「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

忘れられたもう一つの”真珠湾攻撃” マレー上陸作戦

2016-12-08 06:08:08 | 2012・1・1
早朝のNHKラジオの番組「今日はなんの日」を聞いたら”昭和16年12月8日、旧日本陸海軍が太平洋上で戦闘状態に入り、ハワイ真珠湾やマニラなどを攻撃した”と伝えていた。実は平成21年の小ブログで、NHKのこの番組が、ビートルズのジョン.レノンが殺されたのだけ伝え、大東亜戦争勃発については触れていなかったと、批判した。今年はあれから75年,節目の年で、安倍総理が今月末、真珠湾を訪れ、犠牲者を慰霊することもあって、とくに扱ったのであろうか。

大東亜戦争は時間の経過だけでいえば、陸軍第18軍のマレー半島コタバル上陸で火ぶたが切られている。真珠湾攻撃は16年12月8日午前2時40分(日本時間)に対し、コタバル上陸は午前2時15分である。この作戦は、敵の激しい抵抗に会い、320人の方が戦死している。この模様は昭和17年制定の文部省国定教科書巻6に記載されている。しかし、戦後教科書が墨で黒塗りにされ、一般の日本人の記憶にはない。現地には慰霊碑さえない。

日本軍の真珠湾攻撃で、米国の太平洋艦隊の艦艇は壊滅的な打撃を受け、2345名の軍人が犠牲になっているが、そのほとんどは戦艦アリゾナなどの艦艇上であり、民間人犠牲者57名も基地周辺の人たちであった。これに対して、日本側も攻撃に参加したゼロ戦など54機が未帰還で、特殊潜航艇の9人が戦死している。

安倍総理は真珠湾訪問は”謝罪ではなくて慰霊だ”と言っている。戦争が終われば、敵も味方もない。総理の慰霊に反対するのではないが、同時に戦後70年、いまだにシベリアの酷寒の地やニューギニアの南寧のジャングルの中に未収集のまま眠っているご遺骨があることも国家の指導者として忘れないで欲しい。同時に広島、長崎の原爆、東京など大空襲で数十万人の民間人がなくなっていることを。