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オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

ダーク・ビューティ ケニードリュートリオ

2021-10-16 10:42:00 | ジャズ
 以前ハードバップの真っただ中のケニードリュートリオを紹介したので、今回はジャズがアメリカから世界に飛躍した70年代にケニードリュートリオが記録した名盤ダークビューティをアップします。
 10/17青字追記 今クラシック音楽館を聴いています。今日はショパンコンクールのレジェンド。10:37位に流れたのは、ショパンが弾いていた時代の東京タカギクラヴィアにある1843年フランス製ピアノのプレイエルで川口成彦さん(2018年第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール第2位)が弾く”別れの曲”。ショパン自身が最も美しいと語っていた曲。当時のピアノは現代のスタンウェイのように完璧ではない。彼はスタンウェイは純度100%の純水でプレイエルは川の水だと上手い例えをした。雑味を帯びているが何とも寂し気だが暖かい音色を聴かせてくれる。彼はショパンの声が聴こえると言ってた。川口さんが感情がこみ上げると言っていたフレーズからは確かに感情が湧き上がってくる。他のピアニストで少し前に流れた「24の前奏曲 作品28」の4番も僕の大好きなマイナー曲。Prelude in E Minor (Op. 28 No. 4)ですが、これ’70年代のFMの”アスペクトインジャズ”のテーマ曲。ジェリーマリガンのバリトン・サックスだったんです。アルバムは”Night Lights”。今夜は聴いてみようかな。
 11/3赤字追記 10/17のクラシック音楽館を録画していたのを改めて見ました。「24の前奏曲 作品28」を弾いていたのは、2002年来日した当時60歳のポリーニでした。ピアノはポリーニが何時も帯同してくる愛用のFabbrini Steinwayでした。2016年4月来日では、ファブリーニさん自身も来日してFabbrini Steinwayを直々に調律されたようです。オリジナルよりゴージャスな音を聴かせてくれます。どんな改造をしているんでしょうね。また番組の最後に小山実稚恵さんがポーランドのショパンの生家で2010年に弾いた”ラルゲット”が心に沁みました。そこにあったのがスタンウェイ。プレイエルで弾いて欲しかったのは私だけでしょうか?確かに純水のような澄んだ音色と力強さを共存できる完璧品なんですが・・・・

■1)ヨーロッパに渡ったケニードリューとスティープル・チェイス
 61年にパリに移住し、62年〜64年頃にデンマークのコペンハーゲンに住み着いてからは、コペンハーゲンのクラブ「モンマルトル」を本拠地にして専属ピアニストとして活動した。
ケニー・ドリューの”ダーク・ビューティ”は”イフ・ユー・クッド・シー・ミー・ナウ”と同じ1974年5月21日、22日に、同一メンバーのニールス・ヘニング・エルステッド・ペデルセン(b)、アルバート・トゥッティ・ヒース(dr)のトリオでスティープル・チェイスからリリースされた。
スティープル・チェイスは1972年に、当時コペンハーゲン大学の学生であったニルス・ウインターが立ち上げたジャズ専門レーベル。 「70年代のブルーノート」と騒がれることになるが、丁度日本ではスリーブラインドマイスが1970年に設立され、’73年のブローアップ(鈴木勲)や’74年のミスティ(山本剛)を華々しくリリースしたのと同時代に活躍した。

■2)ダーク・ビューティ
 CDのジャケットは、

 ブラックビューティという感じの凛々しいアフリカ系女性の顔が美しい。
曲は、
1.Run Away
2.Dark Beauty
3.Summer Night
4.All Blues
5.A Feliccidade
6.It Could Happen To You
7.Love Letters
8.Silk Bossa
9.Blues Inn
10.In Your Own Sweet Way
11.A Stranger In Paradise

