ぼくのほんだな

フワフワしたノリやすい僕が本を中心にスキな話題だけを勝手気ままにお届けします。

ぼくのほんだな 187・・「黄金時代」 澁澤龍彦

2013年06月24日 | ほんだな
「黄金時代」といえば 貴方の内ではいつの頃を思い描きますか?
たとえば、今くたばってる訳じゃないけど、やたら活き活きしていたあの青い春の頃とか、それともいろいろよく見えだしてシッカリじっくり物事が味わえるようになった白い秋の頃かな?エッまさか、プリプリプリingで朱い夏の今だなんて!?・・だ、だ、大胆な!いえ、いいんです。わたくしがとやかく言える筋合いのものじゃありませんから。ただ自分自身にフッと思いを致すことで、少しでもあわただしい日々にわずかでも甘みが加わればいいなあ、と。皆んなはどんな感じ?って何となく聞いてみたかっただ~け。     

えっ、僕の「黄金時代」?そりゃだ~んぜん「子供時代」!としか・・。なにせハッシとした現役バリバリですから。 「子供時代」はなんと言っても「眠ってる時間」と「食べてる時間」が充実してるもんね。それに「遊んでる時間」もね。 シンドイことはねぇ・ん・?・? ・ 出てこない。 (本人あまり感じてない)

しか~し僕にはまだ「子供時代」のホントの良さが分かってないかもしれない。 ホントの良さはそれを失ってはじめて分かるもんだって、歌ってたの聴いたことある。ほんとかな?ほんとだとすれば失ってはじめて分かるなんて・・辛いものがあるよね。失わないってことはとても無理だし。

とゆ~ことはスイーツを食べてる時は「おいひ~」って大満足してるけど、食べてしまって無くなった後、シュンとなった時に本当の美味ひさが分かるってこと?じゃあ食べてる時のあの「美味ひ~」はどうするの??それでいいの??? ウ~ンよく分からないж☆※ω (←不具合のため思考停止)。
エ~イッいいや!僕は今を百万倍楽しんじゃうよ~だ。(←ひらき直り) こうして時は過ぎていく・・・

 
函/表紙

「黄金時代」 澁澤龍彦 意匠/著者 1971 定価1800円 薔薇十字社

こちらの「黄金時代」はとゆ~と、いろいろのテーマやモチーフをあつかった十七篇を収録した澁澤龍彦のエッセー集です。

 
扉/十一章扉 (雰囲気がありますね。)

本書の内容については帯にある石川淳評(朝日新聞 文芸時評 8/30.31より) が、ど真ん中。



(本書は) ヨーロッパ文明の本質を遠く源頭上よりさぐって、任意に中世にあそび、近代にわたり、そこに発見したさまざまの事象につき、叙するところは今日の着眼をもって海彼の精神史の断片をつらぬいたおもむきがある。取捨すべて好むところにしたがって、尋常講述の上すべりには似ない。・・・・・・

(*元の文芸時評の全文は「文林通言」石川淳 中央公論社で読めます。)

本書の「あとがき」には著者の本質が宝石のようにキラキラと垣間見えます。 こんな風に・・

『ギリシャ人は人類の歴史を黄金、銀、青銅、鉄の四時代に分けたという。サトゥルヌスの支配下にあった黄金時代は、無垢と幸福の時代、労働ということを知らない豊饒の時代である・・・ 』

と、魅惑的な文章がつづきますが、ここは微妙にスルーして、

『あのノヴァーリスの美しい言葉、「子供のいるところにこそ、黄金時代がある。」・・・・ 』

ここ、ここ、ここがいいのよ♪ このノヴァーリスの言葉に ころっと感動。
もう、ふるえて眠れナイ!

そして「あとがき」をあとにして、引き続き本編へとどこからでもなく好き勝手に読みすすむ。さすれば自ずと気が付くのです。『原初の楽園への回帰の夢』が充満していることに。十七篇のそれぞれに。

この本は黄金時代と直接の関わりはないんだけど、この本を味わってる時こそが僕にとって「黄金時代」そのものの様に思えます。 読んだからって何の役にも立ちません。 唯、たのしいだけ。
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