「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        ”火の用心” 認知症グループホームの悲劇

2013-02-10 06:30:24 | Weblog
またまた僕ら老人にとってはショッキングなニュースである。長崎市の「認知症高齢者グループホーム」があり入居中のお年寄り4人が死亡、2人が意識不明だという。皆、僕ら夫婦と同年代から上の方々である。実をいうと、僕はこの事故が起こるまで、このグループホームのあることをよく知らなかった。それだけ幸せといえば幸せなのだが、いつ認知症になるとは限らない。他人事ではない。

ウイキぺディアで調べると「認知症高齢者グループホーム」とは”認知症の要介護高齢者が個室を持ち、共同生活をしながら介護を受ける施設で、1ユニットは最大9人”とある。2000年の介護保険法改正に伴い設置が許可になった。比較的施設が小規模なことと、認知症高齢者の増加で僅か10年ちょっとで、現在日本全体で、このグループホームは1万軒ほどあるようだ。

今回の長崎の火事は夜7時半過ぎに起きている。寝るのが早いお年寄りでも”宵の口”である。ホームは4階建てで1階と2階が住居で、火元は2階らしいが、健常者なら容易に逃げられる。しかし、認知症の高齢者である。おまけにスプリンクラーの施設もなく、防火扉も不備だったらしい。それに夜間の管理者が70歳代の女性だった、これではまるで”老々介護”である。

出火原因については今警察や消防で調べているが、お年寄りの部屋が出火元である。馬齢を重ねると、僕ら老ら夫婦も一番気を使うのは火事である。老妻は写真のように、東京品川の”竈の神様”荒神さんから頂戴した「火の用心”のお札を台所に張っている。老人になると、注意力が散漫になりガスのつけっぱなしが怖いのである。火の用心、念には念をおしたほうがよい。

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10 コメント

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増える (chobimame)
2013-02-11 10:00:58
本当に悲劇です。なんだか他人事ではない響きのあるニュースでした。消防士に救助を懇願する職員も年齢が高かったことが実に印象的で、何とも言えない気分です。これから超高齢化社会に突入します。少子化で老人を介護する人もいませんからこれからどうなるのか?国は保険料の事ばかり議題にしますが、介護の話は民間任せな気がします。そうなると結局格差で、金持ち以外は野垂れ死にです。尽くしがいのない国は人がいつきません。少子化と同様に深刻な問題です。
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介護先進国を学べ (http://blog.goo.ne)
2013-02-11 17:53:19
chobimame さん
高齢化先進国の欧米(特に北欧)では対策はどうなっているのでしょうか。僕ら老人にも現状が伝わってきません。グループホームへ入居できるのは認知症でも軽い方だそうですが、高齢者には変わりありません。運営費を軽減するために介護者も老人を雇用していたのでしょうか。ご説の通り、民間に任せず、国で対策を講ずべきです。それには、高齢者の介護保険、医療保険の見直し(持論ですが
70歳―74歳の窓口2割負担)など行うべきです
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消火設備の充実 (lordyupa)
2013-02-12 22:31:59
国立・公立施設の養護・特養施設は勿論、kakekさんが以前書かれていたような、いわば認証老人養護施設(民間の施設)においても、「火災検知器」と「スプリンクラー散水」設備の設置とを推進するような政策や補助金付与による充実がいるように思います。
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焼死者は皆老人 (kakek)
2013-02-13 09:49:20
lordyupa さん
火事で亡くなった方は、ほとんどが65歳以上の老人です。日常”火の用心”には気をつけているのですが、やはり心身ともに年寄りは鈍くなっているのです。だから老人を預かる施設は、防火には特に配慮しなければならなのに事故が多すぎます。老人の医療介護に従事している方福祉マインドの強い人だと勝手に思っていましたが、ビジネスとしてとらえている企業家も多いのですね。
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チルチル・ミチルの青い鳥 (lordyupa)
2013-02-13 11:50:39
日本こそ超高齢化の最先端先進国であり、お手本を欧米に求めても、あまり、妙案はなさそうに思います。
むしろ、日本独自に、解決方法を創造して、逆に、これから高齢化する海外の国々に、そのノウハウを教えるフロントランナーの位置にいるようです。

