華氏451度

我々は自らの感性と思想の砦である言葉を権力に奪われ続けている。言葉を奪い返そう!! コメント・TB大歓迎。

麻生太郎様――あなたはパシリになりたかったのですね

2006-02-02 02:06:10 | 現政権を忌避する/政治家・政党
ファミリー メンタル クリニックさんのところで、杉村太蔵センセイのブログが取り上げられていた。ここまでひどいと抱腹絶倒、NHK受信料支払い拒否どころではない、税金払うのを拒否したくなる。太蔵センセイは真面目に書いておられるようだが、基礎部分が変な場合、真面目さというのははた迷惑になるという典型。あまりにおもしろかったので、自民党の他のセンセイ方のHPも少しだけ覗いてみた。見た限りでは中身もないがソツもない優等生作文が結構多かったが、太蔵センセイ同様の傑作もあって、寄席に行くより笑えたりする(笑ってる途中で頬のあたりが凍るけれども)。その代表格、麻生太郎センセイのHPから――

【小学校の頃、子供の間で一番デカイ顔をしていたのは誰でした?。喧嘩の強い子だったんでは有りませんか。じゃ教室の中で一目おかれていた子はどんな子でした? そりゃ勉強が出来た子に決まっています。(略)しからば逆に、子供の間で、イジメラレていた子はどんな子でした?。喧嘩は弱い、勉強も出来ない、だけど金持ちの子、しかも成金の子供が、一番イジメラレて居たんじゃありませんか。(略)。喧嘩が強いのが軍事力。勉強ができるのが文化力。そして金持ちが経済力と、置き換えて見て戴くと、国際政治が少し見えて来るんじゃ有りませんか。 冷戦崩壊後、世界で最も強い軍事力をもった国はと言えば、間違いなくアメリカでしょう。文化水準の一番高い国はと訊かれれば、それは多分フランスという事に成ります。そこでイジメラレッ子は…? というと、やはり日本に成って来るんじゃ有りませんか。(略)隣り席に危なっかしいのが居るとなれば、守ってくれるのは、自力で出来ないので有れば、ケンカの強いのと仲良くするのは、子供でも知っている生活の知恵ではないでしょうか】

日本の外務大臣は、要するに「番長」にくっついて、パシリになるのが日本の生きる道だと仰せられているのだ。喧嘩が強くないだけでなく勉強もできないから、番長の腰巾着になるしかないよ、とおっしゃっているのである(こういう発言聞いたら、多分、右のかたがたもカンカンに怒るだろうなあ……日本文化を馬鹿にするなーッ!と)。イジメの問題を痛みをもって考えることなく、イジメられないための「生活の知恵」を探ることにやっきになり、さらにその知恵を外交問題に応用しようとは……ああ、もう「日本人」やめたい。

フランスの文化水準が世界で最も高いというのも、噴飯もの。いや、フランスの文化には私も敬意を払っている(好きな作家や思想家も結構多かったりする)のだが、文化というのは「どこが高い、どこが低い」と優劣をつけるものではあるまい(余談――そんなふうに線引きする視線こそが私の敵だ)。少数民族の文化も、そして言語も、等しく尊重し、敬意を払い、それに対して打ち震えるような感受性を持たない人間に、世界を語る資格はない。ああ……やっぱりもう、日本人やめたい……。査証のない旅へと旅立ちたい……と、限りなく滅入ってくる(また酒量が増える。ああ、私が依存症になる前に、この座標を少しでも揺らがせることができるのだろうか)。

小泉政権の――いや、「すべての小泉的なもの」に「ノン」を宣言し、「アンタの考えていることは、土台の部分が間違っているのだ。間違った土台の上に築かれた建物は、どれほど華麗で堅牢に見えようとも、所詮はマヤカシに過ぎない」と私は叫ぶ。「世界の中心で愛」など、叫びたくない。涙過剰の物語は、コマーシャリズムに首まで浸かった感情のガス抜き装置。そんな安手の感傷と絶縁し、私は「しらっとした顔で、トンデモナイことを言う者達」への怒りをはぐくみつつある。

(また酔っている……このところ妙に多忙できっちり休みがとれなかったのだが、2日・3日は久しぶりの連休。浮かれて本に淫しながら、ついでに半ば妄想めいて“世界”というものを考えていた。かなり酔いが回ってきたので今日はここまで)
コメント (13)
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