オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

ブログ始めました。現在のスピーカーを紹介します。

2017-01-11 15:39:49 | オーディオ
 今まで、ブログを始めようと思ったことは何回もあったのですが、めんどくさがり
でできなかったが、今日なぜかやる気になった??
オーディオ遍歴を語ると、長くなりそうなので、簡単に紹介。

 ■1)オーディオ遍歴
大学時代前半 ~スピーカーの変遷
 スピーカーを自作した。最初は、ダイヤトーンのP-610Bで密閉で作ったが低音が不足していると感じ、バスレフの穴を開けた。そうすると、高音が不足してきたと感じ、パイオニアのツイーターPT-8Dを付けた。

 でもやはり、16cmでは迫力が出ないと感じ、20cmのパイオニアのPE-20で適当にバスレフ箱を作った。これは、そこそこの音がしたが、箱が小さすぎて、低音が十分出ない。

 そこで、自作を諦めて、市販品のダイヤトーンのDS-28Bを買ったが、しばらく聴いていると、低音が量は出るが、ブチブチという弾まない感じの低音で、ウッドベースが弾むように再現できていないことに気づいた。

 そこで日本橋の共電社とか電気屋を回って、毎週のように、高級オーディオの視聴室に行って、スピーカーをとっかえひっかえ、聴いていたら、JBL4331Aが非常に気に入った。
 迷ったのは、同じJBL4333AとALTECの620AとA-7で、4333Aは、ラッパが少し引っ込んでしまう(今思えば、そのほうがフラットだったかも)ので落として、620Aは、ボーカルが自然で風のような低音が魅力だったが、重低音が出ない(A-7-500-8も同様)ので、落として4331Aに決めた。
 そこで、当時一番安く入手できる並行輸入店で新品のJBL4331Aを、M1生の78年に買った。これを買うために、塾の講師と家庭教師を目一杯詰めてやった。
当時、重低音を重視したのは、鈴木勲のベースを忠実に再現できるスピーカーが欲しかったから。
下記、右側が4331A。ウーハーは、15インチ(38cm)


■2)【2012年10月の早期退職後、JBL4331Aを改善】
 電機会社時代は、忙しくてオーディオは休止状態だったので、早期退職を気に、4331Aを鳴らしてみた。何と、エッジがボロボロになっていた。それはそうだ。エッジは、ウレタンで、10年位でぼろぼろになるので、交換しなくてはいけないのに、35年もほったらかし。(ヤフオクでよくウーハーのエッジがボロボロのJBLをジャンクで売っているのを見て”しょうがないやつだ”などと言っていましたが自分がそうなるとは・・・・)
 そこで、退職後で暇は十二分にあったので、11月に自分で交換することにした。3日かけて、エッジ交換後に、聴いていたが、やはり高音が不足していることが気になってきた。
 【2405Hの追加】
 やっぱり、4333Aにしておいた方がよかったかなと思ったが、後の祭りなので、ツイーターを探した。候補は迷ったが、4333Aに付いていたのが、2405なので、それにしたいと思ったが良く調べると、2405は、NHKがモニター候補を一時JBLに決めて評価しているときに、2405の個体差の大きいことを理由にJBLを落としたことがあるということを知った。
 個体差の原因がクサビ状イコライザーとダイヤフラムの近くのクリアランスに設計マージンが無く、そのまま製造したらバラツキが完全に押さえ込めないので、後の2405Hでそこを改善したということであった。(数十台も導入するNHKとしては非常に大きい問題と考えた。)
 つまり、オークションで2405を落としても、良品にめぐり合える確率は低いと判断して、後継の2405Hに決めて、オークションをひたすら待った。

2013年1月8日に、名古屋のN様からオークションで、待望の2405Hを入手した。非常に綺麗なもので、プロが作った木製の台も付けて頂いた。(N様に感謝)


尚、この頃にネットでは有名な、efuさんのWaveSpectra(WG/WS)というフリーソフトを導入して、音圧の周波数特性が測定できるようになった。これはスピーカー評価をする上で非常に役に立つソフトです。続けて、同じような用途に使えるBachagi.h 様作の、MY SPEAKERも入手して使用した。このお二人にも感謝!

 【2405H用ネットワークの構築】
 さて、この2405Hを4331Aに追加するには、ネットワークを作る必要がある。クロスオーバー周波数を何通りか決めて、コイルとコンデンサーを十数個ずつ買って、6db/OCT(1次)、12db/OCT(2次)、18db/OCT(3次)の3種類を比べてみたが、一番素直に音が繋がるのが、6db/OCTだったので、これに決めて、コンデンサーは、この時買ったデイトンの最新ではなく、43年前に1個2200円位で買った双信電機のWT2A155K(1.5μF)になった。以下、実験したが最終的には使用しなかったパーツ類。

この双信のコンデンサーは、43年前にネットワーク用に買ったものであるが、結局スピーカーの自作を途中で止めた為にそのまま使えずに保管していた。誘電体フイルムがポリカーボネートは低域がしっかりしている、ポリプロピレンは高域の方が良いということで複合構造にしているのだそうです。写真左下も円筒型の双信ですが、これは昔PT-8Dのパスコンで使用した2.2μFで現在未使用。
 今でもヤフオクに双信のコンデンサーは出てきて、結構な値段で落ちています。私が双信を選んだのは、DCアンプの大御所金田明彦氏が、S52年の著書”最新オーディオDCアンプ”で、音の良いコンデンサーとしてアンプの位相補正やイコライザーやチャンデバ用は双信のディップマイカを選び、双信とはヒアリングテストまでやっていたからである。(電源の出力やパスコンは、ニッケミのタンタルを推薦されていたが、コンデンサではこの2社しか推薦せず)

 因みに、6db/OCTの1.5μFのクロスオーバー周波数は、教科書的計算では13KHz辺りですが、実際に周波数特性を測ったところでは、~6KHz辺りから重なって13KHz以降は2405Hメインでした。また、4331Aの93dbに対して、2405Hは105dbと音圧が高いので、12dbのアッテネーターを自作して使っていた。

 ■3)【2015年5月にALTEC 620A導入】
 2013年から2015年までは、4331Aに2405Hを追加して聴いていましたが、どうも中低音辺りに粗いところがあるというか、少しもやっとした部分があるように思ってきました。そこで、過去の記憶に遡って、この辺りが綺麗に聞こえるものは無いかと思い出してみると、ALTEC620Aに思い当たりました。
 最近の高級スピーカー(プロケーブル含み)も一応日本橋へ行って聴いてみましたが、ピンと来るものはありませんでした。