日本の福祉関係者は、北欧、とくに、Swedenを美化・理想化した思い入れの激しい報道をする変なクセがあるように思います。個人主義が普通なので、孤独死を恐れない風土。それでも寂しいのでしょうか、在宅一人暮らしの老人は話し相手を求めて、近くの公園に来て往来する人々を、一日中眺めて過ごす。Swedenで不思議なのは、各種社会保険、年金、法人税・所得税・消費税などは極めて高負担なのですが、なんと、相続税と贈与税は廃止して、「ゼロ」です。
80歳代前後が多く入居している老人ホームでの暴力傷害事件が90年代以降に急増・・・・福祉ワーカーによる殴打・死亡や介護放置での衰弱、薬物の誤投与、77歳の高齢職員による暴行などなど報告もされており、必ずしも、Swedenも老人天国とは言えなさそうです。
むしろ、公的年金・保険制度が未発達でも、
仏教国のチベット、ネパール、ブータン、タイなどで、欧米化・近代化される前の「旧い慣習/宗教生活をもった家族や村落」での老人の方が、案外、幸福なのかもしれません。

ドイツなども、現役世代は過重な税金・社会保険の負担にあえぎ、可処分所得が増えない暮らしぶりのようです。女性の社会進出の増加で起こった「少子化・離婚増大・非婚者増大」で、ドイツには働く若者が減り、やむなく、トルコ移民を多数受け入れて急場をしのいでも、今度は、差別された移民の不満が爆発。きゅ若年の失業率も高く、旧東ドイツの貧困層のなかからネオナチも復活。老人介護労働者として、移民を活用するのも簡単ではなさそうです。

高齢化は「難課題」です。中国も一人っ子政策のため、日本を追いかけて、少子高齢化社会へと、二十年後には突入予定です。日本は、加工貿易・製造業立国による高度経済成長を終えて、一応、国民全体に、総中流化を達成した成熟社会の後に、高齢化が進んでいますが、中国は、極端な格差を解消できないままで、社会資本のストックが圧倒的に不足する状態で、高齢化社会に突入しそうなので、それはそれは悲惨なことになるように感じます。
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北欧のケア (kakek)
2013-02-13 14:00:56
lordyupa さん
”欧米では”という引用の仕方は嫌いで使用しないのですが、なんとはなく北欧は老人医療介護の先進国のような印象があったものですから。実態は知らないので失礼しました。ネット情報ですが、スウェーデンの一例を美馬市スト、最近は長期大型施設滞在型から小規模施設、在宅ケア―に変わってきているみたいですね。日本もこれを目指していますが、結局のところ、出来れば家がついの棲家が幸せなのですね。しかし、家族制度が崩壊した日本では、なかなか問題がありますね。インドネシアも都会では、日本と同じような問題が出てきていますが、敬老の気持ちが若い人にあります。日本ではマスコミが年金格差の観点からこの問題を煽るので、若い世代が高齢者を蔑視する傾向があり何年か後には自分たちの問題なのに困ったことです。す。
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実相を歪めるマスコミ報道 (lordyupa)
2013-02-14 11:02:49
kakekさん
ご指摘の通り、「年金格差が、世代間格差であるというウソ」を連日TVで報道しています。江戸時代には公的年金制度がなかった代わりに、子供が親の老後を支えました。子供のいない親の老後は、江戸時代では、さぞ大変だったと思います。
ドイツでは、子供のいない夫婦が支払う介護料の保険負担を、子供のいる夫婦に比べて、引き上げています。また最近では、「子供のいない市民に対する公的年金の支給額を減らすべきだ」という意見も出始めています。
・・・<少子化>による年金・保険格差の根本原因は、<世代内格差が、その本質>のはずです。社会の人口持続が図られるように、子供を2人生んで育てるには、日本では数千万円から一億円ぐらいかかると思います。お金だけでなく、子を育て、一人前の社会人に育てるための努力、時間には並大抵のものではありません。子供を生んで育てなかった夫婦は、自分達で私的な貯蓄などを現役のときに積み立てておき、減らされた公的年金の足しにすることが、社会的な責任をはたすことになると思います。日本の戸籍のデータは比較的シッカリ管理されているようなので、離婚・再婚の多い人でも、「結婚して子供を産んだか否か?何歳までその子供を養育したか?」の基本的データはそろっています。中国人やフィリピン人の養子については、子供手当の不正受給問題と同様に、きっちりと捜査できる権限・体制を厚労省や地方自治体に与えるべきと思います。

