「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

北朝鮮 「宥和」か「融和」か

2018-05-05 05:24:46 | 2012・1・1
このところ北朝鮮は「宥和」なのか「融和」なのか、米国のトランンプとの首脳会談を意識的した動きが目立つ。昨日は韓国との時差30分を廃止したり、スウェ―デンで開催中の世界卓球選手権の女子団体戦の準決勝戦で南北統一チームで臨んだが日本のチームに敗れた。残念ながら「宥和」「融和」のムードは朝鮮半島の新聞は期待したほど大きな活字にはならなかったが。

先日の板門店首脳会談の後、日本の新聞でも「融和」「宥和」のか活字をよく目にする。耳から入れば同じ”ゆうわ”だが、目にする印象は違う。しかし、もともとの漢字は「宥和」であって「融和」は昭和31年の国語審議会の”当用漢字外の漢字熟語を同じ音の別の漢字で代用する”決定で生まれた造語なのだ。広辞苑には「融和」は載っているが「宥和」は掲載されていない。

しかし、”ゆうわ”の「宥」と「融」とでは意味が違う。「宥」はなだめる、ゆるめるという意味があり、”相手の態度を大目にみて許し仲良くなる”(三省堂大辞林)だが、「融」はとけあう、うちとけるという意で、相手を許すという意味はない。産経新聞のコラム正論(5月3日首都圏版)の筆者、桜田淳氏は“対朝宥和”と”融和”と区別して使っていたが正しい。

戦後の先人たちの国語改革で難解だった漢字熟語が今では銓衡が選考に安堵が安心、聯合が連合、車輛が車両といった具合に言い変えられ便利になったが、「宥和」-「融和」といったケースもあるようだ、財務省の「改竄」文書で「竄」の字が新聞の見出しに出ていたが、改竄はそういつもあってはならぬこと。しかし、融和の宥の字ぐらいは、本来の意にそって元にもどしては、どうだろうか。   


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