 そこで、ヤフオクで620A(以下写真左)の程度の良いのが出ていましたので、2015年5月に入手しました。

 早速比較しましたが、4331Aの中低音の粗い部分がヴァイオリンで比較すると良く判りました。妻がヴァイオリンを弾きますので、彼女の意見も聞いてみると、やはり4331Aでは一部聞こえない欠落した音が620Aではちゃんと綺麗に聞えるようです。

 【620Aの欠点】
 しかし、620Aには、中低音以上での素晴らしい音質がありますが、10KHz以上で高音が、徐々に下がっているのと、地を揺るがすような重低音がありません。

 ■4)【620Aの改善1 高音】
 これは、4331Aに付けていた2405Hを迷わず付けてみた。そのアイデアは、瀬川さんという著名なオーディオ評論家が、ステレオサウンド53号に記事を書いていて、アルテックに2405を付けるのも興味があると書かれていたのも一因となった。

以下、引用

”♯6041用の新開発といわれるスーパートゥーイーターも、たとえばJBL♯2405などと比較すると、多少聴き劣りするように、私には思える。これのかわりに♯2405をつけてみたらどうなるか。これもひとつの興味である。”
それを実際にやったのが以下、
”1997年にステレオサウンド~「トゥイータ/サブウーファ徹底研究」が出た。 井上先生監修の本だ。
2405Hの試聴記を引用しよう。
     *
 このトゥイーターを加えると、マイルストーン604の音が、大きく変りました。まず、全体の鳴り方が、表情ゆたかに、生き生きとした感じになります。604システムそのものが、「604って、こんないい音がしていたかな?」というような変り方なんです。”

追加する母体は違うが、同じ同軸38cmユニットであり、620Aの後継であるので、基本は大きく違わないと考えて、2405Hを、4331Aの時と同じ1.5μFの6db/OCTで追加した。

これが見事に成功し、高音がきっちり出るようになった。特にライブ雰囲気がより鮮明になった。

 620A(103db)と2405H(105db)の音圧を合わせる為に、3種類のアッテネータを自作した。
実際に周波数特性を取って、低音と高音がほぼ等しくなるようにするには、5.2dbが最適だった。

又、2405Hの前後位置を決めるのに、タイムアライメント法を用い、正弦波のシングルパルスをWGから出してオシロで両方音圧の和が最大になる位置を実験して割り出した。
⇒【結論】620Aのバッフル面から20cm後ろに2405Hを設置する。

 ■5)【620Aの改善2 重低音】

 それを解決するには、色々考えた結果、4331Aのウーハー2231Aを、620Aに加えることにした。
 2231Aは、ボイスコイルにわざと重りを付けて(アメリカの某ブログでは、36gとの記載もありますが、重りなしの38cmのJBLのウーハーが、~100gの振動系に対し、2231Aが151gで重りは50g位と推定したが、後日ネットで実測した記事があり、35gと判明)f0=16Hzまで落としたものです。その為に、中低音がぼやけるのは仕方が無い。
JBLはこれを改善するために、4343以降を作ったと思います。
(中低音を鳴らすスコーカーを間に追加し4WAYにした)

 最初は、4331Aは低音の2231Aだけを駆動してそのまま横に置いて、並列に繫いでいたが、低音が重なって濁っているような感じで、定位が曖昧になっていた。

 そこで、最初は、パッシブネットワークを考えたが、クロスオーバーが60Hzを考えていたので、コイルが巨大で価格も高く、直流抵抗も比例して増えて、それによる歪も増えるので、トータルの価格を考えたら、アクティブクロスオーバーにした方が現実的と判断して、チャンデバを探した。

 低音のみに使うので、デジタルまでは不要と判断し、2016年7月15日にアナログのチャンデバCX2310を入手した。

⇒【結論】CX2310で、60Hz以下を4331A(2231Aのみ駆動)に繫ぎ、60Hz以上は、620A(+2405H)に繫ぐ。

 下記写真で、真中にある黒い細長いのが、チャンデバ(CX2310)です。上が低音用デジアン(LP-2024+改造)、その左がセレクター、下が高音用アナログアンプ(A-J7)です。


 ■6)【2017年1月の状態】
 下記写真のような状態で、中側に620A、外側に4331A(2231Aのみ駆動)を設置している。スピーカー4個で240Kgあります。
 

2405Hは、タイムアラインメント法で620Aの前面~20cm奥に設置して位相を合わせている。⇒2017.3.23~再確認して、26cm奥に変更しました。
⇒2017.7.1~再々確認で、インパルス応答法でタイムアライメントを見直して、20cmに戻した。

又、下の2405Hの裏側に見える黒い四角い部品が双信のWTコンデンサー、白い四角い部品がアッテネーター用の抵抗で半田付けされてます。


音は、現状私の狙った音が再現できており、特に不満は無い。定位もきっちり出ており、ライブ感も十分でる。よく言いますが、スピーカーから音が離れて、空間に演奏者が現れて演奏しているような感じで音が飛んできます。シンセを多用するようなスタンリークラークの”アット・ザ・ムービーズ”を聴いていると、地平線がスーと広がって、遥か彼方まで景色が見える天空から音が舞ってくる、そんな感じです。

 CDは、SONYの CDP-555ESJで、プレーヤーは、パイオニアのPL-1250Sです。


 ■7)JBLのスピーカーユニットが逆相であること
 尚、上記について、JBLのユニットと、ALTECのユニットは、全て逆相接続をしています。これは、JBLがALTECより分かれる形で分離独立したのですが、ALTECからのクレームへの、JBLの意地から、ボイスコイルの巻く方向を逆にしたためと言われています。ALTEC含めJBL以外のメーカーのスピーカーは+極に+電位を加えると、コーン紙が前に出ますが、JBLは引っ込みます。ドライバーのダイヤフラムは外から見えませんが、オシロでシングルパルスを出すと上がるか下るかで分かります。尚、逆相はJBLでも、初期のD130から1989年に登場した Project K2 で正相になるまで続いたということです。又D175以降JBLのドライバーは、D130と同じように、反ALTECといいたくなるぐらい、ダイアフラムのタンジェンシャルエッジの切り方が逆、ボイスコイルの引き出し方も、ALTECでは後側に、JBLでは前側に出している。

