ぼくのほんだな

フワフワしたノリやすい僕が本を中心にスキな話題だけを勝手気ままにお届けします。

ぼくのほんだな209・・津村秀夫『新しい映画美』と青山二郎

2016年01月24日 | 映画・クルマ
ねぇ、寒風が吹きまくる今日この頃だけど、なにか気分がHotする話ってない?そうか、無いか。(早っ) 僕はあるんだ。 ふたつもね。
映画評などをたくさん書いている津村秀夫の話です。 芸術としての映画を論じたさきがけの人なんだとか。 この津村秀夫は『映画と批評』や『映画美を求めて』『不滅の映画美を今日にさぐる』等、映画に関する本を何冊も出してて、なかなかやるんです。 どんな人かって?こんな人です。

[津村秀夫の横顔]
明治40年神戸市に生る。昭和6年東北大学独文科卒。小宮豊隆先生に師事。朝日新聞入社後、Qの筆名をもって本紙および「週刊朝日」に映画評を執筆。・・・・ (『映画美を求めて』の帯文より抜粋)

そこで僕がお薦めしたいのがこの本『映画美を求めて』です。

カバー(表)
「映画美を求めて」 津村秀夫 山城隆一/装幀 1966 ¥800 勁草書房

帯文に「津村映画美学の集大成」だって河盛好蔵さんが書いてるんだ。

「映画は今や斜陽芸術であると云われる。果してそうか。 これは映画を観る人も作る人も映画の本当の美しさ面白さを忘れてしまったからではないのか。本書はこれに答えるものであって、映画批評界の第一人者である著者が多年の蘊蓄を傾けてあらゆる角度から映画芸術の本質を検討し解明した津村映画美学の集大成とも云うべき労作である。」― 河盛好蔵

僕も読んでみてそう思った。 (のりましたね。) だから、ぜひ手にとってみてください。 僕のお薦め本ということで。 これが話したいことのひとつ目。

で、 また「美」がつく書名になるけれど、『新しい映画美』っていう本のお話がふたつ目。 この本にはびっくりしちゃった。 と言うのわねぇ、な~んていまから内容をるる述べると思うでしょ? いえ、ちがいます。 述べません。
ただこの本の姿を見るだけです。 僕のおどろきにキッと共感してもらえるはず。 『新しい映画美』は(正)編と(続)編があるんだけど(正)編のほう。 ↓


カバー
「新しい映画美」 津村秀夫 青山二郎/装幀 昭和二十四年 定價二四〇圓 創元社

見てみて、どお?どお? (どお?って云われても・・。* ♪なにに そんなに おどろいて おおきな おめを みんな パッと あけて しろくろさせて♪ 問いかければいいのかな?)
それはズバリ、装幀です! 装幀がいいんです!!まずカバー表の写真が素敵だ。 イングリッド・バーグマンなんだけど、綺麗ですね・・・。 でも人それぞれ好みがあるので写真については置いときます。
注目はカバーの上部にほどこされている銀色のライン。 この銀色のラインがそのまま背のタイトルのバックへと流れこんでいます。 タイトル文字は手書きです。 その色がなんと朱色!あと著者名と出版社のマークと文字がおなじく朱色。 それだけ。 銀色と朱色。 この2色のマッチングが絶妙。 ココなんです、僕の驚きのオドロキは!
これを「エレガント」といわずしてなんと言う!まさしく「エレガンスの真髄」と申せましょう! (よっ、いい調子!) 琳派の復活だあ! (よっ、ノリすぎ!)

で、われにかえれば・・誰や!こんな装幀したんは、となりますね。 名前が載っていそうな頁にはありません。 いや、ありました。 まさかの扉の目次の下の方に小っちゃく、小っちゃく、極ゴクひかえ目に載ってました。でも、堂々と! これも洒落てます。で、誰なの?



青山二郎? えっ、あの青山二郎?! だったんです。 そうかあ、彼だったのかあ、と、無言絶句。 見事にいい仕事してますよね!っていうのがふたつ目の話でした。 青山二郎 畏るべし。


*「キューピーさん」作詞:葛原しげる 作曲:弘田龍太郎 より
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