★ このヴェルディのオペラは大変な衝撃であった。
そしてシモンを歌う巨匠カップッチッリの晩年の名唱に震えるほどの感動を得ました。
ヴェルディのバリトンは「アッティラ」のエツイオ、「ドン・カルロ」のロドリーゴ・ポーザ卿のように、
その優れた声や技巧だけでなく「一身をかけて歌うヒロイックな」ところがあります。ミラノスカラの実演の動画をどうぞ。
Verdi - Simon Boccanegra 1975 - Abbado Scala
★ 都市国家ジェノヴァは2つに分裂し、またライヴァルの都市国家であるヴェネツイアと不和な状態だった。
これは史実であり、総督シモンは実在の人物である。
ジェノヴァは内乱を繰り返してきた。総督のシモン・ボッカネグラは民衆を説得する。
シモンには20世紀後半イタリア最高のバリトン、カップッチッリが歌う。(シモンの娘を歌うのはソプラノのフレーニ)
【民衆】
復讐だ!復讐だ!
凶悪な殺人者の血を撒き散らせ!
【総督シモン・ボッカネグラ】
(皮肉に)
これが民衆の声なのか?
遠くでは嵐の雷鳴のようであったが 近くでは
女と子供の叫びではないか アドルノよ
なぜ剣を振るう?
★ youtubeはここからです。
ジェノヴァの分裂と内乱を防ぎ、地中海周辺やアラブの脅威から護ろうとします。
【総督シモン・ボッカネグラ】
(力強く)
兄弟殺しよ!
平民たちよ!貴族たちよ!引き継ぐ者たちよ
恐ろしい歴史を!
憎しみの相続者よ
スピノーラとドーリアの
幸せに諸君を招いているというのに
この広い海の王国が
諸君はこの兄弟の地で
互いの心を引き裂き合っているのだ
諸君のために私は泣こう 穏やかな
諸君の丘の上の光のもとで
そこでは空しく芽吹いているのだ
オリーブの枝が
私は泣こう 偽りの
諸君の花の祭のために
そして私は叫ぼう 平和を!と
そして叫ぼう 愛を!と