「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

松の内 昔より盛んになった七草粥(かゆ)

2016-01-08 05:54:19 | 2012・1・1

早くも昨日で正月の松の内は終わった。しかし、街を歩くと、まだ門松の絵をそのままにしている家がある。昔は1月7日が終わると、一斉に門松を撤去したものだが、だいたい最近は「松の内」という言葉自体が死語になってきた。それと共に昔あった書初め、鏡開きなどの行事もすたれてきたが、「七草粥」だけが逆に都会では盛んになってきた。

わが家でも、子育てや転勤で忘れていた「七草粥」の行事を数年前から老妻が復活させた。昨日も狭い家の庭から、春の七草のハコベとナズナとホトケノザ(写真)を摘んできて、足りない分はスーパーで一金380円を払い一式セットを買ってきた。夕食にその「七草粥」を食べたが、昔、亡母(明治26年東京生まれ)が作ったものと違い、お粥のなかにお餅が入っていない。

正直言って七草粥は美味しいものではない。僕には想い出の中にあるだけだ。戦前、まだ戦争が激化しない昭和のはじめ、わが家では亡母が近くの原っぱから七草を摘んできて、台所でまな板の上に置き、包丁で調子を取りながら七草の俚謡を歌ったのを想いだす。”唐土の鳥が日本の土地へ渡らぬうちに七草、なずな........"姉さんかぶり、割烹着姿のまだ若かった母親である。

信濃の善光寺、長野市が郷里の老妻は、子供の頃、七草粥を食べたことはなかったという。だから粥に餅を入れなかったわけだ。東京では小正月が明ける1月15日に、砂糖をかけて小豆粥を食べた。この習慣は、わが家ではいつのまにか廃止されているが、周囲でもあまり話題にはならない。七草粥が都会で最近、人気が出てきたのは飽食に飽きた都会人の健康志向と関係があるのかもしれない。

慰安婦合意に”ノーテン”な「民主.維新.無所属」クラブの代表質問

2016-01-07 06:08:53 | 2012・1・1
衆院本会議の模様を昨日、NHKのテレビ中継で視聴した。直前、北朝鮮の水爆実験実施の”特別重大報道”が飛び込んんできただけに、特別緊張して審議を拝視し、拝聴したが 野党「民主.維新.無所属」クラブの相も変らぬマンネリ化した総花的な質問にがっかり。最初の質問者、民主党の岡田克也代表の時にはメモを取っていたが、いつか眠くなり、気がついたら維新の党の松野頼久代表の質問は終わっていた。

僕は個人的に昨年暮の慰安婦問題をめぐる日韓合意について関心を持っており、合意の曖昧さに対して、野党から追及があるものと期待していた。ところが、岡田代表は頭から合意を”評価”すると述べ、ただ安倍総理が、自分の言葉で謝罪しなかったの残念だと、どこかで聞いたような言葉で終わった。

日韓合意の曖昧さは、与党自民党内でも定見がないようで、外交部会でも議論続出、稲田朋美政調会長はソウルの日本大使館前の慰安婦像撤去が、慰安婦への支援金10億円拠出の条件だと述べたという。韓国では慰安婦撤去について、確約しておらず”努力する”にとどまっている。また、合意したにも関わらず、「慰安婦白書」を発刊する準備をしていたり、依然としてユネスコへの記憶遺産登録への動きをやめていない。

岡田代表は最大の野党として、与党内でも問題にされている日韓合意について、ただ”評価する”ではあまりにも”ノーテン”すぎるのではないか。10億円は国民の血税である。突発のこととはいえ、質問のなかでは、当然、北朝鮮原爆実験について厳しく非難し、拉致問題とのからみにおいて、政府の対応策にも触れて貰いたかった。

穏やかな新年 平和な国日本万歳

2016-01-06 06:00:52 | 2012・1・1

東京首都圏は新年に入って5日間、好天に恵まれ気温が15℃を越す日が続いている。39年ぶりの記録だという。わが家のベランダの鉢植えの寒梅も一輪、二輪、可憐な花をほころばせてきた。春近しを思わせ、本来、蟄居の老人にとっては喜びなのだが、昨日、僕は国立病院の最終診断の結果、やはり再発した大腸ガン手術のため、来週12日から入院することになった。人生楽あれば、苦ありである。

