「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

国家管理の大正時代の伝染病病院

2020-03-05 07:28:32 | 2012・1・1
世界の空前絶後のパンデミックスといわれる「スペイン風邪」から今年は101年目だが、「コロナ.ウィルス」の大蔓延に触発されて、当時の日本人の対応はどうなったのか、亡父(1887年ー1969年)の遺品の日記を探したが見当たらず大正14年(1925年)のが出てきた。日本でも39万人が死亡したといわれる「スペイン風邪」から7年目だが、父はインフルエンザではないがチフスに罹り1か月、東京白金の伝染病院に入院していた。

戦前の時代は伝染病が身近な存在だった。国民病といわれた結核を筆頭に記憶にあるだけでも赤痢、疫痢、コレラ、チフス、ペストetc。子供心に覚えているが、東京では毎年梅雨時に一斉の予防注射が実施された。会場には制服の警察官が立ち会っていた。

亡父は大正14年2月初め頃から37℃代の微熱を繰り返し続き咳やタンが止まらないため、検査したら3月7日血清からチフス菌が発見された。10日には”巡査と町史がドヤドヤと家にかけつけ患者専用の狭い不気味な車に押し込まれた”。”病室は壁も天井もすすけた灰色で、鉄のベッドが二つ備えてあった”

阿倍総理が新型コロナウィルスの拡大を受けて非常時宣言ができる特別措置法について野党と協議しているが、こと国民の生命に関することであり、国家の存在にも影響する問題だ。一日も早く法律を成立させ、国家管理の下で流行を抑え込まなくてはならない。