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自衛隊の「いずも」を生み出した米支配層の野望 櫻井ジャーナル

2018-12-06 06:43:02 | 八百長戦争
自衛隊の「いずも」を生み出した米支配層の野望(1/2)  櫻井ジャーナル 2018.12.05
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201812050002/

 2015年に就航した海上自衛隊の「いずも」は艦首から艦尾まで平らな「全通甲板」を有し、その外観は2014年にアメリカ海軍が就航させた強襲揚陸艦「アメリカ」を連想させる。そうしたこともあり、当初から垂直離着陸が可能なMV22オスプレイやステルス戦闘機F-35Bの離発着が想定されていると言われていたのだが、その推測は正しかったようだ。



 本ブログでも繰り返し書いてきたが、F-35は高額低性能な戦闘機で、「空飛ぶダンプカー」とも呼ばれている。2015年1月にカリフォルニア州のエドワード空軍基地近くで行われたF-16戦闘機との模擬空中戦では完敗している。攻撃してきた戦闘機を迎え撃つには不適ということだ。

 唯一のセールスポイントはステルス性能だということになるが、これを生かすためには敵の艦船や基地に近づいて攻撃するしかない。そのステルス性能も宣伝されているほど高いかどうかは不明だ。

 今年(2018年)9月17日にシリア沖でロシア軍の電子情報支援機IL20が撃墜された直後、ロシア政府はその責任がイスラエル側にあるとして防空システムS-300 PMU-2をシリア軍へ引き渡した。イスラエル軍はF-35を保有しているのだが、それ以降、イスラエル軍によるシリア攻撃の話は聞かれなくなった。F-35がS-300に撃墜された場合のダメージを憂慮しているとも言われている。

 MV22オスプレイはネオコン系シンクタンクPNACが2000年に発表した報告『米国防の再構築』で導入を求めていた航空機。ネオコンに操られていたジョージ・W・ブッシュ政権はこの報告に基づく政策を実行していた。強襲揚陸艦「アメリカ」もネオコンの主張に基づいて設計されたようだ。(つづく)


自衛隊の「いずも」を生み出した米支配層の野望(2/2)  櫻井ジャーナル 2018.12.06
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201812060000/

 PNACの報告は1992年2月に国防総省のDPG草案という形で作成された世界制覇プランがベースになっている。旧ソ連圏だけでなく西ヨーロッパ、東アジアなどを潜在的なライバルと位置づけ、それらが台頭することを阻止、膨大な資源を抱える西南アジアを支配しようとしている。ロシアの属国化を前提として東アジア重視、つまり中国の押さえ込みが打ち出された。

 このプランが作成された当時の国防長官はリチャード・チェイニーだが、作成の中心は国防次官だったポール・ウォルフォウィッツ。そこで、ウォルフォウィッツ・ドクトリンとも呼ばれている。なお、2001年に始まるジョージ・W・ブッシュ政権ではそれぞれ副大統領と国防副長官を務めた。

 アメリカの属国である日本もウォルフォウィッツ・ドクトリンの影響を受けている。唯一の超大国になったアメリカは国連を尊重する必要はないと考えて単独行動主義を打ち出したが、日本もその方向へ動く。

 1993年8月にスタートした細川護煕政権は軍事戦略の作成を「防衛問題懇談会」という諮問機関に指示、細川首相が辞任した4カ月後の94年8月に「日本の安全保障と防衛力のあり方」が発表される。いわゆる「樋口レポート」だ。

 ところが、この報告を呼んだネオコンは怒る。国連中心主義の立場から作成されていたからだ。その当時、国防大学のスタッフだったマイケル・グリーンとパトリック・クローニンは日本が自立の道を歩き出そうとしていると主張、ジョセイフ・ナイ国防次官補らに自分たちの考えを売り込んだとされている。

 そして1995年2月にナイは「東アジア戦略報告」を発表、そこから日本はアメリカの戦争マシーンへ組み込まれていく。その延長線上に安倍内閣は存在する。


 この間、21世紀に入る頃にウラジミル・プーチンがロシアを再独立させることに成功、ウォルフォウィッツ・ドクトリンの前提は崩れるのだが、それでもネオコンは世界制覇プランを放棄しない。アメリカは唯一の超大国であり、ロシアには対抗できないと信じたようだ。

 そうしたアメリカ支配層の判断を示していると思われる記事がある。アメリカ支配層の機関誌的な存在であるフォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号に掲載されたキール・リーバーとダリル・プレスの論文だ。

 この論文ではアメリカ軍の先制第1撃でロシアと中国の長距離核兵器を破壊できるようになる日は近いと主張されている。つまりアメリカはロシアと中国との核戦争で一方的に勝てると信じていた

 この論文が発表された2年後、アメリカ支配層の判断が間違っていることを示す出来事が引き起こされた。2008年8月にジョージア軍が南オセチアを奇襲攻撃したのだが、反撃してきたロシア軍に粉砕されてしまったのだ。

 ジョージアは2001年以降、イスラエルの軍事会社から無人飛行機、暗視装置、対航空機装置、砲弾、ロケット、電子システムなどを含む武器/兵器の提供を受け、軍の将兵は軍事訓練を受けていた。2008年1月から4月にかけてはアメリカの傭兵会社MPRIとアメリカン・システムズが元特殊部隊員を派遣している。

 つまり、南オセチアに対する奇襲攻撃はアメリカやイスラエルが周到に準備した上での作戦だった。この時に衝突したジョージア軍とロシア軍の規模は同程度。この時点でアメリカ軍やイスラエル軍はロシア軍に通常戦で勝てないことが明らかになったのである。その後、シリアでの戦闘でもロシア軍は戦闘能力の高さを見せつけている。

 それでも軍事的な恫喝でロシアを再属国化しようとしたのがヒラリー・クリントン陣営であり、ロシアとの関係修復を訴えたのがドナルド・トランプ陣営だった。2016年の大統領選挙でトランプが勝利するが、大統領に就任した後、支配層の好戦派はCIA、FBI、有力メディアを使ってトランプを攻撃、操ろうとしている。相当程度、成功したようだ。

 イギリスの長期戦略はユーラシア大陸の内陸部を周辺部から締め上げていくというもの。おそらく19世紀から、遅くとも20世紀の初頭に作成された。それをアメリカ支配層は踏襲している。明治以降の日本はこの戦略に沿った動きをしている。

 現在、自衛隊はアメリカ軍に従い、東シナ海や南シナ海で活動している。これは米英の長期戦略に合致、中国が推進している一帯一路を潰すことにもつながる。アメリカ支配層は中国が公海を自由に航行することを阻止する仕組みを築こうとしている。そうした動きの中で「いずも」も建造された。(了)



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