「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

ガン再手術入院記(3) 問題抱える病院の”国際化”

2016-01-29 06:32:01 | 2012・1・1
大腸ガン手術入院の2週間、僕は7回も病室を変わった。うち1回は手術当夜の個室だが、あと6回は病院側の”都合”によるもので、僕が希望したのではない。この病院では、ベッドは移動式にになっていて、そのまま一つの病室から他の病室へ移れる。手術後数日たって、容態が安定してきたある日、僕の隣のベッドにへ外国人の患者が移ってきた。僕は10年ほどJICA(国際協力機構)で外国人研修の仕事をしたことがあり、外国人には馴れているので、早速”隣人のよしみ”から英語で挨拶したところ、西アジアのイスラムの国から来た人であった。

この外国人が深夜2時過ぎ、ベッドの上で大声を上げ騒ぎ出した。看護師さんが駆け付けたが、外国人は日本語が解らず英語で”出て行け”と怒鳴るだけ。とりつく島もなく、そのうち大勢の病院のスタッフが集まり、やっと騒ぎは収まったが、そのとばっちりを受けて、僕のベッドとの境のカーテンは開けられ、とても安眠などできなかった。翌朝、病院側は僕に深謝して、ベッドを別の部屋の移動してくれたが。

騒ぎの発端は、外国人がトイレに行きたくなったが、用意してあった尿瓶(しびん)の場所が判らないことからのようであった。外国人は多分、英語かあるいは自国語で”しびん”と言ったのだろうが、看護師さんには理解できなかったようだ。(恥ずかしながら、僕も尿瓶を英語でなんんというか知らなかったが、広辞苑によると、語源はポルトガル語の“シュビン”からきている)

この病院に限らず、平成24年の入管法改正で在留外国人の国保保険の加入が義務づけされて以来、外国人の通院や入院の数が増えてきている。長期滞在の外国人数は26年の統計では全国で200万人を超えている。日本に長期滞在するのなら、当然、日常生活も日本語で対応すべきだというのは日本側の論理である。しかし、在留外国人の中には、上記外国人のように日本語の出来ない人もいる。外国人に対して国保加入を義務づけるならば、病院側も最低限度、国際語の英語の医学用語の単語ぐらいは理解できてもてもよい気がするが、どうだろうか。(この項終わり)