オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

LT SpiceによるLP2020A+のZobelフィルタのオーバーシュート

2019-06-02 11:44:08 | 回路シミュレーション
 今年3/19にアップした純抵抗負荷でのオーバーシュート対策の続きです。620A+2405系の等価回路が前回作成できたので、これを使ってLP2020A+をアンプとした場合のオーバーシュートを見てみました。3/19アップ時に参照したと記載したサイト(メモ帳:PCオーディオの構築(アンプ4))に着想を得てやっています。6/28赤字訂正。回路図の間違いを訂正しデータも訂正

 ■1)抵抗負荷での検証
 これは以前アップしましたが、実数の抵抗負荷では

 単純な純抵抗負荷では、LP2020A+のZobelフィルタのC2を大きくした方がオーバーシュートの高さが低下します。C2=1μFの場合は、0.22μFの場合の~1/2になっています。

 ■2)インピーダンスから導き出した複素数負荷(L、C)を含んだ等価回路 (前回の回路図は、LPFの中点アース以外のユニットにもアースを取っておりBTLを正しく表していないのでBTL対応の1点アースの回路図に訂正)
 これは、以下のようになります。電圧源の右側のL6~C8までの回路はLP2020A+の出力回路です。積分復調器として使うLPF(10μHのL2個と0.47μFのC2個)とZobelフィルタ(オレンジ色の〇で囲んでいる:D級アンプでは発信防止ではなくスピーカーのインピーダンスの上昇を抑える為に入れる)と0.1μFのC(差動ノイズデカップリング用)を含んでいます。

 青〇で囲んだのが、604-8GのLF(ウーハー)で、黄色〇は、604-8GのHF(同軸ツイータ)で、緑色〇は、JBL2405です。また、LP2020A+の出力回路のZobelフィルタは、オレンジ色の〇で囲んだCとRで、出力の統合点の電位はその近くの右上の赤●のところで取っています。

 ■3)この等価回路でのLP2020A+のZobelフィルタのCを変えた場合の高周波特性
 これは以下。実線は電圧ゲイン(db)で、点線は電圧の位相(°)です。

 これは、上の回路図で赤●の点(Zobelフィルタの右上)の電位の周波数特性で100KHzまで見ています。左から順にZobelフィルタのCが0.22μF、0.47μF(現物)、1μFと上がっていきます。一見すると同じように見えますが、ハイ落ちの肩の周波数(-0.5dbポイント)が、左から17.4KHz、22KHz、18.7KHzと0.47μFがベスト。0.22μFや1μFでは若干ハイ落ちします。
 冒頭に参照したと記載したブログのコメントで、”スピーカーとZobelを並列接続したインピーダンスが、1k~20kHz当たりまでフラットに近いようにすれば、回路シミュレーションとかしなくても、自分の使うスピーカーに合わせてCz(ゾベル用)の容量は決めれそうだ”とあった。その理論に従うと、0.47μFがベストです

 ■4)この等価回路でのLP2020A+のZobelフィルタのCを変えた場合のオーバーシュート特性
 これは、

 これも電位の測定点は、上と同じ回路図で赤●の点(Zobelフィルタの右上)で3つのユニットの送り出し点の矩形波応答を見ています。上から順にZobelフィルタのCが0.22μF、0.47μF(現物)、1μFと上がっていきます。今回は、■1)の純抵抗の場合とは違って、オーバーシュートの高さはほぼ一定ですが、オーバーシュートのパルスの立下りが0.22μFでは、~24μS,0.47μFでは~31μS,1μFでは~39μSと鈍っていきます。この立下りの鈍りは大きいように思いますが音で聞き分けられるかどうかは?ですが、立下り鈍りが少ないのは0.22μFです。

 やはり、ZobelフィルタのCは、電圧の周波数特性とオーバーシュートの立下り時間で見ると標準の0.47μFで妥当と思います。

 
コメント
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