■3)ダーク・ビューティのどの曲がお気に入り?
 一番のお気に入りは、やはり1曲目のRun Away。イントロのペデルセンのピチカートのカッコいいこと。その後のドリューのアドリブも将にブラックフィーリング。ファンキーでブルージーで乗りに乗ってます。昔の深夜TVの11PMの中で、巨泉のあるコーナーのテーマ曲だった。良く見てました。ペデルセンとの息もピッタリ。ペデルセンとのインタープレイを楽しむのもこのアルバムの楽しみ方。
 他には7曲目のLove Letters。イントロのペデルセンのピチカートはまるでギターのように軽やか。そこから怒涛のドリューのソロ。良いですね。バラードですが軽快曲にしています。
 意外にボサノバもドリューは良いんです。5曲目のA Feliccidade。これもイントロのペデルセンのピチカートはもの悲しいというか物憂い。しばらくペデルセンの爽快なギターのように軽々と弾くピチカートプレイを楽しむ。それに続くドリューのソロも乗ってます。これゴリゴリと言いますが凄いスインギー。このプレイがフェードアウトするのが非常に残念。最後まで収録してくれよと思いますね。
 ボサノバでは8.Silk Bossaも良いです。
 更にもう一曲というところでは、6.It Could Happen To Youがお気に入り。ドリューのアドリブが熱い。ペデルセンはここではサイドメンに徹しています。ドラムとの4バースも変幻自在でグルービー。
 表題曲の2.Dark Beautyは他の曲とは違って厳かな感じ。イントロのアルコのペデルセンが印象的。ブローアップの”アクアマリーン”のムードに似ている。深く沈潜するピチカートも良いねえ。”アクアマリーン”を真似たなんてことは無いと思いますが。3.Summer Nightも似たようなムード。
 10.In Your Own Sweet Wayのアドリブも勿論素晴らしい。

 最後にドラムのアルバート・トゥッティ・ヒースのプレイですが、プレイ自体はアタックの強いドリューのピアノにタイミングよくアクセントをつけていて良いのですが、惜しむらくはドラム音がペタペタ・パタパタするのが残念。もっと弾むドラムなら更に良かったと思う。名盤には変わりはないのですが・・・4.All Bluesでの後半のドラムソロは凄い。左右へビュンビュンスティックが動き回ります。
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ケニードリュートリオ

2021-09-22 15:14:56 | ジャズ
 大学時代にケニードリューのルビー・マイ・ディアーが流れているのをFMで聴いてこのLPを入手して良く聴いていました。当時のお気に入りの曲でした。
 9/24青字追記 今日『チコちゃんに叱られる!』を漫然と見ていたら、家電の話が出てきてオーディオのコンセントの極性の話題になった。コンセントの左がコールド側で右がホット側という説明があって、オーディオ(多分アンプと音源(CD・ネットワークプレイヤー等)かな?)でこの極性(プラグを刺す方向)で音が異なるという説で、極性を変えて2曲聴いてどちらの極性が音が良いかを被験者3名で20歳代、30歳代、40歳代が聴いて答えるものであった。1曲目はベートーベンの運命で2曲目はビートルズだった。どちらも後で鳴った方が極性が合った良い音で正解だった。当方も後で鳴った方が高域が澄んでいると感じたので合格だった。40歳代のみ両方間違えていたが、私は66歳だが高域はまだ大丈夫のようです。知人のブルームーンさんもこのことは言及しておられたしネットでも出ていますね。

 ■1)ケニー・ドリュー
 ケニー・ドリュー (Kenneth Sidney "Kenny" Drew、1928年8月28日 - 1993年8月4日)は、ハード・バップ・ピアニストの一人。アメリカ合衆国ニューヨーク出身。5歳の頃から母親にクラシック・ピアノを習う。メロディアスかつ優美なタッチで米国で活躍したが、60年代以降はヨーロッパ及び日本で人気を集めた。 息子のケニー・ドリュー・ジュニアもジャズ・ピアニストとして活動している。

 ■2)ケニードリュートリオ
 若きケニー・ドリューの名盤として知られる1956年9月20日、26日N.Y.C.録音盤。LPジャケットは以下

 スイングジャーナル選定のゴールドディスクの帯が付いています。懐かしいな!70年代後半にリバーサイド盤が復刻された際の一枚。当時のドリューは後年のヨーロッパでのスタイルとは少し違って黒人特有のブルースに根差した明確なラインと強力なタッチ、粘りとエモーションに支えられた歌心を持ってプレイしている。後のダークビューティー等とは大分違いますね。これぞハードバップのピアノトリオという感じかな。