 ■8)【夢】
 一つ気になるスピーカーがある。そう、YL音響か、ゴトウユニットか、エール音響のオールホーンの5Wayか、6Wayを一度聴いてみたいと思っているが、近くには無いし、無理かなと思っている。
低音が、音道8m以上で、地下からホーンが回ってきて、壁がホーンの開口(2m□以上)になっているような家が欲しいが、まあ夢です。

■9)LP2024A+の故障を期に、チャンデバ使用を一時中止。
 2017年3月8日に、3次フィルターの実験中にスピーカー端子をショートして、LP2024A+(低音用アンプ)を焼損した。やむなく、チャンデバ使用を一時中止し、620A+2405Hで以降聴いている。代替えとしてLP2020A+(これも以前同様焼損)を使うべく、修理した。しかし、これで聴いている内に、この音が重低音は若干不足しているものの非常にダンピングの効いた低音…弾むベース…が再現できるので、以降暫くこれで聴いていた。
 これに追加するとしたら、重低音であるが、チャンデバで40Hz以下を、2231Aで鳴らし、HFはチャンデバ不使用とする。

 ■10)JBL4331Aのスコーカ追加の改善(2017年4月~5月)
 JBL4331Aの弱点である、低中音の鈍さ(これは2231Aを800Hzまで使っていることに起因)を解消する為の改善として、スコーカにPE-20を追加する改善を実施。結果は、ある程度の改善ができたので、2ndシステムとして聴いている。この場合は、色々実験した結果、チャンデバCX2310のHF側を使うと音が鈍ることに気が付いて、チャンデバ使用を、70Hz以下の低音のみにすることが必須。これは、620A+2405Hに2231Aを追加する場合も、同様。(クロス周波数は40Hzと異なるが)

 ■11)620A+2405Hで、タイムアライメントを更に見直した。(2017年8月14日)
 今年6月から採用したインパルス応答法での主反応の方向を両者合せるために、620Aに対し2405Hの逆相接続を、正相接続に変更した。
 ⇒正相接続で、タイムアライメントを見直して、22cmに変更した。(2405Hの620Aバッフルからの距離)

 ■12)2405Hに代替できるかもしれないツイータの候補として、ONKYOのTW3001を1個入手し、評価を開始。(2017年9月20日)以下、入手したTW3001。ブラックフェイスがカッコいい。

 ■13)620AとONKYOのTW3001のタイムアライメントを採った。
 2017年10月1日に、タイムアライメントをインパルス応答法で測定した。結果は、23.3cm奥になった。2405Hの少し装飾の付いた余韻のある音とは違って、原音に近いすっきりとした音でアタック感を感じた。又、インパルス応答のオシロ波形は、2ユニットの合成であるにもかかわらず、1ユニットの波形と間違う位の理想的波形になっている。この頃からやはりツイータもアルニコにすべきと思いだした。

 ■14)620A+2405Hで、タイムアライメントを更に見直した。(2017年10月8日)
 正相接続は同じだが、評価方法を見直して(マイク高さを最適化)、更にmm単位で追い込んだ。
 ⇒タイムアライメントを見直して、左は変わらなかったが、右側を22⇒22.4cmに変更。(2405Hの620Aバッフルからの距離)
 
 ■15)右側スピーカー(620A+2405H)位置の微修正とラックの構造(2017年11月9日)
 前回、定在波対策でスピーカー位置を決めたのが、2016年12月で1年近く経った。その間、カーペットを追加したり、スピーカーシステムも変更(2231Aを抜いた)したりして状況が変化しているので、一度見直した。結果的には、右側のスピーカー位置を、右壁から160cm⇒155cmとスピーカー間隔が5cm広がる方向に変更した。これにて、FFTで8KHzの盛り上がりが無くなりフラットになった。
 また、木製ラックを使っているが、これが空の状態では、空洞共振が起こり100Hz付近に定在波影響がでることが判った。ラックには、重量のあるものを詰め込むのが暫定対策であるが、壁面を有しないパイプラックに変えることが恒久策と考えた。⇒これは後の実験でNGと判った。

 ■16)重低音を2231Aで強化する為に、D級アンプを1台追加しマルチ化(2017.12.15~)
 これを行うため、LP2020A+を2台化して、マルチアンプの特性を評価した。チャンデバは、LPF使用で2231Aを鳴らす重低音のみで使用する。クロスは70Hz(チャンデバの設定は44Hzだが実測クロスで70Hz)で、620A+2405Hは、チャンデバ不使用。以下のようにセッティング。重低音の2231Aと高音の2405HはJBLで、その中間が620AでALTECであるので、本来逆相接続になるはずであるが、2405Hはインパルス応答評価で、2231AはFFT評価でどちらも同相接続にした。


 ■17)2405をヤフオクで入手 (2017.12.26)
 オール・アルニコ化を目的に、2405をヤフオクで入手した。特性もサインスイープのFFTを評価した所では、2405Hより若干高域端が伸びているような感じである。2405Hと交換するかどうかは、今後もう少し評価・聴き込みを重ねてからとしたが最終的には2405に変更した。

 ■18)2405と620Aとのタイムアライメントをインパルス応答法で採った。(2017.12.30)
 右側の620Aに対して2405の個体Aと個体Bの2条件、左側620Aに対しても同様2条件、計4条件についてタイムアライメントを採った。4条件共に22cm前後と2405Hとほぼ同じ値になった。