この新年、僕にとっても穏やかな新年であった。禁酒中であったが、正月ということで自分に許しをえて、知人から頂いた九州の銘酒をチビリチビリ味わいながらがテレビを見ながら”ひねもす”一日であった。テレビ番組といっても、僕にはニュースとスポーツ番組しか見るものはなかったが、NHK.BSのワールド.ニュースは定時ごとに欠かさず見ることにした。

ワールド.ニュースを見て、つくづく、日本は平和でよい国だと思った。BBCでは、新年早々から中東の難民が小舟に乗ってギリシャの小島に、かろうじて渡ってくる姿をとらえていたが、生後数か月の赤子を抱いている男親が印象的であった。北欧のデンマークとフィンランドでは、押し寄せる難民の対応できず、国境の検問強化に乗り出していた。

その難民の発生源である中東では、相変わらず政府、反政府、それにISといくつもの勢力がからんだ内戦がシリア、イラク、イエメン各国で続いているが、さらに新年早々、スンニ派の大国、サウジアラビアがシーア派の大国イランと外交を断絶、この宗派間の争いが、中東各地に波及しそうとしている。中国では寧夏回族自治区でバスが炎上13人が犠牲になる事件が起きている。回族(イスラム)自治区の事件である。

首都圏の穏やかだった天候も今日あたりまでで、本来の厳しい冬に戻るようだが、今年が無事、このまま平穏な年であり、僕個人としては手術が無事終了することを願っている。

慰安婦日韓合意のおかしな英語訳文

2016-01-05 04:19:50 | 2012・1・1
旧臘(ろう)28日、慰安婦問題をめぐって日韓両国間で合意をみた内容の日本語がおかしいいとコメンテーターから指摘があったので、英語による合意文を探したが見つからない。確か、合意内容は公式には成文化しなかったと、聞いていたので、多分、コメンテーターの誤解と思われるが、「Japan Times」のウェブサイドに、合意内容の一部が英文で紹介されていた。
「The foreign ministry of Japan and South Korea announce irreversible resolution to the decade -long impasse over Korean feamales forced into brothels run by the Japanese imperial army during and before the war」

今年度から外務省職員の入省測定基準にTOEF100点以上が課せられるそうだが、それに満たない僕の英語力で、上記記事を訳してみると「日韓両外務省は数十年に渡り両国間にまたがっていた、戦前ならびに戦後、日本軍によって経営されていた慰安所へ強制的に朝鮮人女性を連行した行き詰まり問題の解決案を発表した」―といったような意味になる。

もちろん、正式文書ではないが、慰安婦問題にを知らない外国人がこれを読むと、いくつか誤解を呼ぶことになる。第一は慰安所が日本軍が経営されていたこと。第二に慰安婦が強制的に慰安所に連行されたこと。第三は軍の慰安所が戦前から存在していたなどの諸点である。

合意を見るために、わざわざ、合意内容を成文化せず、曖昧な形にしたものと思うが、あまりにも”グレイ”の部分が多すぎる。「The Japan Times」のような形で合意内容が誤って伝わって行けば、問題の”不可逆的”解決にはならない。慰安婦像は永久に撤去されない。



訪日外国人観光客より減った日本人の海外観光客数

2016-01-03 15:40:16 | 2012・1・1
正月(1月3日)の読売新聞(首都圏版)を見たら40面ある紙面のうち11面が観光旅行の全面広告であった。旅行ブームなのだろう。わが家でも昨年暮、孫がLTTでマレーシアへ5日間、観光旅行に出かけてきたが、代って長女が今、イタリア一周旅行を楽しんでいる。僕らが若かった時代には考えられない事である。僕が自分のおカネで初めて海外へ出かけたのは、55歳の定年すぎてからであった。

海外からの外国人観光客がここ数年爆発的に増え、昨年(平成27年)は年間1900万人を超え、過去最高だという。中でも中国からは前年に比べて倍増、韓国、台湾、香港、シンガポールなどアジア諸国からも軒並み増加している。これによる”インバウンド”効果で、日本の経済も潤っている。が、これに対して日本人の海外への観光客数は、あまり伸びておらず、昨年度は1480万人で、45年ぶりに訪日観光客数を下回った。