 ■3)ルビー・マイ・ディアー
 この曲は、セロニアス・モンク作曲で、モンクがお姉さんマリオンの友人のルビーに恋をしてそのルビーに捧げた曲である。表面的には流麗な美しいメロディで、聴いている分については良いが、コードの流れが複雑で実際演奏しようとすると凄く難しいプレイヤーにとっては難曲です。
 色んなジャズメンが取り上げていますね。それぞれの感想は、
 ①モンク:これは’69年の映画”ストレートノーチェイサー”の中のプレイが短いですが良いです。モンクにしては、軽やかに流れるようにプレイしており恋心を爽やかに表現して好感が持てる。ソロモンクでの同曲は訥々過ぎる感じがします。
 ②マッコイ・タイナー(’75年のアルバム”TRIDENT”):少し饒舌過ぎると思うが、タイナー流のゴージャスで流麗なプレイが楽しめます。
 ③トレーン:これは師と仰ぐモンクと共演したもので、”セロニアス・モンク・ウィズ・ジョン・コルトレーン”(’57年4月~7月)のプレイ。モンクは淡々と語るように個性的なのに対し、トレーンは先ずはストレートに1STアルバム風に吹くが、アドリブでは適度に音数を増やしビートを細かく刻むシーツオブサウンドを聴かせてくれます。
 ④カーメン・マックレー:’88年8/14 のNewport Jazz Festival のがclearな声でゴージャスに歌ってくれているのが良いですね。テナーのソロも中々のものでしたが。
 ⑤今回のケニードリュートリオ:タイナーのように饒舌でもなく、モンクのように訥々としたもどかしい恋心を表すでもなく。抑制が効いているが深いエモーションを抱いた初恋の人への思いをあくまで粛々と抑制的に或いは客観的に表しているのが愛おしい感じがします。

 ■4)ケニードリュートリオの中で気になった曲
 サイドメンは、マイルスのグループに当時居た、ベース:ポール・チェンバースと、ドラムス:フィリー・ジョー・ジョーンズです。
 当時のマイルスコンボのリズムセクションに上手くインスパイアーされてブルースフィーリングに支えられた粘りとエモーション、さらに力強いタッチなどがすでに聴かれ、好演を聴かせてくれる、名盤と思います。私は、1と3と5と6がお気に入りです。

1.キャラヴァン(D・エリントン&ファン・ティゾールの合作4:51):イントロは、ドラム⇒ベース⇒ピアノ。テーマに移ってからは、一気にアドリブの世界へ。パウエル流の流れるようなアドリブ。疾走感が心地よい。リズムセクションはフィリーの煽り方が凄い。煽られたドリューが熱狂的に疾走する。これぞハードバップって感じ。

2.降っても晴れても(ハロルド・ア―レン作曲6:03):ピアノイントロから直ぐにテーマに。エヴァンスのリリカルな同曲とは違ってコミカル&ファンキータッチで陽気に弾き切る。いかにもハードバッパーと言う感じ。ドリューの3コーラスのソロ後のチェンバースの1コーラスのピチカートもいつも通りノリノリ。

3.ルビー、マイ・ディア(セロニアス・モンク作曲5:41):ピアノソロの印象的なイントロがあってテーマへ。リズムセクションが入ってからは一気に華麗なドリューのアドリブの世界へ。アドリブは淡々として且つ清楚で美しい。

4.ウィアード・オー(K・ドリュー作曲4:01):ピアノの軽快なイントロからテーマへ突入。アドリブはバップテイストの切れの良いアドリブ。チェンバースのアルコも軽やかに弾きこなす。ドラムとのオンテンポの4バースを経てエンディングへ。これぞドリュー節って感じ。

