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「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

国益確保 国民が納得するODAに

2015-02-12 05:34:34 | Weblog
開発途上国に対するODA(政府開発援助)の基本方針が12年ぶりに改訂され「開発協力大綱」の名称で閣議決定された。新大綱は安倍総理が推進する「積極的平和主義」に基づき、相手側軍に対しても非軍事分野なら協力する旨明らかにし”国益の確保に貢献する”ことを第一にすることを明確にした。

1992年確定され、2003年に改訂された旧大綱は”軍事的用途や国際紛争を助長するような援助は禁止されるなど制限があったが、一方、中国への援助など国民の目か見れば、疑問に思えるものもあった。1979年に始まった対中国援助は無償有償を含めて3兆円にのぼり、中国の空港、道路、鉄道などのインフラ整備に使用された。しかし、中国では、国民の多くはこのことを知らず感謝もされていない。

日本のODA予算が世界一だった1980年から90年にかけて僕はJICA(国際協力機構)の研修事業に嘱託として働いたことがあるが、当時ODAは企業の利益誘導だと批判が多かった。それに国益とはあまり縁のない”大盤振る舞い”が目立った。僕が直接担当した研修事業では、世界のどこにあるのか判らない南アフリカの小国レソトとかカリブ海に浮かぶ小国のバルバドスからまで研修員を招いていた。国連安保理常任理事国立候補の際の票集めとのことだったが。

対中国ODA援助が続いているのかどうか、寡聞にして知らないが、テレビの画面で見る限り超高層ビルが林立し、経済は毎年高い成長率を遂げている。かって対中国援助が”戦争賠償”的意味合いを持ち、街中に人民服を着た市民がの自転車通勤が見られた時代とは違う。国益確保を第一に、相手国を選び国民が納得する援助にして貰いたい。