日本人の海外観光客が足踏み状態なのは、円安と海外での治安などが影響しているが、最大の原因は中国、韓国への落ち込みである。観光庁の統計によると、昨年度韓国への観光客数は前年に比べ21.9パーセント減、中国も18.2パーセントと大幅に減少している。その原因ははっきりしている。反日感情が強く、大気汚染のひどい中国には行く気にならないし、いわんや、他国の大使館の前に慰安婦の像をたて、デモをやっている韓国などには、わざわざ、おカネを出してまでして行きたいとは思わない。

築城三年 落城一年 安倍内閣

2016-01-03 08:08:35 | 2012・1・1

”氷河期”だという時代に反して、新年から従来の購読紙に加えて一紙併読することにした。勧誘員の言葉上手に”騙された”結果だが、社会との接点が少なくなってきた老人には情報源は多いほどよい。しかし、予期していたとはいえ、折込広告のなんと多いのには閉口だ。数えてみると、元旦には46枚、3日には27枚、老人の手にはずしりと重いが、目を通す気にはならない。

折込広告の量は景気のバロメ―ターだと昔、広告業界の友人から聞いたことがあるが、この異常さはどう見たらよいのだろうか。安倍総理は新円の所感で”もはやデフレではない”と3年間のアベノミクスの成果を強調した。昨年株価は一時2万円に回復、雇用も100万人を突破、有効求人倍率も1パーセントを越えた。数字で見る限り、アベノミクスを成果が上がっている。が、年金生活の後期高齢者には、景気の良さは伝わってこない。目標のインフレ率2パーセントに届かないのでは仕方がない。

新年所感で安倍総理は”築城一年、落城三年”という言葉を使い、築城には長い歳月がかかるが、落城は僅か1年だと、内閣の緩みを引きしめた。野党の”だらしなさ”では、当分安倍内閣は安泰のように思うが、僕には旧臘の慰安婦をめぐる日韓合意をみて、なにか汐目の変化を感じた。”ネトウヨ”という言葉があって、ネット上の右翼論者を言うそうだが、安倍総理の今回の日韓合意は”ネトウヨ”ではなくて、安倍内閣の外交上の失策である。何故、こういった重要な問題なのに合意を成文化しなかったのか。慰安婦像の撤去について、具体的な詰めをしなかったのか。

特養老人ホー待機者が52万人人もいる。生活保護者者数の半分は65歳以上の老人である。選挙目当てに貧乏老人に3万円ばらまくそうだが。効果があるかどうか。老人即自民党支持ではなくなってきた、汐目の変化を感じるのだが、どうだろうか。

松竹が門ごとに建てられなくなった東京の新年

2016-01-02 07:01:54 | 2012・1・1
昨日元旦の午後2時過ぎ、遅らせながら、近所の氷川神社に初詣に出かけた。かっては、村の鎮守の神様だったのだが、最近は初詣の名所になったようで、本殿まで100メートルの沿道には長い列ができていた。話によれば、この小さな神社でも前夜から篝(かがり)火がたかれ交通整理が出るとのことだ。変れば変ったものだ。

戦前、1月Ⅰ日は「四方拝」という皇室の儀式にならって国の祝日であった。戦争中小学生であった僕らは学校の奉賀式に参列した。元旦の朝は商店も休みで、街は静まりかえっており、門(かど)ごとに建てられた松竹の飾りと掲揚された「日の丸」が、70余年すぎた今でも目に残っているが、昨日改めて確認したが、わが家を含めて神社までの沿道には「日の丸」を掲げた家は一軒もなかった。

”松竹たてて門(かど)ごとに”(小学校唱歌)と歌われた松竹飾りさえ、神社へ行く沿道の商店街には少なく、代わって「謹賀新年」の紙ですましているところが多かった。昔ながらの門松は神社近くの古刹の門前とフランス料理店の前だけだった。区役所の包括センターの前にも老人福祉施設の門前にも日の丸も松竹の飾りもなかった。

初詣の混雑と門松の衰退、この現象どう見たらよいのであろうか。