華氏451度

我々は自らの感性と思想の砦である言葉を権力に奪われ続けている。言葉を奪い返そう!! コメント・TB大歓迎。

ものは言いよう

2007-06-11 23:32:04 | 非国民宣言(反愛国心・反靖国など)

 貧乏ヒマなし状態も、いよいよ病膏肓に入りつつあるらしい。公私ともに細かな(しかも結構しょうもない)用事がこれでもかというほど山積みで、立ち食い蕎麦を掻き込む日々……。電車の中ではいつもウトウト寝てるような気もする。よくぞ乗り越さないものだ(一種の習性で、降りる駅が近づいたあたりで目が覚める。小心者の証明か)。疲労している時の常で、毎晩浅い眠りの中で膨大な夢をみたりもする(と言うよりむろん、正確に言えば目覚めても鮮やかに夢を覚えている)。昨夜はとうとう、仕事の資料を紛失して探し回る夢までみてしまった……何とまあギスギスとリアルな夢であることか。そのうち夜逃げの夢もみるかも知れない。

 パソコン立ち上げてもメールのチェックと仕事の処理で手一杯、自分のブログ開いたのも3日ぶりぐらいだ。TBくださった方、ありがとうございます。まとめて読ませていただきます。

 毎度の愚痴はこの辺にして……気分転換?を兼ねて少しばかり、頭をよぎったことをひとつだけメモ書きしておこう。

◇◇◇◇◇◇

 皆さんも始終経験なさることと思う。「ものは言いようだよなあ……」という驚き――眼が点になるというか、一瞬言葉を失うというか、開いた口がふさがらない思いを。

 たとえばストーカー行為は受けるほうには迷惑千万なわけだが、「好きで好きでたまらず、つい付きまとってしまいました」と涙ながらに言えば何となく同情を買ったりする。児童虐待が「しつけ」だったり、レッキとした侵略が「聖戦」だったり……。

 これもひとつの典型例。

【久間章生防衛相は7日午前の参院外交防衛委員会で、集会やデモの情報収集を認めた上で「(自衛隊の活動に関し)市民団体などの動きが国民全体の中で非常に多くなれば止めようとか、少なければ堂々とやれるとか、その判断材料になる。世間の動きを正確に把握することは悪いことではない。皆の動きを情報収集するのを悪いと思うこと自体がおかしい」と述べた】(琉球新報記事より抜粋)

 上記の発言は書いてあるように7日のもので、記事もそのすぐ後のもの。だから皆さんとうに御存知だと思うが、私は最近、情報のキャッチがいつも一拍ずつズレる感じなのである。で、今頃「よく言うよ」感で唖然としているというわけだ。

  ふうん……「民意」を虚心坦懐に受け止めるために情報収集したということですか。つまり「そんなことやっちゃ困る」という声が大きければ、反省して止めようということですか。じゃあ、どんなふうに判断したのか明確に示して欲しいものだ。今回は特にイラク派兵についての動向が主な監視対象になっていたわけだが、反対する声はあまり大きくない、国民の大多数は賛成しているのだと判断したわけですネ。いったいどこからそういう判断が出て来たものやら。

「監視」を情報収集というのも、「ものは言いよう」のうち。平家の陰口をきく者がないか眼を光らせて歩いた「赤袴のかぶろ」の活動も、入道相国清盛に言わせれば情報収集だったんでしょうねえ……。

 情報収集なんて言えば聞こえはいいけれども、水のように透明で公正無視の情報収集なんてあり得ない。ジャーナリズムの取材活動も、ある意味の偏見から免れ得ないのだ。ちなみにここでいう偏見は、必ずしも悪い意味ではない。人間誰だって、自分の眼を通してものを見、自分の思想信条や感性を背景にしてものを考えるのは当然のことではないか。普通使われる意味の「偏見」は極力廃する努力をすべきだとしても、自分の思想や感性まで無色透明にすることはできないし、またそんなことをする意味もない。そのことを我々は常に念頭に置くべきだと私は思う。

 自衛隊(私は国軍だと思っているが、いちおう自衛隊という名称を使っておく)は何のためにあり、そして何のために「情報収集」するのか。問題はその一点にある。言葉にゴマカされまい。

◇◇◇◇◇◇

 ほんともう、変に賢いエライサンにはかないません。いくらでも綺麗に言い換えることができる。その頭の良さを別の方面に生かしていただければ、もうちょいと世の中住みよくなると思うんですけどねぇ。

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2 コメント

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はめてお金もらえたwww (さわだマックス)
2007-06-13 00:46:49
はめまくって感謝されて報酬をもらえるだなんて、こんなオイシイ世界があったんだなww ttp://cutie7.net/beauty/
自衛隊派遣反対の理由 (組合員A)
2007-06-14 17:58:04
イラク戦争の際のこれを考えてみたいと思います。
多くの人が反対した理由は、「余計な戦争に首を突っ込むな」という意味だったと思われます。
集団的自衛権の問題でもそうですが、これを通すことにより犠牲になるのは自衛隊員です。アメリカのエゴ戦争のために日本人同胞が犬死にする必要などない、私もそう考えておりました。
ところが自衛隊はそのような人たちを「反自衛隊」と定義づけました。
もう結構です。地の果てで泥水すすってアメリカのために死になさい。もう私は同情しません。

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