 ■19)2405と620Aとの組み合わせの決定 (2017.12.30)
 WaveGene.のサインスイープのFFTで、両方ハイ落ちがほとんどない条件、つまり右側の620Aには個体A,左側は個体Bを採用した。また試聴にて、オール・アルニコ化の意義を実感した。■4)に記載しているが、瀬川先生が604に2405を付けると面白いと、’80年に既に言い当てている慧眼には感服する。私などは40年近く後になってそれを追試しているだけである。更に2405と2405Hの高調波を測定し、大差ないことを確認した。
 現状のスピーカー: 620A+70Hz以下2231A(4331A)+13KHz以上2405(パスコン1.5μF、5dbATT)
 現状は、ほぼ目標とする原音に近づいた音を再現できていると思う。(オール・ホーンを除き)
 ①コンセプト :オール・アルニコで音色を統一  更にmm単位でのタイムアライメント 低音域定在波防止のスピーカー位置
 ②重低音   :70Hz以下4331Aの2231A(f0=16Hz)の重り付きコーン紙で空気のゆれを再現
 ③低音~中音 :620Aの604-8Gの軽いコーン紙で風のようなダンピングの効いたベース音を再現
 ③高音    :2405のAL系合金のリングダイヤフラムでリジッドながらナチュラルなシンバル音を再現
 ⇒本方式のポイントは、アルテック604系の高能率のスピーカーを低出力であるが高品位のアンプ(これは真空管でも可でDFが高過ぎない事が必須)で駆動することで、併せて重低音をLPF経由で超低f0のスピーカーを用いて乗せる事にある。更に高音は、アルニコの2405を双信のWTパスコン(1.5μF)(2018.8/8~PARCAudio製フィルムコン(1.5μF)に変更)で並列に追加してナチュラルなシンバル音を得る。

 良い音は主張しない。良い音になると、ハードウエアが意識から消え去る。そして音圧を上げているのに意外なほど五月蝿くないのである。静けさの中から音が出てきてプレイヤーが現れる。そういう状態に自然になる。つまりライブになる。

 ■20)L型アッテネータ(ATT)のインピーダンス見直し、10.5Ω系(2018.2.10)
 2405のインピーダンスが、6KHz以上で実測で10Ω~12Ωであることから、従来8Ωで設計していたATTを設計値10.5Ωに変更した。この場合、R1=4.2Ω、R2=15.5Ωの設計値になるが、実抵抗はR1=4.2Ω、R2=15.4Ωとほぼ同じ値にフィッティングした。これで当面聴いてみるが、今の所は従来の8Ω系ATTより若干瑞々しい。


 ■21)金属製パイプラック評価 (2018.3.17)
 ■15)で木製ラックでは空洞共振が起こるのでパイプラックに変えることが恒久策と推論したので、実際にパイプラックで評価した。結果は逆で、金属製パイプラックでは、100Hz付近の定在波ディップが木製ラックより大きいという結果となった。結論的には木製ラックに戻したが、木製ラックで定在波を吸収していると思われる。

 
 ■22)木製ラック評価  (2018.3.23)
 木製ラックで横方向に位置を変化しても低域の100Hzの定在波ディップが変わらないことと、中に物を入れていくと、重増加量又は詰め込んだ空間容量増加で低域の100Hzの定在波ディップが低減できることが判った。
 最下段のレコードを入れる前は、比較的100Hzのディップが深い。

 しかし、レコードを最下段に入れた以降は、下記のように100Hzのディップが小さくなった。


 ■23)木製ラック評価2 (2018.4.8)
 木製ラックで中に物を入れていくと定在波ディップが低減できることが判ったので縦方向に高さを増やしたらより効果が上がると予想してラック上にダンボールを置く評価を行った結果、160Hzのディップが若干(2~3db)軽減した。


 ■24)チャンデバの音パルスでの遅延評価(2018.4.22)
 低音のみに使用しているチャンデバCX2310を2231Aに使うと、上の帯域の620Aと同相で接続して音圧が加算できる。

ボイスコイルの巻き方が逆なのに加算される理由を知る為に、トーンバーストパルスの評価を行った。形状と加算の具合で、チャンデバで低音は~半波長の遅延がある。JBL+ALTECの組み合わせで逆相接続する必要が、チャンデバを低音側に使った場合の低音域はないことが理解できた。


 ■25)チャンデバの電気パルスでの遅延評価(2018.5.28)
 上記のことを、電気的なトーンバーストで評価した。40Hz~60Hzでは、ほぼ180度に相当する遅延があることが判った。


 ■26)上記の評価で得たもう一つの成果⇒これは間違っていた。
 ■25)で判った事実として、2405についているパスコンの前後で位相が反転していることが判った。前から620Aに2405を追加した時に同相で強め合っていることが謎だった。パスコンで位相が入力から反転し、2405がボイスコイルが逆巻きなので再度反転し、結果的に入力とは同相になっていたことが判った。

 ■27)■26)での電気パルス評価の再検証(2018.6.6)
 ■26)にアップした電気パルス評価で、パスコン前後で180度位相が変転しているという結果は、音での再検証の結果、間違いであることが判明。パスコンでは位相は反転しない。間違った判断をした原因は正確には判らないが、PCオシロでマイク入力経由で電気的な波形を見ること自体に無理があると現状考えている。

 ■28)2405タイムアライメント逆相評価1(2018.6.6)
 パスコン前後で位相が変わらないことが確定したので、従来同相で接続していた2405を逆相で接続することにしたので、タイムアライメントをやり直した。その評価中に従来のタイムアライメント評価の方法が間違っていることが判明。マイク高さで最適距離が変わることが判ったので、通常聴取距離でのタイムアライメントをやり直すことにした。


 ■29)2405タイムアライメント逆相評価2(2018.6/7、6/13)
 通常聴取位置にマイクを置いて音路差を実際の試聴時と等しくしてタイムアライメントを取った。結果は、左側が26.7cm奥で、右側が27.5cmとなった。(2405を同相で繋いでいた場合は、22cm位だったのでそれからは5cm前後奥になった。)この状態での試聴では、音像がフォーカスがきっちり合った写真のように固定ポイントに収束する。FFTも取ったが40万の法則を満たしている。


 ■30)2405への1次HPFの減衰量評価(2018.7/30)
 0.68μFの2405へのパスコン追加について質問する方への参考として、2405へのパスコン追加(1次HPF)の減衰量をCの容量を変えて減衰量を評価した。結果は下記のように、

 理論的な6db/Octより少し大きい7db/Oct位になった。

 ■31)2405へのPARCAudio製フィルムコン(1.5μF)のパスコン適用評価(2018.8/8)
 ネット等で高評価の上記フィルムコンを2405の1次HPFに適用する評価を行った。FFTでは、

他のメーカー製と同等だった。実際の試聴では、従来最も良いと思って使っているビンテージの双信WTコンと比較したがほぼ同等と評価した。当面切り替えて聴いてみることにした。

