがありません。
赤や青や紫のググッとくる色の岩壁にピンクの神殿がのっかっています。このピンクの神殿はなんだか傾いちゃってたよりなさそうにもみえますが、この傾くやわらかさがむしろドッシリとのびやかで、こっちを向いて「どんなもんだい!」って微笑んでいるようにも見えたりします。 神殿は話しかけてくるかんじです。きっと、お喋りだとおもいます。 空やくもや風や鳥たちとにぎやかにやっていそうです。 どんな話をしてるのかな? でも意外と寡黙だったりして。 壁とにらめっこはしてないけれど、ダルマさんみたいにじっと岩に座ってひたすら瞑想?

あれこれと、想像力が飛び跳ねて、あたまの中をぐるぐると駆けめぐります。 落ち込んでハートがブルーに染められていても、プラス思考が 「ハイ、お先です!」って気にもとめず、どんどん増幅されていくみたいなんです。 それは、たぶんサマーズのホッとで力強い色づかいにあるんだとおもいます。 「あんさん、やってみなはれ」って言われてるみたいで、包まれながら押しだされるようなこころもちになるからだと僕はおもうのです。
絵っていっぱいあるけど、みる人の感覚と共振すれば、音叉(おんさ)みたいにボヨヨ~ンって共鳴効果が倍増したりするんです。 僕にとって、この絵がそ~なんです。

キャロル・サマーズ(Carol Summers)はアメリカの画家です。 自然に包み込まれたようなこんな作品もいいなあ!

 
"First Rain" 1985            "Sunset"

 
"Arroyo" 1986              "Sakkara" 2000

どの作品も、のびやか、さわやか、ゆるやか、あざやか、にこやか、あったやか(?)、うまやか(??) です。
コメント
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