Tito Gobbi - Dicitencello Vuie
ティト・ゴッビはマリオ・デル・モナコと共に来日し、ヴェルディ「オテッロ」で白熱の名演、性格俳優ともいうべきアクの強い表現の上手いバリトンときく。
もちろん、昔のことであり、この公演を聴いたのは、ずっと後の時代、DVDであった。
この動画はゴッビの若き日の録音録画である。この歌はナポリ民謡「君に告げて」。
美しい司会者に魅了されたのか、ゴッビは甘い表情で歌うという映画だったのだろう。
しかし、この映画とは違って、ゴッビの真骨頂は、強烈な性格を歌うことにおいて、声の表情の音色を変えるところなど時には憎々しいほどだった。
ヴェルディ「リゴレット」「アイーダ」のバリトンの役は、その声の表情の中に、もうひとつ別のことを考えているのを明らかにする、聴き手としてはその強烈な個性にはまってしまう。
かつて私と同じコンサートに出演した、当時二期会の若手バリトンに「ゴッビをどう思うか」ときくと、「私はゴッビは素晴らしい偉大なバリトンと思うが、あのアクの強い表現はちょっと・・・。バスティアニーニやカップッチッリだったら喜んで」と答えた。
イタリアではゴッビは「カップっチッリと共に、声については6番目のバリトンだ。」というのをきいたことがある。
声として偉大なのはタッデイだ、それから・・・声そのものについてはゴッビやカップッチッリは「6番目」だというのだ。
「しかし、一番素晴らしい」・・・・・。
ゴッビの素晴らしさを知るにはヴェルディのオペラを聴くのが最適、でもそれらの役は大変重い悲劇なので、ロッシーニ「セヴィリアの理髪師」のフィガロを歌っている動画をどうぞ。
≪私は町の何でも屋≫・・・散髪屋さんだけれど、町のいろいろな相談を受け付けます、ああ忙しい、「フィガロ!」「フィガロ!」ってあちこちから・・・ちょっと待ってくださいよ、すぐに参りますから。という楽しい名場面。
Largo al factotum - Tito Gobbi
ティト・ゴッビはマリオ・デル・モナコと共に来日し、ヴェルディ「オテッロ」で白熱の名演、性格俳優ともいうべきアクの強い表現の上手いバリトンときく。
もちろん、昔のことであり、この公演を聴いたのは、ずっと後の時代、DVDであった。
この動画はゴッビの若き日の録音録画である。この歌はナポリ民謡「君に告げて」。
美しい司会者に魅了されたのか、ゴッビは甘い表情で歌うという映画だったのだろう。
しかし、この映画とは違って、ゴッビの真骨頂は、強烈な性格を歌うことにおいて、声の表情の音色を変えるところなど時には憎々しいほどだった。
ヴェルディ「リゴレット」「アイーダ」のバリトンの役は、その声の表情の中に、もうひとつ別のことを考えているのを明らかにする、聴き手としてはその強烈な個性にはまってしまう。
かつて私と同じコンサートに出演した、当時二期会の若手バリトンに「ゴッビをどう思うか」ときくと、「私はゴッビは素晴らしい偉大なバリトンと思うが、あのアクの強い表現はちょっと・・・。バスティアニーニやカップッチッリだったら喜んで」と答えた。
イタリアではゴッビは「カップっチッリと共に、声については6番目のバリトンだ。」というのをきいたことがある。
声として偉大なのはタッデイだ、それから・・・声そのものについてはゴッビやカップッチッリは「6番目」だというのだ。
「しかし、一番素晴らしい」・・・・・。
ゴッビの素晴らしさを知るにはヴェルディのオペラを聴くのが最適、でもそれらの役は大変重い悲劇なので、ロッシーニ「セヴィリアの理髪師」のフィガロを歌っている動画をどうぞ。
≪私は町の何でも屋≫・・・散髪屋さんだけれど、町のいろいろな相談を受け付けます、ああ忙しい、「フィガロ!」「フィガロ!」ってあちこちから・・・ちょっと待ってくださいよ、すぐに参りますから。という楽しい名場面。
Largo al factotum - Tito Gobbi
フィガロはなんて楽しい役でしょう、でもただ楽しいだけでなく、ナポレオン派であったロッシーニはこのフィガロに体制破壊の強烈なダイナミズムを表現させてる気がします。
フィガロ役とダンディーニ役のふたつのバリトン役はロッシーニの分身、そして輝ける民衆の代表です。
ゴッビのフィガロは素晴らしかったですね。
でもカラスは自分の「カミソリ」のような鋭い感性を、そのままにヴェールで覆うこともせず、「これでもか!」と
歌っているのに「慢心」を感じました。
カラスがほかのベルカントオペラを歌っているのでは
音楽への「献身」でしたが、これはまさしく「慢心」
カラスはゴッビを押しのけて「プリマドンナオペラ」のように、歌ったのです。実況録音のCDでしたが、
ショックでした。
ゴッビはインテリですので、ロッシーニのオペラはなんであるかちゃんと知っています。
そしてそれがやがてヴェルディのオペラにつながっていくことも、感じます。
「セヴィリアの理髪師」はスカラでレオ・ヌッチのも聴きましたが素晴らしかったです。
今は亡きテッラーニのロジーナもかつてのシミオナートの気品を受け継ぐものでした。