5.テイキング・ア・チャンス・オン・ラヴ(ヴァ―ノン・デューク作曲4:37):いきなりのピアノテーマからアドリブが3コーラス。その後の1コーラスのベースのピチカートも定番の安定性で弾きこなす。ドラムとの4バースもお決まりのように気が利いている。エンディングではドラムが1発入ってアクセント。

6.星に願いを(ピノキオの挿入歌リー・ハーライン作曲5:13):テーマのピアノイントロから厳かに。そこからは夢見るようなスイートな気分の美しいアドリブ。リズムセクションが入ってきてここからは華麗でゴージャスでリリカルなアドリブを聴かせてくれる。エンディングはベースに沿われてスイートに

7.ブルース・フォー・ニカ(K・ドリュー作曲5:24)ケニーのオリジナル:ファンキーなピアノイントロより。リズムセクションが入ってきてブルースフィーリング溢れる深い情感の籠ったアドリブに。その後ベースのピチカートソロがスインギーなウォーキングベースを聴かせる。テーマに戻ってブルースコードを軽やかに披露してエンディング。

8.イッツ・オンリー・ア・ペイパー・ムーン(ハロルド・ア―レン作曲6:22):軽快なミディアムテンポのテーマよりアドリブへ。アドリブはアイデアも豊富で引き出しは幾らでもあると言う感じ。途中、流れるような速いパッセージも時に交えファンキーでスインギーなソロが聴ける。次のチェンバースのピチカートもノリノリで時折入るピアノのリズムが上手く隠し味で効いているしフィーリングが粋だ。お決まりのフィリーとの4バースが入ってテーマに戻ってエンディング。
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ジャズの教科書 ~When October Goes~山中千尋

2021-08-27 21:24:22 | ジャズ
 ジャズの教科書を6年位前に入手した。それなりにためになったが、その本にCDが付属していてそれに5曲入っていた内の1曲が以前紹介した山中千尋の”Just In Time"でビバップ風の小気味良いアドリブが気に入った。詳細なジャズに準拠した曲の説明も本に載っていた。
 8/29 青字追記 今日クラシック音楽館の8/15分を録画したのを見ていました。武満徹さんの歌を特集していましたが、大友良英さんが進行役でした。彼がいたNHKのスタジオの調整卓の後ろの壁に埋め込まれていたモニタースピーカーが日本音響エンジニアリングの12’φダブルウーハー採用のNES-211Sでした。市販されているNES-211Sは縦長型ですが、NHKのスタジオのは4355のような長方形で横長に埋め込まれていました。日本音響エンジニアリングのHPではこの横長型のが該当事例として埋め込み型で映っています。例えば”放送局 多目的ホール 副調整室”にて。長方形型は市販しているのかな?またオリジナルのソフトドーム・ミッドレンジユニットが何だか魅力的ですね。口径100mmでクロス350Hz。2420のロー側は500Hzまで引っ張っているのでちときつい。故に4331Aに付けたいな。これ欲しいですね。
 9/3赤字追記 日本音響エンジニアリングのHPのカタログをダウンロードしたらNES-211Sには異形の3タイプがあることが判明。通常の縦長がタイプ(T)、長方形の縦長型は(V)、長方形の横長型は(H)でした。NHKのスタジオにあったのは横長型でツイータがウーハーの間にあるのでタイプ(H)、でした。(タイプ(V)はウーハー間には何もないので長辺が100mm短いが短辺が60mm長い)番組の中では”死んだ男の残したものは”が印象に残った。谷川俊太郎の詩に武満がメロディを付けたものでヴォーカルは七尾旅人。大友さんのエレキの伴奏が男の魂の叫びなのか戦争の喧騒の残像なのか?多くの歌手によりカバーされていますね。
 9/4 緑字追加 車イステニステニス男子で国枝選手が2大会ぶり3度目の金。おめでとう!最初の2ゲームがお互いブレークされるという異常な展開。3ゲーム目を取れたのが勝因。ポーカーフェイスに隠れた闘志が溢れていた。車イステニスの面白さを堪能できた。エフべリンクとは9勝0敗の戦績で、今日も6:1、6:2のセットカウント2:0で勝ったが内容は白熱していた。第二セット第5ゲームではエフべリンクの171km/Hrのサーブを軽々とリターンしてポイントを取った。神業。国枝選手は将棋を嗜む(外国選手はチェスだそうです)というが2手3手先を読むのに役立っているのだろう。エフべリンクのサーブやショットも読めているように感じた。国枝選手は1つの技術を習得するのに3万球を打つと聞く。世界ランキング1位というのはダテではない。特に印象に残ったのはエフべリンクを左右に振っておいて最後ネットに出て相手の逆を取ったボレーでポイントを冷静に取ってた事。綺麗で華麗なポイント。テニスの王道。2セット目の8ゲーム目でのそれが印象に残っている。またエフべリンクがアングルショットを打っても素早いチェアワークでこれホンマに追いつくの?という球に追いついて、更にカウンターのアングルショットで逆を突いてポイントを取る。これも神業。剛腕でパワーショットの得意なエフべリンクがダウンザラインの2m奥に下がらざるを得ない位国枝選手のショットが押し込んでいた。エフべリンクは2セット目の後半にエンジンがかかったが時既に遅かった。昨日ダブルスで国枝・眞田組がエフべリンク・スヘファース組(オランダ)に敗れて銅メダルは逃したが今日は雪辱できた。しかし昨日のエフべリンク組は国枝組をミスの差で打ち負かしたので今日は大丈夫かなと正直不安だったが全く杞憂だった。国枝選手はガットにテープを張っている。それには”俺は最強だ”と”スマイル☺”の2つが書いてあるという。これを張れるというのは自分に自信があるということ。☺も彼の人柄が判りますね