chomimameさん
<高齢化>の対策としては、別のブログで書かれておられたように、最近の六十才台は昔より健康で元気な人も多いので、平均寿命が延びるごとに、年金の支給開始年齢を段階的に八十歳ぐらい目処、まで、延長してはどうかと思います。健康を害して働けなくなった人には、支給開始を早めるなど弾力的な対応もいると思います。ブロガーが書かれたように、70-74才の医療保険負担の増加とか、また、より望ましくは、病気の予防に対して、健康保険料を増やす方が良いように思います。

「貯金も老人が多く、若者は少ない」とTVなどで、煽りますが、私も二十代で社会で働き始めた頃は、ほとんど貯金はありませんでした。親族から、大きな遺産相続でもない限り、若者は誰でも貯金が少ないのは「正常な姿」だと思います。根本問題は、なぜ現役世代は貯金を少しずつでも、働く年数が増えるにつれて、増やせないのか?・・ここに行き着きます。

・・・・・・TVなどが一番報道しない構造的問題(失なわれた二十年に、国内雇用が減り続け、賃金も減り続けている。特に、若者と地方の雇用が沈没)
工場が中国など新興国に移り、地方の雇用が減って、新興国の雇用が増大。これこそが、現役世代の年収が減り続ける最大の要因。阿部政権のインフレターゲット対策などでは、とても歯が立たない、先進国の貧困問題の核心。貧困が途上国から、先進国に輸出rされる構造のデフレ問題のためだと思います。まさに、「ユニクロ栄えて国亡ぶ」です。中国を痛みつける一番厳しい手段は、雇用を生み出す生産工場を人件費の高騰する中国国内から、たとえばバングラデイッシュなどに移転し、その低価格の完成品を中国に輸入して、中国の店舗では、低賃金の非正規社員の販売員を使うことです。

・・・・年収が少なく不安定なため「結婚できない、子供を生んで育てられない」という不安を抱える、現役世代の若年層で、非正規労働者が30%代にも拡大。(一方で、親は受験戦争に走り、なんとしてでも自分の子供さえ、正社員にしたいという一念)
・・・「子供を生まない市民の年金を減らせ」という政策は、まず、「世代内の収入格差を減らす政策」とあわせて実行する必要があると思います。



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将来年金だけで生活できるか (kakek)
2013-02-14 16:20:29
lordyupa さん
確かに僕らの世代は、若い人に比べて恵まれているようですが、日本人の年収が1000ドルに満たない時代に厚生年金をとられるのは苦痛だった記憶があります。少子高齢化時代がやがて到来するという予測ができなかったのでしょうか。10年、20年先に年金だけで生活できるとは思いません。論理の飛躍があるかもしれませんが、若い世代の高齢者への批判はやがて自分たちに跳ね返ってきます。
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明日は我が身 (lordyupa)
2013-02-21 11:53:04
以前ブロガーが書かれていたように、古くは役人にも気骨のある人がいたように思います。

