「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

   メナド パレンバン ク―パン 薄れる落下傘部隊の記憶

2013-02-22 07:17:00 | Weblog
71年前の昭和17年2月20,21日、海軍第三特別陸戦隊700人がインドネシアのクーパン(西チモール)に二波に渡って落下傘で降下している。が、このことを知っている日本人は一部の戦史研究家以外ほとんどいない。

日本軍は戦争中、南方作戦で3回、現在のインドネシアの地に落下傘で降下している。最初は1月11日、海軍第一特別陸戦隊がセレベス(スラウェシ)島のメナド(マナド)の地に、ついで2回目は2月14日、陸軍空挺部隊がスマトラのパレンバンに降下している。軍事秘密秘匿のため、この二つの降下作戦は、パレンバン作戦後に同時発表されている。当時銃後の小国民であった僕も映画「空の神兵」や同名の歌でもってパレンバンの事をしり、メナドについてもアニメ映画「桃太郎 海の神兵」を通じて知っている。

一昨日(20日)僕はたまたまNHK.BSテレビの「ほっと@アジア」という番組を見た。講談家の神田山陽が自転車に乗ってスラウェシ島のマナド周辺を旅行する内容の番組であった。僕は10年ほど前、海軍の落下傘部隊の活躍の跡を訪ね、戦後連合軍のBC級裁判で刑死された堀内豊秋隊長の慰霊碑を墓参したことがある。当然、僕らの世代は、このNHKの番組でも落下傘部隊についても紹介する部分があるものと期待していた。しかし、番組はまったく落下傘部隊については一言も触れなかった。

番組の制作意図からみて仕方がないと思ったが、頂けなかったのはマナド郊外の山村の音楽隊を取材したときだ。音楽隊が、わざわざ日本から取材にきたクルーのために日本の戦時中の流行歌「愛国の花」(インドネシアではスカルノ初代大統領の作詞で「桜の花」でよく知られている)を演奏してくれたのに、番組ではまったくこのことを紹介していなかった。

NHKの若い番組製作者が昔の事を知らなかったものと思うが、かりにNHKの中に昔の戦争の事には触れるなという偏見があるとすれば誤りである。「愛国の花」は戦中戦後を通じてインドネシアと日本との友好を象徴する歌である。

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4 コメント

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私も見ました (wacin)
2013-02-22 10:34:14
神田山陽が自転車に乗ってスラウェシ島のマナド周辺を旅行する内容の番組は、何度か再放送されているようですね。私も何週間か前に見ました。落下傘部隊のこと、戦時中の歌のこと、、TV企画担当者の判断と思います。スラウェシ入門編としては、あの程度かなと思います。スラウェシ研究会のM様が「マカッサルでの日本酒つくり」を取材、企画されていますが、M様にならって、当時のことに詳しい人達の協力で新しいTV企画書を作って、NHKに売り込んでみるのも一案ですね。視聴率は保証できませんが、
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寂しい限りです (kakek)
2013-02-22 11:46:02
wacin さん
僕らが日露戦争時の出師営の歌に関心がないのと同じようなことだと、思いますが寂しいですね。村人たちが嬉々として「愛国の花」を演奏していたのが印象的でした。3年ちょっとの日本の軍政でしたが、住民にはインパクトを与えていますね。日本の若い世代も複合的な目で戦争を見てもらいたいです。無視は無知に通じます。
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敢えて (chobimame)
2013-02-22 16:10:02
NHKですから歌の意味を知っていれば、敢えて触れないと思います。
国営放送が反日ですから戦争の軌跡を辿ったり、兵士を偲ぶ事は絶対にしません。
こうやって日本の戦争の歴史は消えていくのですね。

話は変わりますが、NHKの平均年収は1千500万円前後とか?強制的な徴収で、一般サラリーマンの平均年収の2倍を貰うなど実に腹立たしです。
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Unknown (kakek)
2013-02-22 17:06:41
chobimame さん
昨年NHKで放送された日本統治時代の台湾を、これでもかとばかり反日偏向で描いた”一等国日本”という番組があり、当時の日本の教育を受けた台湾人世代を中心にNHKが告発されましたが、東京地裁は弁償の必要なしとの判決をしています。NHKもNHKですが、東京地裁の判事も判事です。せっかくの親日国、台湾を逆なでするるようなものです。メナドを扱ったこのBS番組は”反日”でないだけでも、もってよしとすべきかも(笑)。アセアン諸国中最大の親日国インドネシアです(BBC調査)。もっとそれを意識して番組を制作してもよいと思います。「愛国の花」は戦後今の天皇陛下夫妻が皇太子時代昭和天皇の御名代として訪イしたさい1千人のインドネシア人が、この歌を歌って歓迎した歌で戦争讃歌の歌ではありません。
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