「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

アブダビ世界最大のモスク ダマスカス世界最古のモスク

2018-05-02 05:55:10 | 2012・1・1
中東地域を歴訪中の安倍晋三総理が最初の訪問地、UAE(アラブ首長国連邦)の首都アブダビでムハンマド皇太子と石油などのエネルギー供給について話し合ったあと、日本産メロンの売り込みのトップセールの模様をテレビの画面で見た。半世紀前の1962年11月、日本のジャナリストとして初めて、この地に足を踏んだ僕は、同国の発展ぶりに感無量なものがある。

UAEは当時、「休戦海岸」(Trucial States)と呼ばれた英国の保護領であった。英国がペルシャ湾岸に跋扈する海賊防止のため七つの土侯国との間で協定を結んでいた。日本からははるかに遠い”秘境の地で、僕らは”アラビアン.ナイトは生きている”という正月企画のため、ドバイからカタールのドーハへプロペラ機で向かう途中、給油でアブダビに降りた。前年、石油が発掘されたばかりのアブダビの飛行場は砂漠の中にあり、小さな管制塔があるだけだった。

アブダビは今、ドバイと同じように繁栄と発展を続けており、超高層ビルが林立、観光地としても知られるようになった。今年の正月休みには孫(男)がLLC(格安航空機)で遊びに出かけてきた。その観光スポットの一つがクリスタル.シャンデリアで輝く4万人収容の世界一大きいモスクで安倍総理も立ち寄っていた。半世紀前の取材旅行の際、僕はシリアの首都ダマスカスにある世界最古のウマイア.モスクを訪れているが、内戦でモスクのミナレ(尖塔)が破壊されたとのこと。

安倍総理はシリアの隣国ヨルダンは訪れ、そのあとイスラエルとパレスチナを訪問するが、内戦が続くシリアやイラクは訪問しない。半世紀前のダマスカスは大勢の観光客で賑わっていたが、アブダビには高層ビル一つなかった。二つのモスクは戦争と平和が象徴的だ。