トランプ米大統領いうところの”チャイナ.ウィルス”発源地、湖北省武漢地域での新型コロナ,ウィルスの1日の感染者数が2か月ぶりにゼロとなった。完全にウィルスが終息したわけでなないが、まずは人類にとっては朗報である。とくに隣国のわが国とっては胸までとはいかないが、安堵の気持ちはある。
わが家でとっている新聞には出ていなかったが、武漢で新型ウィルス発生の報が伝えられた直後、わが国から中国に対して「山川異域 風月同天」と書かれたマスクなどの支援物資が大量に届けられた。奈良時代の唐の学僧、鑑真の漢詩からの借用だそうだが、同じ自然界に住む者同士という意味だ。これに対して中国外交部スポークスマンは”お互いに頑張りましょう”と日本語のツゥイタ―で返してきている。
このウィルス騒ぎで春に予定されていた習近平主席の訪日は両国完全合意の下で延期された。やむをえないが、逆にウィルスをめぐる情報交換などを通じて接触が深まってきた。10年ほど前、福田康夫政権から民主党鳩山政権時代にかけて日中間の戦略互恵関係が盛んに言われた。中国で北京五輪(2008年)や上海万博(2010年)が開催されていた時代である。今、振り返ってみると、はたして両国にとって”戦略互恵”であったかどうかはわからない。
しかし、トランプ大統領が”チャイナ.ウィルス”と蔑視する時代である。10年前とは違う。米中間の貿易摩擦がここまで来ている。どちらかにコミットせよというわけではないが,隣国との戦略的互恵関係を再検討する時期ではある。