 ■1)ジャズの教科書 目次
 これは以下の本で、学研の2014年9月13日発行のGakken Mook Get Navi特別編集大人のたしなみシリーズに入っています。

 コルトレーンが表紙に来るのは妥当ですかね。

 SCENE1 :7人のジャズジャイアンツ ①バード ②マイルス・D ③S・モンク ④コルトレーン
                     ⑤B・エバンス ⑥E・ドルフィー ⑦K・ジャレット
 SCENE2 :ジャズとは何か? ①ジャズの魅力と愉しみ方 ②ジャズの歴史を知る

 SCENE3 :ようこそ!ジャズ喫茶へ ①ジャズ喫茶はもう怖くない! ②ジャズ喫茶を代表する、老舗の名店
                   ④ジャズ喫茶の新しい風    ⑤復興の街のジャズ喫茶 
 SCENE4 :ジャズ・ライブへの招待 ①ライブハウスの愉しみ方・指南 ②ライブで聴きたい、日本のジャズ・ミュージシャン達
 
 最後の方に基礎的なものですが”ジャズ用語集”があります。これを知っているとジャズの理解がぐっと深まります。

 ■2)ジャズの教科書 付属CD
 このCDにはには 5曲 収録されています。拘りぬいた、浪速のジャズ・レーベル 澤野工房の名演です。

  その5曲は
   ①”Just In Time" 山中千尋 ②ムース・ザ・ムーチェ ロバート・ラカトシュ ③ダンス・オブ・ザ・フェイコウィース サヒブ・ハシブ
   ④ビューティフル・フレンドシップ ウラジミール・シャフラノフ ⑤マイ・フェイバリット・シングス トヌー・ナイソー
  ①がアップテンポでビ・バップテイストの山中千尋さんのアドリブが素晴らしいのでこの曲の入っているCDを入手しました。⑤も印象派の絵画を見ているような幻想的で詩的な演奏でお気に入りです。