 ■32)L型アッテネータ(ATT)のインピーダンス見直し、8Ω系Aを再評価(2018.8/14)
 10.55Ω系のATTを評価した時に音は問題なかったが、矩形波の応答にオーバーシュートが(ヒゲ)あったのが非常に気になっていた。8Ω系ではそれが小さかったので、8Ω系ATTを正規抵抗値で再評価してみることにした。結果はやはり8Ω系の方が矩形波応答のヒゲが小さい。当面8Ω系正規抵抗値版で聴いてみることにした。


 ■33)LP2020A+のダンピング・ファクターDF 実測 (2018.9.1)
 現状使用している2231A+620A+2405系のスピーカーにベストマッチングしているD級アンプLP2020A+のダンピング・ファクターDFを実測した。

 結果は、2.6Ω負荷で改造版でDF=10.1(8Ω負荷換算でDF=31)、ノーマル品でDF=10.6(8Ω負荷換算でDF=32)、出力インピーダンスは、~0.25Ω。

 ■34)604-8Gのアッテネータを固定抵抗化 (2018.9.8)
 巻き線抵抗とブラシを持つアッテネータの劣化で音がぼけるとか薄くなるということがある様なので、固定抵抗に代替した。結果は劇的な効果がありました。改造後の試聴では、音の芯が強固になったような気がする。FFTでも若干右側が改善されていた。(2KHz以上で凹凸が小さくなった。)


 ■35)604-8Gの固定抵抗化後のFFTを現状確認のため取得(2018.9.25)
 以下のように40万の法則にぼぼ近づいた。70Hz以下の低域を2231Aで補充し、12KHz以上の高域を2405で補充している。


 ■36)604-8Gのクロス周波数(1.5KHz)付近のディップ(中抜け)対策(2018.9.30~10.2)
 604-8Gのノーマルのネットワークでは以下の①のように位相反転起因と思われる1.5KHz付近にディップが出来る。

 ネットワークのLF側のCの容量を下げてクロスを高くすることでこのディップを③に示すように軽減し、また同時に1.2KHzのピークも軽減できた。これには、直列に繋いだCのロス分が大きいものを使うこともピーク軽減には効いたと思われる。改造後の聴取位置での620A+2231A+2405のFFTは以下の⑮のように改造前の⑯に比べて赤〇のディップが軽減された。聴感上は、ピーク軽減が効いて若干の耳を刺すような音がほぼ無くなってライブ感が更に向上。

 
 ■37)604-8Gのクロス周波数(1.5KHz)付近のディップ(中抜け)対策2(2018.10.4~10.7)
 前回は、ネットワークのLF側のCの容量を下げてクロスを高くすることでこのディップを軽減したが、CはオリジナルのままでもHF側を逆相接続すればFFTでは1.5KHz付近のディップは無くせることが実験的に確認できたので当面逆相で聴いてみることにした。

 暫く聴いてみましたがボーカルのサ行のきつい目の声でも爆音で聴けますし、尚且つ迫力もあり、HF逆相で固定しようと思います。⇒■38)の評価で採用は止めている。→11/30NWを逆相に再変更した。

 ■38)604-8GのHF逆相型NWのリミッタ効果評価(2018.10.8~10.9)
 前回、HF逆相型NWに固定しようとしたが、リミッタ効果が効いてしまうとのネットの記事があったので、それを確認した。確かにリミッタ効果が逆相NWでは多数波トーンバースト応答の立ち上がりで現れる。以下データより正相型の改造版(■36)での改造)に戻した。但し、多数波トーンバースト応答の立ち下がりでは逆相の方がスパッと立ち下がる。


 ■39)604E、604-8G、604-8HのネットワークのLTspiceによる解析(2018.10/17~10/28)
 直列型ネットワーク(NWと略記)の例として604-E、現状一般的な並列型の例として、604-8GのNWをLTspiceで解析した。

 左側が604-Eであるが、LPFの赤線が1.8KHz辺りから減衰しなくなり、HPFの緑線も1.8KHz辺りから減衰の傾きが緩くなると言う単体のフィルタ特性とは違ってきてしまう。右側が604-8GのNWであるが、これは緑線のLPFも赤線のHPFも単体特性を保持しており水色の合成特性も素直である。並列型に移行したのは納得できる理由があることが分かった。
 クロスオーバーは、604Eで ~1.28KHz(合成波で-13.7db)、604-8Gで ~1.77KHz(合成波で-4db)となっており、604-8Gは、1.3KHz付近のマルチセルラホーンの共振のディップを回避している。604-8Hの2Way仕様の場合は、クロスオーバーは ~1.3KHz(合成波で-1db)であるが、ディップ点は ~2.2KHz(合成波でー3.2db)。

 ■40)JBL4331AとALTEC 620Aのバスレフ効果 (2018.11.19)
 これを確認するため、バスレフポートにマイクを入れたFFTと通常のマイク位置でのFFTを比較した。

 これより、バスレフ効果は、両方40Hz以下と言うことが分かった。

 ■41)ALTEC 620Aの604-8GとJBL4331Aの2231Aのインピーダンス 測定 (2018.11.24)
 低域の特性(fd(バスレフの共鳴周波数)、f0c(箱に入れた場合の最低共振周波数))を把握するために表題のデータを取った。

 上段が620Aに入っている604-8Gのインピーダンスで左①が左側のユニットで、右②は右側のユニットです。下段③④は、4331Aに入っている2231Aです。以下が分かった。
  ①:低い方のピークはfd(=24Hz)、高い方のピークがf0c(=62Hz)
  ②:低い方のピークはfd(=27Hz)、高い方のピークがf0c(=65Hz)
  ③:低い方のピークはfd(=13Hz)、高い方のピークがf0c(=48Hz)
  ④:低い方のピークはfd(=13Hz)、高い方のピークがf0c(=46Hz)

 ■42)604-8Gの低音の遅れ(2018.11.27)
 上記インピーダンスカーブから604-8Gの左側のf0cの遅延は、3.6ms、604-8Gの右側のf0cの遅延は、2.5msとなった。
 バスレフポートの共鳴周波数fdの遅延時間は、以下のトーンバーストの包絡線から算出した。

 ④から右側のウーハーのfdの遅延は立上り19ms、立下り15msになりました。
 同様、左側は、⑧から立上り 25ms、立下り 15msとなりました。 
 口径が38cmであること及びf0c・fdの周波数も低いことを考えるとf0c・fd共に遅延はそこそこ良いのではと思う。

