ぼくのほんだな

フワフワしたノリやすい僕が本を中心にスキな話題だけを勝手気ままにお届けします。

ぼくのほんだな228・・ジャック・カロとホフマンの「ブラムビラ姫」

2018年07月30日 | ほんだな
カロって聞いたことある? 「かろ かっ く い い けれ 〇 のあの かろ?」だなんて言いたそうだけどそれは全く違うんですよねぇ。
(そんな疲れるようなことは言いません!)
カロはジャック・カロといってヨーロッパのバロック期に活躍した銅版画家です。 (それがどうした?) 僕のお気に入りの画家なんです。 カロは軽いようで重く、重いようで軽いんです。 軽いようで軽い僕が貴方にもカロの魅力を知ってほしいなと思うものなり。 (・・・・・)

カロのことをもう少し詳しく言うと、

ジャック・カロ(Jacques Callot, 1592年 - 1635年3月24日)は、バロック期に活動したロレーヌ地方出身の版画家。
オールド・マスター・プリント(old master print、西洋の伝統的な版画)における重要人物の一人である。
生涯を通じて1400もの細密なエッチングを制作し、華やかな王宮生活と並んで兵士や道化、酔っ払いやジプシー乞食などを題材にした作品も多く残した。宗教や軍隊を題材にしたものもあり、それらの多くは開けた眺望を背景にして描かれている。
―ウィキペディアより―

僕が初めてカロの絵に出合ったのが、「ブラムビラ姫」という本の挿絵でした。 本をかじり始めた頃で、古書店の店頭に無雑作に並べられていたいわゆるゾッキ本の中に紛れていた一冊で、パラパラと頁を繰ったらそこにいましたねえカロが。 "ひと目会ったその日から"(??)大いに気に入っちゃいました。 見た目の軽やかさにワクワクしました。僕にもお手ごろだったのでこれはもう、即 Get!
この本は「獨逸ロマンチック叢書」の一冊。 かの有名なホフマンの作で、「ブラムビラ姫」というタイトルでした。 ホフマンがお気に入りのカロの銅板画をもとにして、副題にもあるようにーカロオ風の狂想曲-を書いたものです。

 
表紙/扉

「ブラムビラ姫」〈獨逸ロマンチック叢書8) ホッフマン 石川道雄/譯 定價二圓 昭和十八年 青木書店

「ブラムビラ姫」は購入時からカバーが欠けていたので、同じ叢書の「獨逸浪曼派」高橋義孝・著〈獨逸ロマンチック叢書18)を載せておきます。 こちらには挿絵はありませんが、中味はタップリです。



ゆったりした装丁が何とも言えずいいですね。


「ブラムビラ姫」には全八章のそれぞれに1枚づつカロの銅版画が付けられています。


第一章


第二章


第三章


第四章


第五章


第六章


第七章


第八章

初めて書店の店頭で手にとったときは本の内容より先にその中の挿絵に吸い寄せられたんですね。 なにせ初めて見たので当然の流れとしてジャック・カロってどんな画家なの? 知りたくなりますよね。 でもでもですよ、なんにも分かりません! 『ブラムビラ姫』が翻訳された昭和十八年当時のジャック・カロに就いての様子が「譯者後記」に記されています。 ちょっと紹介すると、

・・・「著者はその嗜好する畫家Jacques Callot1592ー1635の作に係る八枚の銅版畫を念頭に置いて書いたのであるが、此の畫の出所因縁が詳かでない。 私かにゲオルク・フォン・マアセンあたりの考證を期待してゐたのであるが、惜しいことに先年歿くなつたので、當分は不詳のまゝにして置く他はなからうと思ふ。(略)」・・・

とあります。 カロについて、出版当初は不詳のまゝってことだったんです。 シュン。

僕がこの本をゲットした頃は、出版された昭和十八年からすでにずっ~と時を経ていたのに、それでもまだまだカロは知られていなかったんです。 僕はカロの名を知りましたがどの様な人かは分からないまゝ やがて僕の乏しい記憶の彼方に埋もれていきました。

再び僕がカロを憶い出したのは、またもやずっとずっ~と後、いつ頃だったか"ガレリア・グラフィカ"でジャック・カロの版画展があって、懐かしく感涙の再会を果たした時でした。 筑摩書房から1978年に「世界版画 パリ国立図書館版 5カロとマニエリスムの時代」やその他の出版社から何点か発行されたリした辺りからカロは一般的?になっていったのでしょうか?

そして「ブラムビラ姫」は1987年に書名も訳者も違いますが筑摩書房から出版されました。



「ブランビラ王女」(ちくま文庫) E.T.A.ホフマン/著 種村季弘/翻訳 1987 筑摩書房

僕は「ブラムビラ姫」という書名にはGetしたときからずっと馴染んできましたから、「ブランビラ王女」の書名を見たときには少し違和感をおぼえたのを思いだします。 最近、"ルカス・クラーナハ"っていきなり聞かされた時の感じとそっくり!? 種村季弘や筑摩書房は好きなんだけど、この件に関しては、僕は「ブラムビラ姫」のカロが好きだし、"ルーカス・クラナッハ"が好きです。 (やれやれ。)
コメント
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