 ■3)~When October Goes~
 それがこのアルバムです。ジャケットは

 僕は、アップテンポのCD2曲目”Just In Time" がお気に入りです。解説を少し参照すると、曲は56’のミュージカル”ベルズ・アー・リンギング”の主題歌。キース・ジャレットの演奏も有名。本人のコメントによれば、レコーディング終了後にアフター・アワーズ的に寛いだ雰囲気で行った演奏とか。変に緊張とかせずにプレイしているのでリラックスしてご機嫌にスイングする演奏になっています。最初は余興と言う感じでスタートしますが、途中から本気モードのビ・バップライクなアドリブが炸裂、山中節連発。またベース(Larry Grenadier / ラリー・グレナディア)の音がしっかり少し強過ぎとも感じる位音圧が高いですが、プレイの方も神童P・チェンバースを思わせる小気味よいテンポのウォーキングというよりランニング・ベースを楽しませてくれます。
 その次にお気に入りは、CD3曲目の”Paint My Heart Red” です。これは何と言っても本家本元キース・ジャレットの阪神大震災トリビュートのソロが心に染み入るのですが、山中さんのトリオもすっきりとまとめていると感じます。この2曲から考えると山中さんはキースが好きなんじゃないかな・・・
 もう1曲というと、CD8曲目”When October Goes”です。これは’84年のバリー・マニロウの曲ですが、何故バリー・マニロウ?という人も居ますが僕は山中さんが好きな曲なら良いのではないかと、また非常に情感の篭った素晴らしい演奏と思います。
 またオリジナリティという意味からは、4曲目の”八木節”がアップテンポなテーマから始まって怒涛のアドリブを聴かせてくれてスリリングです。
 更にCD1曲目のTaxi(山中さんオリジナル)もアドリブの多彩さでお気に入りです。刺激に溢れたNY.と言う町でタクシーに乗っている気分ですかね。
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Settin’ The Pace ジョン・コルトレーン

2021-03-25 01:28:15 | ジャズ
 プレスティッジの作品では”スタンダード”が一番お気に入りですが、このアルバムも捨てがたい魅力があります。隠れた名盤だと思います。
 3/26青字追記 先程迄読売TVで”バイオハザード”を見ていました。デジタルチャンデバ+620A+2405Hで聴いているとド迫力の音が楽しめる。デジチャンを低Q(0.642)にすることで音の弾みが出るが、更にウーハーを(R側ウーハー遅延=16.1cm、L側ウーハー遅延=14.4cm)同軸に対し遅らすことで更に弾み感が増す。これは以下の赤●緑●のウーハー遅延0の場合の2つのパルスが遅延設定で1つにまとまることで生じると考えまていす。バイオハザードでは、ゾンビをマシンガンで撃つ音や蹴り倒すシーンやゾンビがドアをブッ叩き蹴破る音がリアルになる。


 ■1)この頃のトレーン
 トレーンのこの頃のアルバムを並べると

 となりますが、”セッティング・ザ・ペース”は、’58年3月になるので、1年前モンクの元で音楽や奏法を学びドラッグとも手を切った。その直後、’57年7月には神の啓示を受けて気力体力が充実していた時期です。その自信と余裕が演奏に如実に現れています。又”ソウル・トレイン”の”ロシアン・ララバイ”でシーツ・オブ・サウンドの萌芽をみせた~1か月後です。この頃のハードバップから一段階ジャンプアップしてシーツ・オブ・サウンドを色々と試しているテイストが僕の一番お気に入りのテイスト。

 ■2)音楽の好みと音楽スキーマの関係 ~”最新音楽の科学がよくわかる本”(岩宮 眞一郎 著)を参照~
 横軸を音楽の複雑さとして、縦軸を個人的な音楽の好みとすると逆U字型になる。高度な音楽家ならこの山の頂点が普通の人より右に行く。高度な音楽スキーマが形成されているような音楽好きだと一般人が理解できないよいうな音楽を好みます。私は山の少し手前に”ハードバップ”があり少し過ぎた所に”シーツ・オブ・サウンド”や”モード”があるような感じですのでこの頃のトレーンが合っています。もっと右にはフリージャズ。クロード・シャノンの情報理論的に言うと横軸の音楽の好みとはある事象の確率で縦軸はエントロピー(下のグラフは事象が2つのケース)です。