 ■43)JBL2231Aの低音の遅れ(2018.11.27)
  ■41)のグラフより2231Aの左側のf0cの遅延は、3.8ms、右側のf0cの遅延は、5.1msとなります。
  バスレフポートの共鳴周波数fdの遅延時間は、以下のトーンバーストの包絡線から算出した。

 先ずは②の右側は、fd=13Hzの時、立上り 38ms、立下り 38msとなります。④の左側は、fd=13Hzの時、立上り 36ms、立下り 38msとなり、f0c同様左側が若干良い。

 ■44)低音の定在波評価とスピーカー位置見直し (2018.12.6)
 低音の遅延を前回測定したので、定在波にも興味が移って、定在波(以降干渉・反射も含み定在波と記す)評価をちゃんとやり直すことにしました。

 左側は、現状ラックから14cmの間隔②で置いていますが、上記のように間隔を広げていった方が、70Hz~90Hzの定在波ピークが減少するので、ラックから24cmの間隔⑤に変更した。右側も同様の評価をしたが、現状より良い条件は無かった。

 ■45)定在波評価後のルームシミュレーション (2018.12.7)
 上記定在波評価後のスピーカー位置で定在波シミュレーションをやってみました。これは以下の②③の70Hz~90Hzのピークが特徴的なのでこれを再現できるかを目標としました。

  奥行きは、2.64mなのでそのまま入れてみましたが、もう一つなので奥行きを書棚を考慮した1.9mにすると、

 55Hzに鋭いディップがありますが、これは②でも55Hz辺りですので良く似ています。70Hz~100Hzにピークがありますが形が②と良く似ています。奥行は以下の通り2.64mですが書棚があるので短くするとシミュレーションと合ってきます。


 ■46)WaveGeneのゲインと高調波 (2018.12.16/19)
 WaveGeneをゲイン0dbで使っていると高調波が出るということが、”戯れ言葉 音響測定”と言うブログの”MyAudioの音響測定 Part2-1 MyPCのライン入力” というページで示されていた。確認してみたが、高調波は出ていないもののダイナミックレンジが80dbと小さい。これを対策するため、PCを更新した。

 レッツノートCF-NX2に更新したら、①のように1KHzで高調波も無く、ダイナミックレンジも100dbを確保した。

 ■47)604-8GのNWの逆相接続への再変更(2018.12.18)
 10/7にNWの逆相評価をして逆相に暫らくしていたが、リミッタ効果の情報で正相の改造版に戻した。その後、時々逆相で聴いていたのですが、やはり逆相の方が音が良いので11/30に逆相に戻しました。又以下のデータをベースにした。




 ■48)LP2020A+の入力カップリングコンの容量アップで低域端改善 (2018.12.30)
 低域端の周波数特性を改善することができる入力カップリングコンデンサ容量アップをやってみました。結果は、

 LP2020A+のVr最大でないと低域端(~20Hz)でのFFTの改善は確認できないが、改造後は20Hzの高調波が減少していたのでその点の改善はできた。(①④及び②と⑤の差で判断)

 ■49)LP2020A+(赤基板)の入力カップリングコンデンサを容量アップでアンプの入れ替え (2019.1.6)
 LP2020A+(青基板)の入力カップリングコンデンサを容量アップして、高調波が減ったので今回は620A(+2405)の主音用に使っているLP2020A+(赤基板)についてもやってみましたが、評価結果で高調波の減少は前より少なかった。しかしノイズレベルが15db位前回の低音用のLP2020A+(青基板)より大きくなった。S/Nが青基板の方が良いので、従来低音用に使っていた青基板を主音用に、従来主音用に使っていた赤基板を低音用に入れ替えた。入れ替え後のFFT下記。

 これにより、ライブ感が若干向上。

 ■50)LP2020A+の電源OFF時のポップ音対策 完結 (2019.1.10)
 これについては、TA2020内のプリと前段のオペアンプの+オフセットをTA2020のV5Aで同期させる対策を行っていましたが、V5Aをオペアンプの+オフセットにシャントする線に100Ωを噛まして音質(艶)を確保した為にOFF時のポップ音が若干復活した。これを防ぐため復活の原因と考えられる1/2Vdd(6V)を作る分割抵抗2本R30,R31を不要なので外した。

 これにより、電源OFF時のポップ音が全くしなくなった。

 ■51)620Aと4331Aのヘルムホルツ共鳴周波数 (2019.1.12)
  これについては、以下のHPを参照して式を引用し算出しました。
 http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/helmholtz.htm

 結果は、以下のグラフの赤〇で示すようにfdとf0cのど真ん中だった。


 ■52)620Aのバスレフポート深さ評価1 FFT (2019.1.14)
 お節のダンボールが残っていましたのでそれでポートを作りその深さを25cmから無しの2cmまで変化させてFFTを取った。結果は下記のように、重低音を欲しい場合は5cm、そうでない場合は、2cm(開口のみ)が妥当と考えられる。


 ■52)620Aのバスレフポート深さ評価2 FFT (2019.1.17)
 FFTの最適値が深さ2~5cm辺りにあるということが判りましたので今回インピーダンスの周波数依存性を見てみました。

 インピーダンス的に見ると、中央の深さ5cmが左右のピーク高さが同じで最適に見えるがMySpeakerで取ったFFTを見ると、下段のように左端のノーマルが最適となる。604-8GのようなM0、Q0の極端に小さいユニットの場合はアンダーダンピングなポート状態…つまり大きな開口のみでポート奥行きがバッフル板の2cmのみ…で低域のFFTの形が最適化される。

 ■53)620Aの密閉化評価 (2019.1.23~1.29)
 バスレフはそこそこの周波数の低音の音量が手軽に確保できるメリットもあるが、欠点(低音の遅れ、位相の乱れ、低域の歪等)もある。当方は、2231Aで低音を追加できるので620Aもバスレフにする必要性がない。従って620Aを密閉化するためにFFTを評価した。結果は、

 高調波歪は、①(バスレフ)と②(密閉)で有意差はなし。FFTは、①(バスレフ)と②(密閉)の比較からバスレフでは30Hzからストンと落ちるが、密閉では70Hzからゆるい傾斜で落ちていくことが分かった。
 位相については、①のバスレフでは赤〇で囲んだ低域で位相が+135度(30Hz:ー180度だが実際は+180度と思う)からー90度と大きく変化しています。一方②の密閉では+20度からー90度位までしか変化していないので位相の乱れは密閉は差で115度位は小さいと言えます。
 インピーダンスについては、

