ぼくのほんだな

フワフワしたノリやすい僕が本を中心にスキな話題だけを勝手気ままにお届けします。

ぼくのほんだな 174・・「ぽるとがるぶみ」 佐藤春夫/譯著

2011年11月04日 | ほんだな
葡萄牙。これっておいしそうな、そうでないような文字だけど なんて読むのかな? えっ ポルトガル? アッそ。よく知ってるね。
ところでいきなりですけど、ポルトガルの尼僧が恋人宛に綴った手紙、読む? 読むよね。ドキドキしたいもんね。でもコレは古いよ~。300年以上経ってますからね。よくまあ読み継がれてきたもんです。しかもたったの五通なんだ。
訳者の佐藤春夫はこの手紙を「艶書」と書いてます。ムフフ。「艶」って字、なんだか「えん」。こうゆ~のってスキですよね? 昔も今もみんな興味あるもんね。内容はですねェ・・・
12歳で修道院へ入ったこの女性マリアンナ・アルコフォラードは16歳で尼僧になって、25歳で恋をしたんです。でね、いちおうイロイロありまして そのあとこの手紙を書くことになるんです。期待するよね? ウ~ン・・ でもハッキリ言っちゃいます。たぶん貴方が思ってる期待はあゝなんだろうなとおもうけどそれはダメ。ハズレです。ハーレクインロマンスじゃないんです。だから「このはずれた期待をど~してくれるの?」って言われても持っていくとこないからね。ご了承ください。
文面はもっともっとシビアなんだ。熱情さかまくってゆ~か、いきなりブラックホールをのぞきこんだような感じ(知らないけどたぶん・・)。自身の思いが相手にズバッと突き刺さらないもどかしさ。離れてしまった相手の心を動かすことの難しさ。自分にはどうすることも出来ないという無力感。&コレだけで終りません。ギュッっと五通に凝縮されてます。つまりこれがあの「恋の切なさ」っちゅうやつかいな?昔も今もセイムセイム?

異なった四つの恋愛がある。一は情熱恋愛。ポルトガル尼僧の恋。  スタンダール  (帯文より)

ま、こ~いったセッパ詰まった情況は僕にはまだまだ未知の領域なんデス。ホントのとこ よ~分かりません! 貴方は分かりますか?

と、いった本の中身もさることながら その造本を見よ!です。
表紙に銀揉紙を使ってます。なんとも洒落ていて 懐かしくもあり いいもんです。新旧の装丁を楽しんで下さい。

〈初版〉
  函/表紙


見返し(のびやか)

「ぽるとがるぶみ」 佐藤春夫/譯著 装幀/(誰やろ。佐藤春夫?) 1949 定價二百圓 人文書院刊行

〈新装版〉
 
函/表紙


見返し(ちらしが愛らしい)

「ぽるとがるぶみ」新装版 佐藤春夫/譯 1973 價千圓 人文書院刊

(新旧どちらの画像も表紙の銀紙の「もみ」の魅力が十分写っておりませぬのぅ。ガクッ)
コメント
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