オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

タイムアライメント~低音

2017-01-14 08:22:06 | タイムアライメント
前回に続いて、今回は低音のタイムアライメントになります。
 ■1)低音のタイムアライメントについて
 低音については、通常38cmのコーン紙ユニット同士ですので、バッフル板の位置を揃えればほぼ同じところから音が出るので同じ種類の2台のアンプを使う場合は、アライメントは不要です。

 ■2)高音用アンプの選択
 今回は、マルチアンプで2台のアンプを使いますので、元々考えていたアンプが、ビンテージの石のアナログアンプで、SA8800(パイオニア)と、AU-D907FEX(サンスイ)があるので、これらを考えていました。(下記写真上がSA8800、下はAU-D907FEX、今までご苦労様!)


 しかし、いざ、これら2台とチャンデバをラックに入れようとすると、ラックの高さが足りません。入らないのです。特にAU-D907FEXは、片チャン130W(8Ω)も出せますので、使いたいところですが、18kgもあり、ぎっくり腰を持っている私にとっては、上げ下げするのも危険なことになります。 従って、今回は、高音用はサブシステムに使っていたA-J7(パイオニア)という小型の石のアンプを使うことにしました。これも2台ありますが、チャンデバを入れるとやはりラックに入りません。

 ■3)低音用アンプの選択
 低音用の1台のアンプは、60Hz以下しか出しませんので、特性的な利点(デジアンは低域ほど低歪率で、高域ほど歪が大幅に増加)も考え小型のデジアンにすることに決めました。

 そのデジアンに必要な条件は、下記です。
 1)高さが4cm以下であること。
 2)低音がフラットにでること。(中華デジアンは、コスト削減で入力カップリングコンデンサを小容量の3.3μF位を使うので低域端が、3~5db落ちている。最低、50μFは必要。)
 3)電源ON・OFF時のポップノイズが無いこと。(中華デジアンは、コスト削減でポップノイズ対策は大抵していない。)

 この3つの条件を満たすアンプを、ヤフオクで見つけました。これは、札幌のI様が出品されていたLP-2024+改造品というもので、15項目にわたる改造をI様にて施してあります。云わば、フルチューンの改造車です。
 I様にも非常に感謝!
 このLP-2024+改造品は、1)は、4cm、2)は、100μF(PANA製)で低域もフラットで、3)のポップノイズも全くなく、申し分の無いアンプです。コンデンサはほぼ全部強化されておりコイルもNFJ特注TOKO等にグレードアップされていて、欲を言えば、オペアンプが新日本無線のNJM5532DDとド・ノーマル品ですが、ソケットタイプなので後で高スルーレート品に換装するのは簡単で、クラシックなら新日本無線のMUSES01、ジャズならMUSES02を付けたいところですが、今回は、60Hz以下なので、NJM5532DDの8V/μs、GB積 10MHzでも十分です。爆音で聴いている時でも、60Hz以下だけに切り替えたら、小さな唸り(ブーン)が聴こえるだけですので、0.1W以下の電力しか使っていない感じです。

 ■4)デジアン(低音)とアナログアンプ(高音)の共用の懸念点
 さて、本題に入りますが、低域(60Hz以下)にデジアン、高域(60Hz以上)にアナログアンプを使うとどういうことが起こるでしょうか?そう、思い出して下さい。TVがアナログと地デジが共存していた5年位前に、同じ放送を両方のTVで見ていた時に、地デジの方が、少し画面が遅れていたのを記憶されている方もおられると思います。それがひょっとしたら、起こる可能性があると考えました。デジアンは、最終段にデコード部のLPF(ローパスフィルター)が入るので、そこと最初のエンコード部でアナログより大きく遅れると思っています。
 としたら、タイムアライメントを計れば、それが分かるだろうということで計りました。
 ■5)低音タイムアライメントの評価
結果は以下に載せます。
評価に用いたチャンデバのクロスオーバー周波数は、精度を考えると高いほうが良いので、両方のウーハーが出せる高い周波数(930Hz)にしました。①が、JBLとALTECのバッフル面を同じに合わせた位置で、②は、JBLを5cm前に出した場合、③は15cm、④は、両者の合成音圧出力をグラフにしたもの。(WGから出る波は、+から始まる正弦波のシングルパルスですが、マイクで受けた波のオシロ画像は通常逆転します。)


 この結果から見ると、JBLを5~10cm手前にせり出さないといけないので、今はJBLを6cm602Aより前へ出しています。当初デジアンは、5~10cm分遅延していると思っていましたが、棚瀬様からアドバイスがあり、D級デジアンは、遅延は無いとのことですので、この差は、マイクを、620Aの真前80cmに設置していた為、横に置いている4331Aとのマイクとの距離が、620Aとの距離より当然長いので、その為に5cm~10cmの差が結果として出ています。尚、②の波形なんか見ますと、惚れ惚れしますね。シングルパルスで2つのスピーカーを鳴らした場合に中々こんな波形は出ないです(1KHz以下は、反射を防ぐ、ノウハウが必要)。
 (10cmで、0.3msですので、一般にプロの演奏家が遅延を感じる検知限が~5ms(複数の楽器でほぼ同じ)という、ある論文の記述からは問題なさそうですが、0cmで波形が崩れているのが、気になりJBLを6cm前へ出した。)

⇒【結論】2231Aを620Aの横(外側)に置いた場合は、5cm~10cm、2231Aを前に出すと、タイムアライメントができる。

 ■6)評価時のミスから市販ケーブルの導入
 実は、これも纏めはきれいになっていますが、最初は、右(R)側は、上記5cm前にJBLを出すのですが、左(L)側のJBLの極性を間違えて、ALTECと同相に繋いでいて、結果は、JBLが15cmもせり出すという、左右アンバランスな結果でした。これも、暫く、そのままで聴いていたらどうも、定位もぼやけているし、おかしいと思って2週間後に徹底調査をして分かりました。それに懲りて、今までスピーカーケーブルは、+-の区別ができないACケーブルを使っていましたが、1系統は、GS(ゴールデンストラーダ)のGS#79という5000円弱/mのやつにして、他は、ACケーブルで+に赤をマジックで塗りました。懲りないやつと、お笑い下さい。GS#79を使っていますが、私はケーブルで音が変わるとは思ってはいません。まあ、1系統ぐらいは、おまじないで贅沢するか!という感じです。

写真の赤白のケーブルがGS#79。ACケーブルに赤マジックを塗っているのも見えます。
コメント
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