 グラフ右のバスレフではダブルピーク(fdとf0c)ですが、グラフ左の密閉ではf0cの1ピークになっています。
 暫定で2231A含めて最適化してみると、

  ①は右側のユニットですが、先ずはチャンデバのLFのクロス設定を44Hz⇒60Hzにして見たら30Hz付近がまだ凸ですので、チャンデバのLFのゲインを5⇒2dbへ下げたものでこれで100Hz以下がほぼフラットになりました。
 左側は③と④ですが、上に書いたようにユニット前面の空間が広い関係で低域が加算され難い環境にあるので③のチャンデバのLFのクロス設定を44Hz⇒60Hzにしても20Hzがー7db位は下がっているのでチャンデバのLFのゲインを5⇒6dbへ上げたのですがほとんど変わりません。
 ⇒低音のヴォリュームを上げてチャンデバの上げ代を確保すれば左側でももっと最適化できるので今後やってみます。

 ■54)4331Aの密閉化 Part1 (2019.2.1)
 最終的にオール密閉化を目指し、JBL4331Aも密閉化の基礎評価をした。

 上段は、バスレフで下段が密閉です。グラフ左側が位相と歪ですが、620Aの場合と同様①のバスレフは位相回転が大きく30Hz以下で180度を超えていますが、④の密閉では20Hzから135度に収まっています。高調波歪については、両者に差は見られません。
 右側のFFTを見ると、20~40Hzの傾きで密閉は45度位で上昇しているのに対しバスレフでは70~80度で急上昇しており密閉の方が低域端が伸びるという理論と合っています。このFFTを見て4331Aも密閉化すべきと確信した。

 ■55)4331Aの密閉化 Part2 オール密閉化(2019.2.4)
 620Aに続いて4331Aも密閉化評価したので、両方駆動した場合の最適化を行った。

 左側のユニットのチャンデバの低域ゲインの最適値が+2dbであることを確認した後、右側のユニットのゲインの最適値を調べたのがこのグラフで右側のユニットのチャンデバの低域ゲインの最適値が-4dbであることが②で判る。④で両方のユニットの最適値でのFFTを見ると低域がフラットに調整できていることが判る。

 56)JBL4331Aの密閉化 Part3 ~620Aの密閉完璧版~ (2019.2.7)
 今回は620Aのバスレフポートを2.4cm厚の木の板と2cm厚のEVA樹脂で塞いでいた場合のFFTと最終的な最適条件を確認することにしました。

 ①は 左(L)側で赤〇で囲んだ低域はほぼフラットです。②は 右(R)側でこれは左側よりフラットになっています。③は①で2231Aを切った場合で、70Hz以下が綺麗にー10dbになっていますが、①と比べることで2231Aが丁度ー10db分補っていることが判ります。
 ④はステレオにした場合で、低域はドフラットです。⑤はステレオで位相と高調波歪です。位相は20Hzで 0度でそこから周波数の上昇に従って降下していく回転量の少ない理想的なカーブと思います。
 また下段の高調波歪もFFT比+40db表示と言うことを考慮すると低域が高いと言っても20Hzで-20db(10%2次青線)、-25db(5.6%3次緑線)ですので良好です。

 ■57)JBL4331Aの密閉化 Part4 ~4331AのEVA樹脂~ (2019.2.9)
 620Aでは、木の板とEVA樹脂の2種類の密閉材を使い、効果がコンパラであることを確認した。そうであれば、4331AもEVA樹脂で塞げば完璧な密閉化が期待できます。

  ①は右側を今日取り直したFFT、②が左側ユニットのFFT、③は低域のみのステレオのFFT、④はステレオの場合です。④は前回のサプリ容器をウレタンシートでシールしたもの(上記■56)の④)と同じで低域はフラットで全体もバランスが良いFFTと思います。従ってサプリ容器とEVA樹脂の密閉性はコンパラです。

 ■58)JBL4331Aの密閉化 Part5 ~4331Aの密閉インピーダンス~ (2019.2.13)
 JBL4331Aを密閉化したので、インピーダンスの周波数依存性を測定しました。

 左側のグラフが、サプリ容器+ウレタンシートで密閉化した場合のインピーダンスで、上段が右側のユニットでf0C=40Hz、下段は左側のユニットでf0C=42Hzですので右側の方が、2Hz低いです。典型的な密閉の1ピークでピークの形も密閉度が取れているのを表すようにシンメトリーで乱れもないです。
 右側のグラフが、オリジナルのバスレフで前にも紹介しましたようにバスレフの典型的な2ピークです。バスレフポートの共振周波数fr=12Hz程度、f0C=46Hz~48Hz程度です。これも右側のユニットの方がf0Cで2Hz低いのは密閉と同じです。

 ■59)JBL4331Aの密閉化 Part6 ~620Aの密閉インピーダンス再トライ~ (2019.2.16)
 4331Aについて密閉度が完璧(サプリ容器+ウレタンシート)であればインピーダンスカーブも綺麗な形になることが判った。ということで、620Aについても密閉度を改善すればインピーダンスカーブが綺麗なシンメトリーになるかトライした。

 バスレフの開口を塞ぐのに木+ウレタンシートとコンパラなFFTを得られたEVA樹脂でマッチングボックスの開口を塞いだ。これでfrのピークは全くなくなった。シンメトリーになっており密閉度が上がっていることが判る。f0cは、右側=58Hz,左側=53Hzと見た。
 
 ■60)JBL4331Aの密閉化 Part7 ~4331Aの密閉化のQ、Cms~ (2019.2.19)
  4331Aの密閉化後のインピーダンスカーブが測定できたので、スピーカーの共振の鋭度を表す指標Qと動きやすさを示すコンプライアンスCmsを求めてみた。

 上段が右側ユニットで、下段が左側ユニットです。REは、RE=RdcなのでテスターでDC Rを測定した値です。Mmsは、JBL公表の2231AのM0=151gを使っています。
 右側は、Qts=Q0c=0.32ですので結構Qは低いことが判ります。Cmsも0.1mm/Nなので、サスも硬めです。
 左側は、Qts=Q0c=0.41ですので右側よりは高いですがQは低い方です。Cmsも0.1mm/Nと下限値レベルなので、サスも硬めです。
 JBLのデータシートを見ていたら、2231AのフリースペースのQes=Q0=0.22となっていたので、4331Aの箱に入れることによって0.1~0.2弱アップしていることが判った。4331Aは比較的大きい箱なのでアップ率も小さい。