ところが、1970年代以降、政治家のいいなりになりなる役人が増え、更には、1990年代以降は、政治家を利用して、自分たちの既得権益を守る方向になったようです。
たとえば、
もともと、日本の年金制度は「積み立て方式」をとっていました。1970年代初頭の大蔵省や厚生省の役人は、「賦課方式に変更すると世代間格差が問題である」という認識をもっていたようです。「(1970年代)現在のように老人人口が少ないうちは良いが、もしも、経済が成熟した欧州のように老人比率が増えてくると、現役世代の将来の負担が非常に重くなるから」と政治家に反論しています・・・実に、マトモな見識をもっていました。
ところが、1970年代当時の政治家と左翼勢力(福祉大国政策)とが政治的圧力をかけて、①当時の欧米では賦課方式が主体だから、日本もマネすべきである②積み立てをしていない、もしくは、積み立ての少ない老人にも、保険制度であるにもかかわらず、税と同じような所得再分配機能をもたせるべき・・・というバラマキ政治圧力を強力に訴えて、それに役人が屈して、「賦課方式」へとなし崩しに変更されて、現在にいたっています。・・・この構造は、赤字国債発行についても同様です。大蔵省は、増税せずに国債発行して歳出にあてることを躊躇していましたが、当時の田中角栄首相が建設国債や赤字国債を発行してでもドンドン歳出を増やせといわれて、役人は屈っしました。1990年代以降、際限もなく赤字国債や地方債を発行する起源は、利益誘導で選挙に勝てる政治家とそれに迎合する選挙民との組み合わせが引き金だったと思います。
それに加えるならば、TV新聞報道なども、耳障りなニュースを避けて、本当のことを伝えようとはしないことも
一因かもしれません。たとえば、
欧米で、「少子化対策」が効を奏している国々では、
①増加したのは、ほとんどが婚外子(私生児)である
②離婚率が、急増している
③貧困な国からの移民層の出生率が高い
という事態です。

kakekさんのいわれるように、少子化はドンドン進んでいるので、現在若い世代も、数十年後には、同じ問題に直面することになります。人口年齢分布に依存しない持続可能な年金制度がいります。

維新の会の主張するように、年金制度を、日本のもともとの「積み立て方式」へと組み替えてゆくのも一つの方法ですが、ドイツが実施し始めているように、「賦課方式」のままにして、子供を2以上産んで育て世帯には、年金も満額支給されるが、1人だけの場合には減額給付、子供0の場合には、更に、大幅減額という年金制度であれば、人口年齢分布の増減にかかわらず中立で持続可能な制度となると思います。子供0人、もしくは、1人の世帯では、公的年金の他に、私的な年金や貯蓄を現役時点で、個人的に準備する必要があります。子供を育てなかった分、生涯支出で数千万円から一億円ほど楽だったはずですから。介護保険の負担も、同じく、子供の数に応じて、負担率を増減させれば、財源の面では、人口年齢分布に依存しない介護保険制度となるはずです。

ここで、問題となるのは、増加する非正規社員の対策です。結婚したくても経済的に踏み切れない、また、結婚しても、子供を生んで育てたかったけれども、収入が少なく不安定な雇用の若い世代の問題です・・・財源に制限があるので、本当に困っている人々を助けるという観点から、現役正社員の子供手当をゼロにして、かわりに、非正規社員にのみ子供手当を支給するという政策転換をしてはどうかと思います。

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正規、非正規雇用 (kakek)
2013-02-21 15:12:37
lordyupa さん
実社会から遠くなった世代ですが、将来の日本人社会が本当に心配です。税と社会改革をどうするのか、これが最重要課題だと思うのですが、まだ現役世代は理解していないように僕にはみえます。非正規雇用者が30%を超え、しかも若年層が高いのは異常です。国民保険だけでは今でも生活できないし、将来像も描かれていません。ぉれが日本の活力を失っている最大の原因だと思います。
日本人の叡智をを集めて、早急に対策を講じないと、亡国の道につながります。三本の矢はカンフル剤にすぎません。日本人全体がワークシェアリングの気持ちになり、正規、非正規の枠をとりはずすのが第一です。
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