 縦軸は音楽の好みですが、これは脳科学的には好みを誘発する原因物質はドーパミンということなのでドーパミンの発生量とも相関があるのでしょうね。吹き出しは私の独断と偏見に基づいたものですのでいい加減です。横軸の音楽の複雑さの例としては、メロディの展開は確率で表現できるのでメロディとピッチ変化の確率が挙げられます。ピッチ間の推移の様子は、マルコフ・チェインで表現できるとされ、これを使って例えばコンピュータでも作曲ができるようです。

 ■2)”セッティング・ザ・ペース”のジャケット
 ジャケットの表は、

 トレーンのブローの写真で、CDと裏側は、

 
 ■3)”セッティング・ザ・ペース”の感想
 この時代のプレスティッジの作品では上記一番のお気に入りの”スタンダード”や”スターダスト”とほぼ同じテイストを持っていますが、何と言っても他の2枚(トランペットが入る)と違って”ワン・ホーン”。綺麗過ぎなコルトレーンをじっくり聞きたいなという時に最適な1枚。
 メンバーは、JOHN COLTRANE(ts), RED GARLAND(p), PAUL CHAMBERS(b), ARTHUR TAYLOR(ds)
 お馴染みのマイルス・グループのリズムセクションとの録音。シーツ・オブ・サウンドの完成途上、日々進化を続けていた頃の作品がまた良い。
 1曲目は”I SEE YOUR FACE BEFORE ME”。温かみのある包み込むようなトーンのテナーが堂々とスローバラーズをプレイ。感情過多ではないが、知性と感性のバランスを上手く取っている。吹く所は吹き、抜く所は抜く。ペースの掴み方を理解したよう。正に”セッティング・ザ・ペース”ですね。神童チェンバースのアルコプレイがノスタルジックにたゆとうように流れる。’58年とステレオ最初期の古い録音ですがアルコ(ピチカートも)の音がオーディオ的に言っても良い音で撮れています。そこも聞き所。RVG録音はラッパ以外の録音が良くないと言いますが、ピアノは確かにオフマイク的で弾まず良くないが、ベースはそうでもない
 2曲目は”IF THERE IS SOMEONE LOVELIER THAN YOU”。ミディアム・テンポの軽快曲。”スタンダード”で言うとやはり2曲目の”I’LL Get by”とほぼ同じテイスト。この頃のアドリブが中途半端にシーツが入っているが良い。又チェンバースのピチカートのウォーキングも軽快。
 3曲目は、”LITTLE MELONAE”。ジャッキー・マクリーンが愛娘の為に作った曲。マイルスの「1958 Miles」 のB面の2曲目、CDならば5曲目にも収録されている。コミカルなテーマとピアノソロの後、トレーンが、悪魔がのた打ち回るような凄みのあるアドリブを展開するがこれが聴き所。アドレナリンが放散する。音楽に直向に取り組み心技体が充実していたと思わせるプレイ。チェンバースのピチカートソロの受け方も上手いし、ドラムソロも短いが秀逸。
 4曲目の”RISE 'N' SHINE”はアップテンポ。爽快に快速で走り抜ける。ここでのトレーンのアドリブも豊かなアイデアで流れるように美しい。思わず身体がスイング。ガーランドのソロも同じく流れるように良い感じ。最後の4バースもスインギーで皆乗っている。ある人がソニー・ロリンズの"Work Time"の2曲目"Paradox"を思い出すとブログで言っているが、この頃のロリンズは有無を言わさぬドライブ感があり、最高の演奏だと思っているというのも同感。でも私は"Paradox"と"It's All Right With Me "の中間的な感じと思う。’56年のテナー・マッドネスの頃トレーンはパーカー派アドリブの頂点となったロリンズを当初の目標としていた。尚トレーンがロリンズ流から決別したのは’56年の半ばで、テナー・マッドネス(’56年5/24)がロリンズ流の最後です。他のあらゆる試み(フリージャズ等)は誰かが既に取り組んでいた。故に彼がロリンズ流から決別するにはシーツ・オブ・サウンドしか無かったとも言えます。
 4曲とも水準を超えるレベルの良い出来になっている。
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ザ・ビリーヴァー(ジョン・コルトレーン)