 ■61)JBL4331Aの密閉化 Part8 ~620Aの密閉化のQ、Cms~ (2019.2.21)
 620AについてもQ,Cmsを出してみました。

 上段が右側ユニットで、下段が左側ユニットです。REは、RE=RdcなのでテスターでDC Rを測定した値です。Mmsは、上記図面集で公表の604-8GのM0=59gを使っています。
 右側は、Qts=Q0c=0.25ですので4331AよりQは低いことが判ります。Cmsも0.13mm/Nなので、サスも硬めです。
 左側は、Qts=Q0c=0.27ですので右側よりは高いですがQは低い方です。Cmsも0.15mm/Nなので、サスも硬めです。
 エレクトリのALTECエンクロージャー図面集ではQes=Q0=0.23となっていたので、620Aの箱に入れるとQ0C(Cはキャビネットの略と思う)となりQ0CはQ0より上がりますが、620A箱は大きいので上昇率は8%~18%レベルで620Aより箱が小さい4331A(上昇率=45%~86%)よりは少ないです。

 ■62)LP2020A+のオーバーシュート対策 ~SBD追加1 LT SPICE~ (2019.2.25)
 LP2020A+については、オーバーシュート対策でSBD(ショットキーバリアダイオード)を追加する改造をしている例があります。今回はそれを追加する意味があるのか少し考えてみました。TA2020のデータシートでは、オーバーシュート・アンダーシュート対策はSBDを出力回路に追加することであるが、Vddから吊る方は、Vdd> 13.5Vのアプリケーションにのみ必要と記載している。ACアダプターのDC出力の実測は12.34Vであったので、Vddからのオーバーシュート用SBDは不要。LT SPICEで簡易的に1電圧源(BTLは本来反転アンプもあるので2電圧源)で矩形波評価してみると、SBD有り無しで有意差はない。


 ■63)LP2020A+のオーバーシュート対策 ~SBD追加2 改造後~ (2019.2.28)
 SBDを赤基板に追加改造して軽く評価してみました。AMAZONで格安のSBDを見つけて発注しました。20個送料込みで157円と格安。中国のHomylという店からの輸送ですので、AirMailですが発送から28日も掛かっています。

 Vf=0.245VですのでVFM(MAX)=0.6V のスペック内。改造後の基板裏は、

 4本のSBDが1点アースでハンダ付けされています。特性は、

 上段が、改造前で左側がSP端子のR(右側)の矩形波で、右側がSP端子のL(左側)です。①と③の比較では、③の改造後が若干オーバー/アンダーシュートが大きいですが、②と④の比較では、逆に④の改造後が小さいです。このレベルの差は有意差はないと思います。
 これまでの改造を纏めると、
 ①ポップ音ON対策  :SPリレー用電解コン変更 220μF⇒470μF(東信工業UTWRZ、低インピーダンス品)
 ②ポップ音OFF対策 :C29の+とTA2020の8ピン(V5A)とを100Ωをはさんでジャンパー線で繋ぐ。100Ωを入れることにより、音に艶が出る。(みやけDENKIのブログ参照)
 ③C29の容量UP   :100μF⇒1000μF(ニチコンKA)へ変更。バイアスパスコンC29が標準の100uFのままだと、重低音が痩せてしまう。容量UPは、電源余裕拡大及び、ノイズ低減にも効果がある様です。(100ΩとC29でRCフィルタを形成。LPFでfc=16Hz⇒1.6Hz化)。(みやけDENKIのブログ参照)
 ④電解コンの容量UP :2200μF⇒10000μF(ニチコンKA)へ変更。電源余裕拡大:パルス的な音のダイナミックレンジを拡大したり、重低音の強化。
 ⑤プリアンプのゲイン低下 :入力抵抗Rinの15KΩを、帰還抵抗Rfbの22KΩと同じ、22KΩに変更する。これにより、ゲインが、3.3db低下し、NFB量が増えて、歪が減少することを1台目のように期待したが、2台目の改造では歪は変わらない。(みやけDENKIのブログ参照)
 ⑥低域端での周波数特性改善:入力カップリングコンデンサを2μFから50μFに増加させた。低域端ゲイン低下は未確認だが、低域の高調波は減少した。
 ⑦ポップ音OFF対策追加 :②を行うことで若干のポップ音が復活したので、これを無くすために1/2Vdd=6V設定用の10KΩ抵抗2本R30,R31を外した。
 ⑧オーバーシュート対策 :出力回路にアンダーシュート対策のSBDは付いていますが、オーバーシュート対策のSBDは電源電圧<13.5Vの場合は不要ということで省略されていた。これを追加した。簡易評価では追加の効果は見られないが、SBD追加で音が静かになるというブログもある。

 ■64)LP2020A+のオーバーシュート対策 ~LT Spice改良~ (2019.3.5)
 前にLT Spiceで解析したときは、1電圧源の簡易解析でした。今回は、BTL方式に対応して、2電圧源(1系統につき、TA2020はBTL方式で順方向ラインのアンプと反転方向ラインの2アンプがある)でシミュレートしてみました。

 1電圧源での前回の解析と同様で、左からSBDを上下に付けた場合、中央の現状の下のみSBDを付けた場合も右のSBD無しの場合も、オーバー・アンダーシュートは同じです。この結果からは青基板は改造した方が良いかは悩みますね。Vddから吊るしたSBDを追加しても改善はしないということですので。

 ■65)604-8Gの同軸ツイータ共振対策~R(右)側~
 去年の8/21に1.2KHz付近にマルチセルラホーンの共振と思われるディップを発見しアップした。その後8/26のアップでホーン上に重りを300g程度置くことで共振のディップが減少することを確認した。今回は重りをどの程度まで重くしたらディップが解消されるかを確認し重りを設置することまで行った。重りを付けないノーマル状態では下記①のように1.2KHzに大きなディップがある。

 ②で228gの荷重でディップが1/2位に減少し、③④で更に荷重を増やすとディップは更に減少することが判った。

 GOOブログは3万字/件がMaxで、纏めはこれでストップ。
 
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