オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

604-8Gのコンデンサの容量値について

2018-08-20 14:11:18 | ネットワーク
 604-8Gのコンデンサの容量値については、ウーハー側は21μFですが一般的な計算の2次のFc=1.8KHz前提で出てくるのは、10μFです。また、ツイータ側についても、ツイータに近い方のCの3次の計算値=22μFに対し実物は12μFが付いています。ネットワークの計算値は実際とは異なるとは良く聞きますがこの差について理由を考えてみました。

 ■1)計算値と実物値の比較 (計算値は、http://aiwa.fc2web.com/nw/nw_design.html で計算。一般的なバターワース特性を想定)
 これを以下に纏めてみました。

 左上がウーハー対応の2次の12db/OctのLPFの回路と計算上のLC値(黒字)と実物値(赤字)です。C1の実績値21μFに対し計算値は、10μFと約半分です。
 右下が、ツイータ側の3次の18db/OctのHPFの回路と計算上のLC値(黒字)と実物値(赤字)です。こちらはC2の実績値12μFに対し計算値は、22μFと約2倍です。

 左下は、ウーハー側のフィルター特性を2つのCについてラフに描いたものです。本来のクロスオーバー周波数Fcは、黒線に示す-6db/Octに下がる周波数です。赤線が実物の21μFに対応する特性でFcはC値が2倍になっているので、√2で割った周波数になります。これは、FcがLC共振周波数と厳密には違うかもしれませんが同じとして
  FC≒1/(2π√(LC)  ・・・・・・・①
 で考えると、√2で割った周波数になります。
 同様に、ツイータ側を簡易グラフ化したのが、右上です。黒線の理論値のFcに対し、赤線の計算値のFcはCが半分になるので上がるはずです。(3次のフィルタの共振周波数というかFcの式が判らないですが傾向は1次と同じはずですので。)
 
 纏めますと、理論値(黒線)に対し、実物値(赤線)は、肩落ち点がFcから上下両方共に遠ざかる方向に設定されている。

 ■2)Fcを離す必要性
 これは、このサイトにヒントがありました。
http://www.kozystudio.com/bu2bu2/network/network1.htm

以下、関係する部分を転記させてもらうと、
”上記の回路は一般的によく見られる12dB/oct.のネットワークのもので、コイル(L)と
コンデンサー(C)は、それぞれ
L = 225×インピーダンス÷クロス周波数
C = 113000÷インピーダンス÷クロス周波数
で簡単に、求められます。(バターワース)
このバターワース係数によるフィルターでは、理論上、クロス周波数で音圧が3dB盛り
上がってしまう問題があるとされていますが、実際にはそれ以上の問題が起きています。
 これはRADIANの38cmウーファー2216に上記の計算で得られた800Hzのフィルター
を通した場合の特性です。赤線のオリジナルの周波数特性と比較していただければ、
緑線の方はしっかり12dB/oct.で落ちているように見えると思いますが、問題は、肝心の
周波数から落ちてくれずに、1.5kHzぐらいで、やっと3dB落ちているという点です。
ユニットの位相特性やインピーダンス特性や周波数特性を無視した計算式で得られる
約2.3mHのコイルと約23μFのコンデンサーでは、3dBの盛り上がりで済むはずはなく、
音が出ればいい程度のレベルでしかありません。 ”

 バターワース係数によるフィルターでは、理論上、クロス周波数で音圧が3dB盛り上がってしまうし、ユニットの位相特性やインピーダンス特性や周波数特性を無視した計算式で得られるコイルとコンデンサーでは、3dBの盛り上がりで済むはずはなく、ということがあるようです。
 これは推測となりますが、ALTECも主にインピーダンス変動影響でのFcの変動等による合成波の盛り上がりを回避する為に、カット&トライでユニットに最も近いCを使ってFcを離して行ったのではないでしょうか。 

 ■3)2次のLCの場合の共振周波数F0とクロス周波数 Fc
 これが同じかどうかは、判りませんが、一般的にバターワース特性の場合Fcの式は、クロス周波数をFとして

 C1=112500(91200)/Rt*F  (112500は、113000の場合もあり、(  )内は、肩落ちのベッセル特性の場合)

 となります。これでウーハー側のクロス周波数Fcを計算すると

 Fc= 1368Hz  となります。
 
 LC共振周波数F0(LCシリアルのインピーダンス Z=0の条件:■2)の①式)でF0を出すと

 F0= 1366Hz  となります。これは同じと考えても良い。

 しかし、これが、前提条件の1.8KHzではないのは何故でしょう。

 もし、理由をご存知の方はコメントをお願いします。

 ■4)ヴィンテージ Lansing スレ ALTEC JBL mk3 に関係すると思われる意見を発見

 これがかなり当たっていると思う。231番目の投稿を転記すると

”231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/21(木) 23:48:43.20 ID:YO+oyMN3>>227
604はクロス1500Hzって言っても下は600Hz、上は1800Hzの各々12dBと18dBで 8Gの場合切ってあるから実質511B+802の500Hzのクロスと大して変わらんですよ。 500Hzの501とか800Hzの801のクロスオーバーは単純な上下対象の12dBの奴だからウーハーの受け持ち自体は大して変わらない。
問題があるのはクロス付近の位相があまり考えてられないんでピンスポットにはならない事。
604系マルチにしてクロス1500Hzで使うとそれこそ紙の中域聴く事になる。
いくらタイムアライメント取ったってそれじゃどうしようもない。
マルチするなら設計どおり600Hzの12dBでウーハーを切り、1.8KHzの18dBでドライバー切らなくっちゃ。

ちなみに604Eは下6dBで上12dBです。

だから>>230の使用方はあんまり意味が無いんじゃないかと思えます。
素直に別のウーハーとドライバーにした方がいいんじゃないかと。 ”

230番目の投稿もついでに下記。
230 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/03/20(水) 19:42:57.44 ID:j/yeEINd
同軸である事を捨てる事になるが、
511Bに802Dを繋げて500Hzでクロスし、604の高音部を8kHzから再度使う方法もある
事実上スーパーツイーターが3000Hしか無いALTECの場合は
MR902を使うかこの方法を取るかの二者択一と言えよう

 私が、■2)で予想したことを2013年に既に言い切っている。下を600Hz、上を1800Hzと言っているが、精度は兎も角、言っていることは基本的には当たっている。ウーハー側をCの現物値の21.8μFでFcを①式で計算すると

 Fc(下)=10000/2π√(1.31*2.18)=942Hz

 となるので、下のFc=942Hzとなるはずで、600Hzがどこから来たのかは?

 また、”問題があるのはクロス付近の位相があまり考えてられないんで”というのも、例えば同軸なのでタイムアライメントがパッシブでは合わせられないからウーハーとツイータのタイムアライメントはデジタルチャンデバでも導入しない限り合わない+Fcを1点にしていない為の位相のズレ等から仕方がないと思うが、今聴いている音は凄く自然でライブ感鮮明に付き当方の駄耳では全く気にならない。

 それと、位相云々とは意味が異なるが、所詮1次フィルタ以外はトーンバーストを再生しようとしても歪がフィルタを通すことで発生します。これは以前に紹介したPAを職業にされている棚瀬さんのHPで載っています。これは位相以前の話であり、そういう意味では1次フィルタ以外は何を使おうが原音ではないことになる。つまり後は聴感とFFT・インパルス応答等を補助にして自分の求める音を出すシステムにしていくことに尽きる。

 231番目の投稿者のシステムを一度見て、聴いてみたい。

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