「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

           県の認知度より近代史

2008-06-29 05:34:39 | Weblog
国立教育政策研究所が小6、中3を対象に全国で社会科学力テストを実施したとこ
ろ、小6の39・9%が福井、徳島がどこにあるのか知らなかったという。昨年だった
かNHKの番組「どこにあるのか判らない県」で県の認知度を調査した結果では、栃
木県が島根、鳥取についで最下位だった。島根、鳥取は今回の調査でも下位であ
る。

僕は1980年代から90年にかけて、仕事で全国を旅する機会が多かったが、やはり
上記の県へはあまり行くことは少なかった。栃木県を除けば新幹線が通っておらず
交通が不便なうえ、県自体の面積も小さい。戦前は社会という課目はなく「地理」と
いう名で、こういったことを学んだ。徹底した暗記教育だったが、多分、同じテストを
当時の子供にしても同じ結果が出たと思う。

むしろ今回の調査で心配なのは、同時に行った「日本史」の調査で「大久保利通」「木
戸孝允」「大隈重信」といった明治の元勲の知名度が非常に低いことだ。”明治は遠く
なりにけり”で、明治維新後の日本の近代史が学校現場で軽視されている証左かもし
れない。「東郷元帥」「乃木将軍」について調査すれば、認知度は多分ゼロに近いに違
いだろう。

若い世代の、ほとんどの人が言うことだが、日本の現代史は”時間がなくなった”という
理由で教わっていない。多分「戦争」解釈について面倒だから、教育現場は”時間”に
かこつけて避けて通っているのではないか。この結果、自分の国の現代史を知らない
不幸な日本人が多くなってきている。

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2 コメント

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社会科 (やん)
2008-06-29 07:44:00
学生時代歴史は江戸時代くらいで終了でした。小学校も中学校も高校も。時間が足りなかったようです。
土曜も学校に行っていたころでさえそうなのですから、ゆとり教育の現代はなおさらだと思います。
小六の今頃鎌倉時代について勉強しましたが、娘は蘇我氏などの話をしているので少し遅れているようです。
地理は力を入れているようで47都道府県の名前と県庁所在地をすらすら言います。
特に自分が行ったことのある都市は覚えやすいみたいですね。
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近代史 (kakek)
2008-06-29 17:27:04
やん さん
明治維新後の歴史については、教わっていない日本人が多いですね。日清日露の戦役、台湾,朝戦半島の植民地統治など驚くほど知らないですね。いわんや大東亜戦争(歴史呼称)については、史実を理解せず、史観が先行している感じです。正邪並行して教えるべきです。
県の認知度などたいした問題ではありません。知っているのに越したことはありませんがー。
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