”友遠方より来る楽しからずや”ーである。昨日、新型ウィルス騒ぎで蟄居しているわが老夫婦の許にに半世紀来の友人、T夫人が訪ねてきてくれた。T夫人は僕が学校を出て駆け出し時代の親友で20年前早逝したT君の夫人である。現役時代は保育園の園長をされていたが、今は独立されたたお子さんたちから離れ一人、郊外の集合住宅に住まわれている。
T夫人は傘寿88歳であるがお元気である。毎朝自宅近くの玉川上水の早朝ラジオ体操に参加、日頃は地域のエッセー文集発行を主宰する傍ら亡くなった、ご主人の専門のイタリア語を勉強されている。そのT夫人には二人のお子さんがいて6人のひい孫さんがいるのがご自慢だ。ほぼ共通の年代だが、僕ら夫婦には一人もいないので羨ましい。
僕ら夫婦とは日常、メールと電話でやり取りしているが、T夫人は僕ら夫婦が持たないスマホを駆使しており、ひい孫さんの写真を手品師みたいにしてみせてくれた。T夫人は僕らと違って要介護の認定は受けていないが、バッグに白い十字とハートの付いた赤色の「ヘルプ.マーカー」を結んでいた。外出の機会の多い、T夫人にとって、このマーカーがあれば、老人優先席の若い人も席を譲ってくれるのだという。
88歳、スーパーおばあちゃんから教わることが多い一日であった。