ぼくのほんだな

フワフワした僕が本を中心にスキな話題だけを勝手気ままにお届けします。

ぼくのほんだな 202・・「詩禮傳家」清岡卓行 装幀/岩阪恵子

2015年01月13日 | ほんだな
キッパリと清々しい作品です。 詩人ならではの作品でしょうか。 地味といえば地味ですが、滋味溢れる佳品です。 著者は詩人・作家の清岡卓行。 清岡卓行といえば僕の好きな詩が有るんだけど何だか分かる?(分かりません。)
「わが罪は青 その翼空にかなしむ」。 ね。 一行詩だけど、だから?いいのかな。 えっ?今は詩の話じゃない?そ~なんだけど詩人の僕としてはハズせなかったの。 では、戻しまして、そお、装丁は小説家の岩阪恵子。 夫人です。


 
函/表紙

  
見返し/扉

「詩禮傳家」清岡卓行 岩阪恵子/装幀 1975 1800円 文藝春秋

ご覧の通り作品と一体になってたいへん美しいです。 内容は純愛物です。 ん、違う?著者は恩師である「阿藤(伯海)先生の心の姿、-それも漢詩人であることを軸とする心の姿を、いわゆる物語の筋書をもたずに、自分なりの視点から、写実的な散文の点綴によって、一篇の小説となるところまで、描きあげてみたいと企図」した事が「あとがき」に述べられています。  

僕にはそ~と~ 難しい・・・、でも著者は続けて「あとがき」に綴っています。 この本は出来ばえよりも「本書を通じて、阿藤伯海という不世出の漢詩人の作品と人柄に、深い魅力を覚える人が、 少しでも増えてくれたら、それでいい」と。 や、やっぱり、純愛物だ!この、師に対する透徹した愛よ。Ohッ! (純愛物でもなに物でもいいです。)

ぼくは阿藤伯海さんて、この本ではじめて知りました。 こういったまだまだ知られていない魅力的な人って大勢おられるんだよね。
とりあえず、深いかどうかは分からないけど、それなりに約一名が魅力を覚えました。 そして、あらためて思っちゃった。 魅力的な人を心に持てる人も、また魅力的な人だなぁ と・・。

文庫もいいですよ。



「詩礼伝家」(講談社文芸文庫) 清岡卓行 菊地信義/デザイン 1993 880円(税込) 講談社
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