2020-12-12 11:57:29 | ジャズ
 前回は’60年の”マイ・フェイヴァリット・シングス ”でしたが、今回は2年前の”ザ・ビリーヴァー”です。これも隠れた名盤といえるのではないでしょうか。
 12/17 青字追記 今年の大阪梅田のグランフロント大阪北館のX' masツリーはバルーンをイメージ。ツリーは「下回り」バーナーなどが搭載された部分。全体像は、

 気球のアップ

 ツリーは、

 時間が経つと色がブルー系からピンク系へ

 幻想的な感じです。高さも気球のトップで~10m位かな・・・


 ■1)当時のコルトレーン
 ’57年モンクのバンドで演奏し接触したことで、自身を更に飛躍させた後、マイルスのグループに入ってレギュラーになり自己のスタイルを確立した。

 そして’58年には、”セッティン・ザ・ペース”や、本アルバムや”ブラックパールズや”スターダッスト”等でシーツ・オブ・サウンドを発展させる。ダウンビート誌が初めてトレーンの為に大きなスペースを割いたのも’58年でそのコラムの中でアイラ・キドラーが”シーツ・オブ・サウンド”という形容を始めて使って話題となった。プレスティッジのお得意なランダムに近い編集によって本アルバムと同一セッションの曲が他のアルバムにも収録されている。1月のセッションのラッシュ・ライフや、12月のセッションの5曲は”BAHIA”や”スターダスト”に収録されている。

 ■2)ザ・ビリーヴァー
 表は、テナーサックスを吹いているトレーン。まさにブローイングセッション中って感じです。

 中のノーツは、

 曲は
 1 ”THE BELIEVER”                         13:47    1958/1/10
 2 ”NAKATINI SERENADE”                     11:01    1958/1/10
 3 ”DO I LOVE YOU BECAUSE YOU’RE BEAUTIFUL”   5:13     1958/12/26
 メンバーは、 1958/1/10は、
 トレーン(ts)、ドナルド・バード(tp)、レッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、ルイス・ヘイズ(ds)
 1958/12/26は、
 トレーン(ts)、フレディ・ハバード(tp)、レッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)

 ■3)私の好きな曲

 一番お気に入りは、何と言っても ”NAKATINI SERENADE” ですね。軽快なこのラテン調に聴こえる曲をトレーンは哀愁を帯びたテナーで吹いていく。メロディーを良く唄うコード進行をベースとしたハードバップ奏法に適度に”シーツ・オブ・サウンド”を織り交ぜたこの時代のトレーンのスタイルがお気に入り。アルバムの制作姿勢が打算的・ラフ・ご都合主義等と言われるがプレスティジがたまたまというかこの時期のトレーンのこのスタイルをよく収録しているのは、幸運なことかもしれない。ドナルド・バードのペットも期待通りに輝くように美しい。心に響きます。

 次に来るのは、 ”THE BELIEVER” 。ミディアムテンポのこの曲のテーマの後、3:09にトレーンが入ってくる。D・バードの吹き終わる瞬間、”もう待ち切れない”という絶妙なタイミング。トレーンの気合を感じる。そこからは一気に”シーツ・オブ・サウンド”の魔物がのた打ち回る。モーダルな”シーツ・オブ・サウンド”の世界。モダンジャズの真髄を聴いたという感じ。トレーンの長い怒涛のソロが楽しめる。トレーンと他のプレーヤーのスタイルの差が余りにも大きいのでそのコントラストを楽しむという楽しみ方もある。トレーンはこの時孤高。執拗なまでのフレーズの反復・部分修正・部分変化を繰り返す際に、そのデフォルメを”シーツ・オブ・サウンド”で表現する様は感動モン。これがカッコいい。しかし、アドリブが神がかっている反面、飽きると言うのではないが、正直鮮烈な故に、情報量が大きいので真剣に聴くほど疲れる。

 最後の ”DO I LOVE YOU BECAUSE YOU’RE BEAUTIFUL”。このバラードもこの頃の定番でトレーンはアドリブは加えずストレートで吹いている。フレディ・ハバードの出始めた頃、トレーンに負けない美しいバラードを聴かせる。
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