「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

景気はよいのか悪いのか

2014-07-29 05:23:34 | Weblog
年金生活の長い80老人にとって、今、日本の景気がよいのか悪いのか判らない。アベノミクスの効果が出てきたという人もいるが僕には実感がない。しかし、連日、この暑さの中、隣家二軒の新築音を昼寝の”子守歌みたいに聞いていると、僕の知らないところで、景気は上向いてきているようだ。

築30年のわが家の隣の木賃アパートと古家が7月初め、壊され同時に新築工事が始まった。今、住宅ローン控除枠が拡大されて、利子も最低で、家の新築には絶好の環境にあるらしい。それに来年度からの遺産相続の改定も絡んでいるらしい。この隣家の”槌音”を聞いている限りでは景気は好くなっていると感じるのだが。

そのうちの一軒が最終段階の内装工事に入った。中をのぞいてみると働いているのは、みな東南アジア系の外国人ばかりだ。昼休みにどこの国から来たのか聞いてみると、インドネシアのバリ島からだという。バリ島には十数回出かけたことがあり、親しみから色々聞いてみると、研修制度で働きに来て2年目だという。観光旅行者の目からみれば、バリ島は自然に恵まれ、歴史遺産もあって”天国”である。何も日本に働きに来なくてもと思うのだが。

アベノミクスの第何弾かは忘れたが、不景気の地方経済の創生に政府が乗り出すという。たまに地方へ出かけると地方は駅前のシャッターの下りた商店街や、減反の影響なのか荒地ばかりが目につく。しかし、一方では建築現場のように人出不足で、公共事業まで遅延が出てきているらしい。TPP交渉も最終段階のはずだが、一向に国民には伝わってこない。内閣改造より、腰の落ち着いた政策の持続を国民は望んでいるのでは。

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5 コメント

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一部の業界 (chobimame)
2014-07-29 09:29:01
景況が回復傾向にあるのは、一部の大手企業と金融業だけです。政府が目をかけてる業界とでも言うのでしょうか。中小企業には、まだまだ傾向回復は感じられません。
相変わらず高級品を減税にし、日用品は税金が高いままの政策は変わらず、消費税分として申し訳程度の1万円を子供にばら蒔く。
この政策を変えないと、同じところをぐるぐる回るだけと思います。
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埒外の老人 (kakek)
2014-07-30 16:42:46
chobimame さん
老人は社会のラチ外で、あまり感受性もなくなってきましたが、やはり景気がよいのは、ご指摘の一部の階層だけに見えます。スーパーでアルバイトをしている孫の話では、夜遅く食品の値段が下がる時間を狙って来店する老人が多くなったそうです。一方で、家族連れで海外観光を楽しむ家族が増えています。アンバランスですね。地方都市を”創生”するといっていますが、具体的に何をするのか判りません。
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工業自給率の向上と中流階層の再興を (lordyupa)
2014-08-04 13:02:19
アベノミクスは、民主党の政策よりはよほどマシだが、デフレ脱却は元来目標ではなく、産業構造の中期対策こそが大事だと思います。田中角栄首相の最大の功績は、高度経済成長期に、京阪神圏と東京圏に集中した工場集積を、日本全国に分散させて、地方に農林漁業以外の雇用の場を大幅に増やしたことにある。90年代のソ連崩壊(共産主義・社会主義勢力の崩壊)までは新興国、とくに中国への工場建設投資は、途上国で優勢であった共産党政権による工場の占守など投資リスクが大きすぎて、二の足を踏んでいた日系企業が、毎年着実に亢進する円高に追われて、日本の地方工場を閉鎖して、一方で、途上国での新工場建設へと舵をきったことで、日本の中流階層はジリ貧状態におちいり、少数の大企業・公務員(高収入)とその他サービス業などの低収入階層へと二極分化してきたことにある。日本(特に地方の)の中流階層を一人失業させて、新興国で2人以上の中流階層を増やすという貧困の自由化がグローバルに進む。成長率が低下した先進国では国内投資先が減ってカネ余りとなり、一方で、途上国での貧しいヒト余りという構造が生まれて生じた厳しい現実にメスを入れなければならないと思います。戦後の加工貿易では、原料を輸入して、日本国内で、研究開発製造販売までを「一貫」することで、地方工場でも中流階層の雇用を確保できた。ところが、90年代のボーダーレス(国境をヒト、モノ、カネ、情報)が行き交う仕組みが生まれて以来、先進国では、事業企画、研究開発、本社機能だけが国内に残り、製造部門は途上国へと移転流出する「グローバル最適立地=工程分業」へと転換した。中国が世界の工場となる度合いが強くなるほど、日本の地方の雇用は衰退の一途をたどってきた。残念ながら、工場労働に代替できる大量の中流階層を増やす職業政策(産業)構造は存在しないと思う。日本のサッカーチームと同様に、日本労働者の特技は、製造、販売、研究開発の全員が緊密に連携プレイをしつつ、品質・納期・コストを最適化する仕事のチーム力です。このような職人的ともいえるアナログな競争力を活かせるような、新たな工業
の仕組みをうみだすことが、日本の中流階級を再構築するきっかけとなるように思う。
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悪いインフレではないか? (lordyupa)
2014-08-04 18:39:03
chobimameさん
たしかに、インフレには賃金上昇につながる良いインフレもあるが、残念ながらご指摘の通り、今起きているのは、悪いインフレではないだろうか?先日発表されたに「13年度の物価上昇率0.8%」の中身をよく見てみると、上昇に寄与したのは「原発停止による電気などのエネルギー価格の上昇、異次元の金融緩和による円安による輸入原材料、天然ガス、原油コストの上昇」が、その大半を占めており、良いインフレの最大のメリットであるべき「賃金上昇」は、中小企業など大半の企業ではまだみられていない。加えて、円安にもかかわらず、輸出数量がそんなには増えていないという問題もある。自動車を除いて、円安のおかげで輸出が増えている、という中小企業は皆無と言ってよい。すなわち、消費者にとっては「収入は増えないのに、電気代やらガソリン代が高騰、消費税まで上がって生活は昨年に比べて苦しくなってきている」というのが、実体だ。まさに「収入が増えないのに、物価だけが上がる」という悪いインフレになっているのだ。庶民の懐から出て行くお金は、海外の資源国に回ってしまい、国内には全く残っていない・・これでは話にならない。
たとえば、安定供給できる電気代を安くするには、老朽化した火力発電所を最新鋭の高効率石炭発電所建設に切り変えるか、最終廃棄物処理が未完成技術とも思える原子力発電所の再稼働に踏み切るかの二者択一しかない。エネルギー戦略すら未だに、再生可能エネルギーを最大限に増やすなどの民主党的な戯言を言っている事態ではないのに・・・
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ご高説感謝 (kakek)
2014-08-05 18:22:43
lordyupa さん
ご高説感謝します。アベノミクスは次の〝矢”として地方創生を掲げていますが、TPP妥結後の農業改革と相まって、安倍政権の今後を占う試金石でしょうね。農協改革もからんんでいて大変ですね。
個人的には今月から後期高齢者保険による窓口負担が3割から1割になりました。大変儲かった実感をしていますが、これでは早晩、高齢者社会保障制度自体が崩壊してしまいますね。実勢にあった一律2割負担に何故しないのか。将来をみすえた方改正が必要です。
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