「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

"桜の花ののっぱら” 敗戦の年の”お花見

2020-03-21 16:18:24 | 2012・1・1
新型コロナ.ウィルス騒ぎで今年は三連休のお花見時なのに例年と違い、自粛ムード名所どころも人出が少ないらしい。テレビの画面で見たら、公共の場所での禁止区域表示が多く、花見客はマスクをして遠くから花を愛でてるだけだ。昨日、折角の花日和、家人に誘われたが、今一つ乗り気にならない。

加齢と共に頭の中は”行く末”よりは”来し方”の方が多くなってくる。北朝鮮がまたぞろ短距離弾道ミサイルを日本海に向けて発射した。世界中が新型コロナ.ミサイルの感染拡大に"恐々”としているのに、ミサイル坊やは何を考えているのだろうかと思い来し方の戦争中花見の季節の頃、何をしていたのか想起してみたが、全く記憶がない。

ネットを検索したら作家の坂口安吾が敗戦の年の花見時上野の山に花見した時の随筆を残していた。「緋毛氈、出店もない。桜の花の野っ原をピュピユっと風が吹いて行く」。亡父の4月1日の日記には”疎開方づけをしていたら戸外はいいつの間にか梅桃桜が満開になっていた。3日の日記には、便所の汲み取り作業をするとあった。花見どころではなかった。写真は近くの桜の老木の根元に咲いた一輪。

”チャイナ.ウィルス" 日中の新戦略互恵関係構築を

2020-03-21 06:11:48 | 2012・1・1
トランプ米大統領いうところの”チャイナ.ウィルス”発源地、湖北省武漢地域での新型コロナ,ウィルスの1日の感染者数が2か月ぶりにゼロとなった。完全にウィルスが終息したわけでなないが、まずは人類にとっては朗報である。とくに隣国のわが国とっては胸までとはいかないが、安堵の気持ちはある。

わが家でとっている新聞には出ていなかったが、武漢で新型ウィルス発生の報が伝えられた直後、わが国から中国に対して「山川異域 風月同天」と書かれたマスクなどの支援物資が大量に届けられた。奈良時代の唐の学僧、鑑真の漢詩からの借用だそうだが、同じ自然界に住む者同士という意味だ。これに対して中国外交部スポークスマンは”お互いに頑張りましょう”と日本語のツゥイタ―で返してきている。

このウィルス騒ぎで春に予定されていた習近平主席の訪日は両国完全合意の下で延期された。やむをえないが、逆にウィルスをめぐる情報交換などを通じて接触が深まってきた。10年ほど前、福田康夫政権から民主党鳩山政権時代にかけて日中間の戦略互恵関係が盛んに言われた。中国で北京五輪(2008年)や上海万博(2010年)が開催されていた時代である。今、振り返ってみると、はたして両国にとって”戦略互恵”であったかどうかはわからない。

しかし、トランプ大統領が”チャイナ.ウィルス”と蔑視する時代である。10年前とは違う。米中間の貿易摩擦がここまで来ている。どちらかにコミットせよというわけではないが,隣国との戦略的互恵関係を再検討する時期ではある。