ぼくのほんだな

フワフワしたノリやすい僕が本を中心にスキな話題だけを勝手気ままにお届けします。

ぼくのほんだな231・・「新撰 豆腐百珍」 林春隆

2018年12月27日 | ほんだな
さむい、さむい、寒~~~い! なんとかしてよ~! さむがり屋の僕としてはこのまま冬眠したいんだよ。だけど、おやつが春までもたないんでやめとくけどね。 そだ、寒い日の夜はヤッパリ「湯どうふ」がいいや! あったまるぞ。 (おっさんですか?) 「湯どうふ」の良さはとうてい子どもには分からないだろなあ。 よし今夜は 「湯どうふ」に決まり~。 でもお豆腐の料理なら他にもいろいろ有るんだろね。 僕なんか夏は「冷やっこ」、冬は「湯どうふ」しか知らないもん。 これだけじゃあシンプル過ぎるよな? もしかして貴方もそうじゃないですか?
そんなシンプル過ぎる僕なんかにピッタリですよと言うようにお豆腐のいろんなレシピをまとめた本を昔の人がちゃんと残してくれているんです。 有難い事です。 これは貴重です。 その貴重な本を惜し気もなく今からお見せします。 念のため言っときますがこのお見せする本が貴重なんじゃなくって、その内容が貴重なんですよ。 (はいはい。)

表紙

「新撰 豆腐百珍」(中公文庫) 林春隆 定価360円 1982 中央公論新社

カバー裏の解説によりますと、

日本料理書の古典といわれる『豆腐百珍』を現代に蘇らせて、普茶料理をいとなむわざの真骨頂を記し、文献を博捜する豆腐必読百科。「豆腐百珍」「田楽」「豆腐の今昔」「媒掃いと豆腐」「茶席料理と豆腐」「江戸吉原と豆腐」など。

帯うらには 辻留の辻嘉一がこのように記しています。


帯うら

又、あとがきで辻嘉一はこうも述べています。

ほんとうの豆腐の旨味に突きあたるのは、人生のサトリに似て、思いがけない時に、おや、こんなに旨いものだったのか―と、驚きに似た気分になるようで、それ以来豆腐のとりことなり、毎日食べるようになります。

ね、豆腐の旨味に目覚めるのは"人生のサトリ"に似ているんです。 だから子どもが豆腐の良さにきずくなんてとてもとてもです。 で、サトリって何?

元々の「豆腐百珍」は江戸時代に豆腐を題材にして書かれた豆腐の料理集です。 著者は醒狂道人何必醇。(なんじゃと?) 百珍という名の通り豆腐を使った料理をいろは順に分類して百種類も載せているレシピ集です。この本が発売された天明2年(1782)には大変なベストセラーになったようで、「豆腐百珍続編」「豆腐百珍余禄」と次々に続編が刊行された事からも分かるようにその人気ぶりが伺えます。
そしてこの「豆腐百珍」に林春隆がさらに豆腐に関する随筆など数編を併載して昭和10年に『新撰 豆腐百珍』(岡倉書房)として出版しました。この『新撰 豆腐百珍』を昭和57年に中央公論新社が文庫に収めたのがこの本なんです。

パラパラとページを繰ると目に付くのが今まで聞いたこともない豆腐のお名前。 ネーミングバラエティ「豆腐のおなまえっ!」なんてタイトルでクイズにもなりそうです。 例えば、「NHKの小野文恵アナウンサーがとても好きなお豆腐は何んでしょう?」 ハイ「おのの豆腐」 ! ガッテン ガッテン。 (・・・・・。) 
おのの豆腐は残念ながらこの本には載っていませんが、(たぶんそんなの無いと思います。) ほのぼのとした、思いがけない、不思議なお名前がたくさん出てきてキっと読む人を和ませてくれるハズ。 「雷とうふ」、「引きずり豆腐」、「なでしこ豆腐」、「カスティラとうふ」 等など。 どうですか?この愉しいネーミングは! 如何にも日本人の感性だなって思いますよね。


本文

レシピ本だからもう少しビジュアルっぽいほうが今の人には合ってるかもしれないけれど、これはこれで有りですよね。 なんでって、やっぱり文章が肝ですから! レシピの説明は切れ味があり、小気味よいテンポで話しかけるように書かれています。ビジュアル本では得がたい、読む人に伝えようとする著者の懸命さがぬくき我が感性にもビシビシと「凍(し)み豆腐」。
この本を読めば、ホットドツクには些かうるさい洋風グルメの僕でも「豆腐は立派だ!」と分かったのだから、たぶん貴方にも豆腐の素晴しさが伝わるとおもいます。

どうだ! 「豆腐」って立派だろ!って言ってる僕も実は豆腐の実力がコレほどまでとはこの本を読むまで全く思ってもみなかったです。 もし友達のチコちゃんがここに居れば、「豆腐のえらさも知らないでボーっと生きてんじゃねーよ!」なんつって叱られるよキッと。間違いなくね。僕はチコちゃんと仲がいいんだ。 チコちゃんは怒りっぽくて、口は悪いけど、謙虚でシャイなところもあったりして僕は好き。 僕なんかいつも叱られて謝まってばかりいるんだよ。 ♪ご~めんね ごめ~んね チーコーちゃん チコちゃん!って。あれっ?豆腐の話でしたね、 ごめん。
何と言ってもこのような本を今も手にすることができるのは、先人達の情熱のおかげだと感謝、感謝ですね。豆腐と日本文化の厚みを感じるなあ~。

豆腐を使った料理がこんなにてんこ盛だとあれも食べたいこれも食べたいって目移りしますよね。 なんだか今夜は新レシピに挑戦したくなってきたぞ。 さっそく作ってみるかぁ~。 でも、今夜はとりあえず「湯どうふ」にします。
コメント
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